用語解説
eラーニングとは?基本情報と導入方法、メリットや歴史までプロが徹底解説します!

eラーニング(e-learning)とは簡単に言うと「インターネットを利用した学習方法」です。
この記事では、eラーニングの基本情報と使い方、歴史について紹介します。
企業の研修教材などでも利用されている事例をご紹介していきます。
eラーニング(e-Learning / イーラーニング)とは?
参考:e ラーニングの概要 - 内閣府 防災情報のページ
eラーニングとは、「エレクトロニック(electronic)」と「ラーニング(learning)」という言葉を組み合わせた造語で、パソコンやスマートフォンなどの情報機器を使ってインターネット経由で学習することを指します。
簡単に言うと、用意された動画などのコンテンツを視聴することで、場所や時間にとらわれずいつでもどこでも簡単に教育を受けることができる学習スタイルです。
パソコンやスマートフォンなどのモバイル端末を用いて、業務の合間や通勤時間などの好きなときに双方向のコミュニケーションが取れる環境で学習することができます。
eラーニングの歴史
eラーニングは、1990年代に生まれた言葉で、元々は「コンピュータを利用した学習」を意味していました。
eラーニングの登場以前
eラーニングの登場以前は、メディアを利用した学習として、テレビ、およびビデオを教材としたものがありました。
テレビ教材による学習は、映像やアニメーションが利用ができ、文字や図表だけの教科書だけより効果的に行うことできます。
また、ビデオ教材が使われるようになると、決まった時間に放送されるテレビとは異なり、各自が好きなときに学習することもできるようになりました。
初期のeラーニング
初期のeラーニングはDVDで行われ、受講者のアクションが可能になりました。
受講者の理解度に合わせて教材を選択できたり、質問の答えに応じて適した教材を提示することができるようになりました。
ただし、DVDによる学習も「管理」の面ではまだまだ課題がありました。
DVDは1枚1枚作成し受講者に配布するため、作成・配布のための手間とコストがかかります。
また、一度作成・配布してしまったDVDは内容を容易に修正できません。
近年のeラーニング
初期のeラーニングの課題を克服したのが、インターネットを利用する近年のeラーニングです。
近年のeラーニングは、「eラーニングシステム(学習管理システム・LMS)」を使用し、受講者のパソコンやモバイル端末にインターネットを通して配信されます。
教材を作成・配布するためにかかるコストは、インターネットの利用料だけで手間がかかりません。
また、eラーニングシステム内にある教材は、いくらでも修正が可能です。
学習の進捗状況は、eラーニングシステムに記録されます。そのため、受講者の学習進捗状況を把握することができ、管理することができます。
これからのeラーニング
これからのeラーニングは、AI(人工知能)が利用できるようになってきています。
すでに、AIを活用した取り組みとして、顔認証技術があります。これにより本人認証を可能にし、セキュリティを強化することで、資格試験や検定・資格講習などにおける信頼性を高めることができるようになりました。
さらに、生成AIを利用することで、様々なアイデアや提案をしてくれるので、多様な学習コンテンツを迅速かつ大量に生成することができるようになります。
教材開発にかかる時間とコストを大幅に削減し、常に最新の情報を取り入れた教材を提供することが可能になります。
また、学習者一人ひとりの知識レベルや興味関心に合わせて学習データを分析し、仮想的なチューターやコーチとしての役割を果たすことが期待されます。
単に質問に答えるだけでなく、実務に近い状況をAIがシミュレーションし、学習者との対話を通じて、ケーススタディやロールプレイングといった、より実践的な学習を支援しすることができます。
特にビジネス研修や接客トレーニングなどの分野では、生成AIが、現場で起こりうる多様な状況を想定したロールプレイングや会話のシナリオを迅速に生成することができます。
自然言語処理の能力を持つ生成AIは、記述式の回答に対しても、質の高い個別化されたフィードバックを自動で生成することが可能です。
多言語教材においても、文化的な背景や表現の違いを考慮し、より自然で理解しやすい表現が可能になり、グローバルな学習ニーズに対応することができるようになります。
VR(仮想現実)も利用できるようになってきています。そのため、これまでは難しかった、実技の学習にもeラーニング教材を作成することで対応が可能になります。
eラーニングを行う目的
近年、多くの企業や教育機関において、eラーニングの導入が急速に進んでいます。eラーニングを行う目的は様々ですが、単なるコスト削減や利便性の向上だけではありません。
時間と場所に縛られない学習機会の提供
最大の目的の一つは、学習者が時間や場所に縛られずに学べる環境を提供することです。
従来の集合研修では、参加者は特定の時間に特定の場所に集まる必要がありました。しかしeラーニングなら、通勤時間や休憩時間、自宅など、個々の都合の良いタイミングと場所で学習を進められます。
これにより、多忙な従業員や遠隔地にいる学習者にも、均等な学習機会を提供できます。
学習コストと運営効率の最適化
集合研修にかかる会場費、講師の交通費・宿泊費、受講者の移動費、資料の印刷費などは、企業にとって大きな負担となり得ます。
eラーニングは、これらの物理的なコストを大幅に削減することができます。また、一度教材を作成すれば、多数の受講者に対して繰り返し利用できるため、スケールメリットも期待できます。
研修運営に関わる管理業務の効率化も、導入の重要な目的です。
教育内容の標準化と品質維持
講師によって指導内容や質にばらつきが出やすいという集合研修の課題に対し、eラーニングは均質化された教育コンテンツを提供できるという利点があります。
全ての受講者が同じレベルの情報や知識を、同じ品質で学ぶことができるため、組織全体としての知識・スキルの標準化を図りやすくなります。
また、内容の更新や修正も比較的容易なため、常に最新の情報を提供し続けることが可能です。
学習進捗の可視化と効果測定
eラーニングシステム(LMS:学習管理システム)には、受講者一人ひとりの学習進捗、理解度テストの結果などを記録・管理する機能が備わっています。
これにより、管理者は誰がどの程度学習を進めているかを容易に把握でき、個別のフォローアップやサポートが必要な学習者を特定しやすくなります。
また、データに基づいて研修全体の効果を測定し、内容の改善につなげることも目的の一つです。
個別最適化された学びの実現
eラーニングは、学習者が自分のペースで進められるだけでなく、理解度に応じてコースを分岐させたり、苦手分野を繰り返し学習したりといった、個別最適化された学びを提供しやすい側面も持っています。
これにより、学習効果そのものを高めることが期待されます。
eラーニングを導入する方法
eラーニングを導入するには、受講者側と管理者側それぞれで準備が必要です。
受講者側
- スマートフォン・PCなどのインターネットに接続できるデジタルデバイス
管理者側
- eラーニングシステム(LMS): 学習教材の配信、受講者の管理、進捗状況の把握などを行うためのシステム
- 学習教材
- 学習支援者(メンター)
ラーニングシステム(学習管理システム・LMS)とは
「eラーニングシステム」通称: LMS(Learning Management
Systemの略)とは、インターネット上でeラーニング教材を配信・管理するシステムです。
教材や受講者を登録・管理でき、それぞれの受講者の学習進捗を把握できるといった機能が特徴です。

LMSの主な機能
受講リマインド(受講をうながすメールを受講者へ送る)
eラーニングは、定期的あるいは継続的に行わなければならないものも多くあります。eラーニングシステムでは、受講すべき時期がきたら受講者に対し、受講をうながすメールを送ることができます。
教材の受講者への配信
eラーニングの教材は、すべてeラーニングシステム内に保存されます。受講者のパソコンやモバイル端末に、必要に応じてインターネットを通して配信されます。
学習の進捗状況管理
受講者がどこまで学習を進めたか、進捗状況はすべてeラーニングシステムに記録されます。そのために、多数の受講者について、進捗状況を一覧表示したり、分析したりすることも手軽に行えます。
テストの作成支援や実施、レポートの受け取り
学習の種類によっては、テストが必要なものもあります。eラーニングシステムは、テストの作成を支援し、受講者に対して実施することができます。また、受講者からのレポートを受け取ることもできます。
テスト結果やレポートの分析
実施したテストの結果から、グループごとの平均点比較、問題ごとの正答率比較、進捗の分布グラフ表示などの分析を行うことができます。レポートについても、評価や進捗を管理することができます。
受講者コミュニティの管理
eラーニングシステムにより、受講者同士が、日記や掲示板、コミュニティ、メッセージ、プロフィール、チャットなどを通して交流することもできます。
LMS導入のメリット
受講者視点
-
● 柔軟な学習
時間や場所を選ばずに学習できます。オンラインであるため、感染症対策にも有効です。 -
● 質の高い学習
繰り返し学習、動画や音声による分かりやすい教材、講師による教え方のばらつき防止、集合研修との組み合わせによる学習効果向上、受講者同士の交流による学び合いなどが可能です。 -
● 学習データの蓄積
受講履歴や達成度などの学習データを記録・確認できます。 -
● 一元的な学習環境
教材の閲覧からテスト、レポート提出までをオンラインで完結できます。
人事担当者・管理者・教育者視点
-
● 教材配信の効率化
受講者への教材配布が容易になります。 -
● 学習データの活用
学習状況やテスト結果などのデータを管理・分析し、効果的な学習提供に繋げられます。 -
● 教育ノウハウの蓄積と再利用
作成した教材は繰り返し利用でき、教育の効率化・標準化することができます。 -
● コスト削減
教材の印刷費、会場費、交通費などのコストを削減できます。 -
● テスト・評価の効率化
テストの作成・実施・採点、受講者の評価を効率的に行えます。 -
● 受講管理の効率化
受講者の進捗状況や履修状況を一元的に管理できます。 -
● 研修範囲の拡大
遠隔地の従業員へも均質な研修を低コストで実施できます。
eラーニング教材の作成方法
eラーニング教材を準備するには、主に3つの方法があります。
●提供会社の既存教材を利用する
eラーニング提供会社が用意している豊富な教材の中から、自社のニーズに合ったものを選択できます。
●提供会社に制作を依頼する
自社のニーズに合わせて、教材の企画・制作を依頼できます。VR動画、映像教材、アニメーション教材、電子ブックなど、多様な形式での制作が可能です。
●自社で内製化する
自社の理念や専門知識など独自の内容の研修を行いたい場合に適しています。PowerPoint資料や動画などを活用し、LMS上でテスト問題を作成することも可能です。提供会社から内製化の支援を受けることもできます。
eラーニング教材は、テキストだけでなく、動画、音声、イラスト、アニメーション、CG、VR(仮想現実)など、多様な形式で作成できるため、受講者の興味を引きつけモチベーションを維持することで、理解を深める効果が期待できます。
学習支援者(メンター)
eラーニングを行う際には、「学習支援者(メンター)」を置くことが必要です。メンターは、受講者の相談や質問を受けたり、受講のリマインドを行ったりすることにより、受講者が学習のモチベーションを高く保てるよう支援します。
eラーニングとその他の教育方法の費用比較
eラーニングにかかる費用を下記の表で、通学型教育や通信教育、集合研修と比較してみます。
受講者負担の比較 : eラーニングと通信教育・通学型教育
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eラーニング | 通学型教育 | 通信教育 | |
---|---|---|---|
修了日数 | 14日 | 14日 | 14日 |
講座費用 | 9,000円 | 9,000円 | 9,000円 |
入学金 | 不要 | 9,000円 | 9,000円 |
交通費 | 不要 | 7000円(500円×14日) | 不要 |
講師費用 | 不要 | 10,000円 | 不要 |
購入する教材費 | 不要 | 3,000円 | 7,500円 |
計 | 9,000円 | 38,000円 | 25,500円 |
提供者負担の比較 : eラーニングと集合研修
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eラーニング | 集合研修 | |
---|---|---|
受講者人数 | 500人 | 500人 |
集合研修のスケジュール | 不要 | 一泊二日 |
受講者全員が受講完了する までの集合回数 |
不要 | 10回 (500人÷50人クラス) |
宿泊費用 | 不要 | 3,000,000円 (1人6,000円×500人) |
食事費用 | 不要 | 2,000,000円 (1人4,000円×500人) |
交通費 | 不要 | 500,000円 (1往復1,000円×500人) |
研修会場費用 | 不要 |
2,000,000円 (1日の会場費用100,000円×2日×10回) |
講師謝礼 | 不要 | 3,000,000円 (1回の謝礼300,000円×10回) |
教材費 |
2,000,000円 (eラーニング教材作成費※内容によります。) |
1,500,000円 (教材費3,000円×500人) |
システム利用料 |
306,000円 (初期費用210,000円+月額費用96,000円) |
不要 |
計 | 2,306,000円 | 12,000,000円 |
このように、ざっと見積もっても、eラーニングの費用は約230万円、集合研修の費用は1200万円で、その差は970万円にもなります。
集合研修を行う際には、これに加え、事務局や受講者の人件費がかかります。eラーニングには作成・運営にかかわる事務局の人件費がかかることになります。
eラーニングはいずれの教育研修よりも、費用を大幅に抑えられることがわかります。
eラーニングの導入事例
当社のeラーニングは、すでに多くの企業様にご利用いただいております。当社のeラーニングシステムを導入された企業様の一部をご紹介いたします。
LINEヤフー株式会社様
データ活用による企画・提案ができる環境の整備のため、全グループ企業に向けた学習環境を提供するためプロシーズのeラーニングを導入されました。
株式会社スキルベース様
企業研修と人材開発コンサルティング事業を行っている企業様で、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングをはじめとしたハードスキルを鍛え上げる研修を展開されています。
曙ブレーキ工業株式会社様
人材教育において、コンプライアンス研修や社員なら誰でも受講できる公開講座など、多様な場面でさらなる改善・強化に向け、LearningWareを導入されました。
学校法人関西学院大学様
「AI活用人材」を育成するために、全学部生対象に2019年度から全10科目からなるAI活用人材育成プログラムを開講しました。2021年4月からは基礎3科目をe-learning化して希望者全員が受講できるようにし、7月からは学内に留まらず広く企業向けにも提供を開始しました。
オンライン研修やeラーニングの導入はプロシーズにお任せ
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