2022.04.05 タイムマネジメントとは?6つのテクニックとおすすめ手順
「できる仕事が増えてきたけど、どれから手をつけていけばいいんだろう…やらなきゃ!って焦ると小さいミスが増えちゃう…」
「仕事を早く覚えたいし、知識もつけたい…でもそんなに時間とれないし…」
若手社員の多くは、スキル・知識不足によって業務効率が悪く、日々のタスク量も多いことから業務時間内に作業が終わらない場合があります。
自己成長するための挑戦にあたるようなプロジェクトへの取り組みや、業務内容でわからないことの調査、上司のフィードバックなど、自己の向上につながる時間を確保できずに「成長できていないのでは…」と、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
タイムマネジメントはそのような悩みを持っている方に効果的な時間管理術です。
この記事を読むことで、タイムマネジメントを体系的にインプットできる構成になっています。書かれた内容のフレームワークを活用して、実際の仕事でアウトプットができれば、日頃から悩みの種にもなっているタスク量の多さを緩和する糸口になるはずです。
ここでは、その手助けをしてくれる考え方であるタイムマネジメントについてご説明します。
- INDEX
そもそもタイムマネジメントとは?
タイムマネジメントとは、時間の使い方を効率的にすることで、生産性を高める考え方を指します。
つまり、「限りある時間をうまく活用して現状よりも多くの活動ができる」または「少ない活動でタスクを達成すること」がタイムマネジメントの目的であり、生産性向上・業務効率化が求められている「働き方改革」においても重要な考え方といえます。
例)
「1時間あたり10個の成果物に時間を費やしていたところ、1時間あたり20個の成果物を作れるようになった」
「1時間あたり10個の成果物に時間を費やしていたところ、30分あたり10個の成果物を作れるようになった」
このようにタイムマネジメントは、限られた時間の中で最大の成果を得るために考え、実際に行動を起こす必要がある、ビジネスパーソン必須スキルともいえるでしょう。
現代においては新入社員から管理職の方まで、幅広い年代と役職の方々に求められます。
タイムマネジメントの必要性
新入社員だけでなく、若手社員の中には周りと比べ「自分はなんでこんなに仕事が遅いんだ…」と感じる方も多くいらっしゃいます。
また中堅社員以降の方々にとっては、自分が抱えているタスクだけでなく、部下を教育していく時間の確保や急なトラブルの問題解決対応などのタスクの割合が増え、自分の仕事と両立していくのが難しいといった苦労があるのではないでしょうか。
タイムマネジメントは、こういった時間に対する課題、ひいては成果に対して大きな助けとなります。
タイムマネジメントによって、業務改善・成果を上げることで、多くのストレスの原因にもなっている仕事量が解決され、安定したワークライフバランスを保つことができます。
仕事に早く慣れなければならないという焦燥感や不安を抱える新入社員にとっては、時間を効率的に使う考え方を学ぶことは成果を出すという面でも、心の負担という面でも良い効果をもたらしてくれるでしょう。
働き方改革と在宅ワーク
近年、働き方改革が推進されている背景として、少子高齢化による労働力の減少や長時間労働などの問題があります。企業には、それらを改善するため生産性向上や業務効率化を目指すことが求められています。
また、新型コロナウイルスの影響により在宅ワークという働き方が急増したことで、年々増加していた「自由な働き方をしたい」という傾向はより一層強くなっていくことでしょう。
しかし、一方では会社勤務と比較し「生産性の維持や向上ができないのでは」という意見もあり、企業がテレワーク導入に踏み切れない理由のひとつとなっています。
このような課題に対し、実践的な手法やタスク管理術を用いるタイムマネジメントを導入することで、テレワークはもちろん、どのような環境においても仕事の効率化を図り、成果へとつなげていくことが可能になります。
また入社して間もない方が、タイムマネジメントの考え方を取り入れることは、企業やチームの成長において欠かせません。
ここでは、新入社員・若手社員に向けてタイムマネジメントの手法や手順を紹介していきます。
タイムマネジメントに役立つ6つの手法・フレームワーク(+α)
具体的な手法やフレームワークを知ることは、タスクを効率よく達成していくための近道になるでしょう。仕事の進め方やプロジェクト全体を俯瞰し、具体的な手順を実行していただくことによって、なかなか片付かない業務を効率よく完了していくことができます。
状況によってタイムマネジメントに効果的な手法は異なりますが、ここでは6つご紹介したいと思います。
1.PERT手法/朝メール・夜メール
PERT(Program Evaluation and Review Technique)手法とは、業務開始時間と終了時間の流れや所要時間を図式化し、業務の計画を立てる手法です。
業務のつながりを見えるようにすることで、目標までの最短ルートが割り出せるため、時間節約・全体の把握に役立つことでしょう。
似たような手法に株式会社ワーク・ライフバランスが提唱する「朝メール・夜メール」があります。朝に一日でやる業務を「朝メール」でチームに共有。終業時に「夜メール」で振り返ることで時間の使い方や業務の進捗を”見える化”する手法です。チームで助け合い、仕事を効率化し、長時間労働や残業の原因を分析し改善することができます。改善を個人だけにだけゆだねるのではなく、チームで解決するのも良い手法でしょう。
2.KPT法
KPT(Keep Problem Try)法とは、良かった点は続け(Keep)、悪かった点は問題点や課題(Problem)として認識し、改善(Try)していく振り返りの手法です。
人数にかかわらず簡単に行うことができ、KPTの3つを軸にチーム内で早期課題発見・解決へと導くことができます。KPT法を他部署の方と実行することで、見えなかった視点からの意見を取り入れることができ、次の目標に向けてチームとして強い動きができるようになるでしょう。
3.GTD 手法
GTD (Getting Things Done)手法とは、収集→処理→整理→見直し→実行という段階を経て、業務を洗い出し整理した後、順を追って処理していく手法です。
頭の中にあるごちゃごちゃとした業務が洗い出されている状態なので、常に目の前にあることに集中することができ、クリアな思考で物事を実行することができるでしょう。
4.ロジックツリー
ロジックツリーとは、問題点からツリー状に分岐させ、問題点を小さくしていくことで原因の特定や次の課題が論理的にわかるというものです。
Whatツリー、Whyツリー、Howツリーなど目的別に合わせたロジックツリーを使う必要があり、物事の本質を体系的にし、それぞれを簡単に比較検討することができます。
5.アイゼンハワー・マトリクス
アイゼンハワー・マトリクスとは、「重要」「緊急」「重要ではない」「緊急ではない」の4つを高低の項目ごとに分けて図表化することで、業務の優先順位がわかるというものです。
重要とは、長期的な目線で達成したい目標などを指し、
緊急とは、早急な対応が求められることなどを指しています。
1つ目の項目では、「重要」かつ「緊急」の高い業務
2つ目の項目では、「重要」かつ「緊急ではない」の高い業務
3つ目の項目では、「重要ではない」かつ「緊急」の高い業務
4つ目の項目では、「重要ではない」「緊急ではない」の高い業務
に振り分けられ、これらを参考にすることで優先順位がわかるようになります。
6.ECRSの原則
タイムマネジメントによる業務効率化を行う上で、順番と視点の参考になるのが、ECRS(イクルス)の原則です。ECRSとは下記の4つの視点の頭文字をとっていて、様々な分野の業務効率化の場面で活用されています。
- Eliminate(排除:取り除く)
無駄な業務を「取り除く」ことで業務効率向上できないか検討します。
例)会議の時間を短くする、参加人数を絞る - Combine(結合:つなげる)
似た作業を同時に進める、複数の作業を並行して進めることで、効率化できないか検討します。
例)メールをグループ送信する、会議参加と議事録作成を同時に行う - Rearrange(交換:組み替える)
優先順位をつけて「組み替える」、または、作業の手順や内容を「組み替える」ことで業務効率改善ができないかを検討します。
例)授業で基礎知識を学ぶのではなく、自宅学習・予習で基礎知識を学び、授業では知識を深めるディスカッションを行い、学習効率を高める - Simplify(簡素:簡素化する)
作業を「簡素化」しても、同じ成果になるのかを検討します。
例)営業時のヒアリングシートのテンプレートを社内で共有する、関数を使って自動計算されるようにする
この4つの視点のうち、業務改善効果の高い順はE→C→R→Sの順となっており、その順番に改善していくことがよいとされています。
(+α)パレートの法則(80:20の法則)
パレートの法則(80:20の法則)とは、全体のほとんどを構成している8割の数値は、全体の一部を構成している2割の要素が生み出しているという経験に基づいて提唱されている法則のことです。
つまり、ビジネスにおいて売上の8割を達成しているのは、全顧客の2割によるところが大きいというもので、焦点をあてるポイントと力を注ぐ割合を考える必要があるということです。
タスクの整理や管理においてもこの考えをもとにすることで、限られた時間の中から目指す成果に対して、有効的な時間の使い方を検討することができます。効率化できるポイントを探すにあたってのヒントとなる考え方としてご紹介いたしました。
これらを活用したタイムマネジメント7つのおすすめ手順
何も考えずに割り当てられたタスクをこなすだけでは、生産性の向上は期待できません。
今まで作業していた部分を自動化したり、滞っているタスクを共有して自分一人でつき進めるような状態をなくすことも生産性を向上するうえでは効果的でしょう。
もしくは、その作業自体をやめてしまうといった行動も、今以上に成果を達成するための最適解かもしれません。
これまでに学習した手法やフレームワークを活用し、具体的な行動に落とし込んだおすすめの手順をお伝えしていきたいと思います。
- まずは現状把握をする
- 見える化をしよう
- 優先順位をつける
- 目標を定める
- 目標をさらに細かく分ける
- 実行する
- 振り返りをする
1.まずは現状把握をする
現状を把握することは、タイムマネジメントを行う上で、土台となる重要な箇所です。
まず自分のおかれている環境について客観的に把握しましょう。
定期的な打合せや想定しにくい急なアポイントなどが入っていたりしないでしょうか。1日に使える時間が8時間だと思っていたところ、実は4時間だった、ということもあるでしょう。
ポイントとなるのは、「自分で管理できる時間」がどれくらいあるかということになります。 ここでの「自分で管理できる」とは、自己判断で行動できる業務時間のことを指します。
また、タイムマネジメントを行いたいプロジェクトがどんな環境にあるかも把握しましょう。
先方の承認フローや、決定権を持っている人はだれか、どのような背景でプロジェクトが進んでいるか、どれだけ強く望まれていることなのか、といったことです。
やらなくてもいいことや、早めにやっておいた方がいいこと、後回しにしてもよいことなどを考える上での材料となるのはもちろん、プロジェクトを俯瞰することができるので、効率化をより広い視点で考えることができます。
2.見える化をしよう
PERT手法やToDoリストを活用して、自分の作業を可視化できるようにしましょう。
ToDoリストの目的は、内在するリスクを洗い出し、対策できることが大きなメリットの一つです。
また、やることをリストアップすることで業務の漏れや忘れを防ぐ役割があります。
逆に言えば、やらなくていいことを考える必要がなくなり、頭の整理がしやすく作業に集中できる環境作りの助けになります。
3.優先順位をつける
やることを明確にして、優先順位をつけます。
常日頃から「いま」やる必要のないタスクに時間を奪われている方も多いのではないでしょうか。
朝メール・夜メールを行うようにしたり、日付ごと、タスクの内容ごとの付箋を図表に置くことで、今日の仕事が一目瞭然になります。
また、先ほどご紹介したロジックツリーやアイゼンハワー・マトリクスを使うことによって、長期的な目線での効率化を図ることができます。
4.目標を定める
ゴールを明確化していつまでに販売目標を達成する、いつまでに企画を作る、といったように目標を定めます。
一つずつ確実に完了するためには、逆算思考を取り入れるといいでしょう。
逆算思考とは、達成したい事柄に対してそれを成すために、その過程を細分化し、1つ1つのステップアップを明確にすることができます。
Whenを常に意識することで、急な課題にも対応できる余裕が生まれるはずです。
目標の設定が適切ではなかったために、期限内に終わらないといった事態にならないよう、自分ができる範囲でスケジュールを調整していくことが重要です。
5.目標をさらに細かく分ける
定めた目標をすぐに到達が可能な範囲に小さくしましょう。
心理的なハードルを下げ、継続しやすくする工夫は必要です。目標の細分化をすることで、小さな達成感を味わうことができます。
その積み重ねがやり抜くことにもつながっていき、結果として先延ばしにしてきた業務を終わらせる目安になるだけでなく、大きなリターンを生む目標物にもなるでしょう。
自分を追い込むことばかりではなく、次のステップアップにつなげていきましょう。
6.実行する
1~5の中で、できるだけ効率化するようにタイムマネジメントをしてきました。計画通りに進むように実行します。
実行する中でも、「もっと効率化できることはないか」といった視点をもつことで次の振り返り時に課題が挙げられ、改善につなげることができます。
7.振り返りをする
何が、どこまでできたのか振り返りを必ずしましょう。
振り返りのときに、取り掛かる前にはわからなかった改善点がでてきたと思います。
遅くなってしまった・失敗した原因を考えたり、そもそものフローを見直したりすることで次に活かすことができます。
また、ここでは前述した「KPT法」や「ECRSの原則」を取り入れて、どこのフェーズをなくせるか、よりもっと効率化できそうかを考え、次に向けて対策することが大事です。
自信を持てない人におすすめの振り返り方法
自信を持てない人の特徴として、振り返りを行う際に「うまくいかなかった」という負の感情に支配されてしまう傾向があります。
しかし、改善を行うことは多いので、負の感情を持っていては繰り返し改善を行っていくことは辛いものとなっていくでしょう。
そこで、「そこまでできた」自分に焦点を合わせて次回に活かすことをおすすめします。
特に新人時代にはうまくいかないことも多くあります。改善を心掛けなければ、周りからほめてもらえることも少ないでしょう。
そこで、ご自身だけはそこまでできた自分を褒めてあげるのです。そうすることで改善が継続され、気持ち的にも落ち着いて業務に向かうことができます。
自分の納得のいくゴールを設定しておくと一歩一歩確実に進めている感覚をもち、自信へと繋がるはずです。
振り返りで活用してほしい「ECRSの原則」
「取り除く」ことが一番効果的
「ECRSの原則」で説明した通り、「E」取り除くことが効率化にとって一番効果的です。
タスクを「実はなくせるものがないか」という視点でみてみましょう。そもそもの業務の目的や目標と照らし合わせてみると、「取り除いても問題がない業務」が見えやすくなります。
また、「習慣」になっているルーチン作業の中にも、それほど重要ではないものがある可能性があります。
成果につながりそうにない、または今後のためにもならない「習慣」を思い切って捨ててみることも、取り組んでみる価値があることでしょう。
次に「つなげる」「組み替える」「簡易化する」
これも「ECRSの原則」に沿って、「C」つなげる・「R」組み替える・「S」簡易化するの順に改善を検討しましょう。
「人に任せること」で「C」つなげる・「R」組み替える
改善を行う際は、自分の仕事部分を見ることはもちろんですが、チームのことまで気に掛けるとなお、改善点が見えやすくなるでしょう。
「チームとして業務効率化する」といった視点でみたときに、あなたの仕事の中に、誰かにやってもらったほうが効率化するものがあるかもしれません。
人に任せることができない人は仕事が滞る、終わらないといったことに陥りがちです。結果として、過労やミスを誘発しかねません。
思い切って仕事をお願いしてみてはいかがでしょうか。
「基本的なことから見直すこと」で「S」簡易化する
〇基礎的なPCスキルを上げる
人によっては時間の節約をする上で、基礎的なPCスキルを身に着けることが最も効果的かもしれません。
パソコン業務が必要不可欠となっている中、PCアプリケーションのExcel、Word、PowerPointなどは必須の技術といえるのではないでしょうか。
例えばExcelの関数を知ることで、複雑な計算を自動的に行うことができます。
また、PCのショートカットキー、タイピングを練習するなども具体的かつ取り組みやすい活用事例のひとつです。
〇タスク管理ツールを導入する
新入社員・若手社員はタスクの整理ができていないことから、常に頭の中で複数のタスクを考えなければならないといった事態に陥りがちです。
新入社員・若手社員でなくても、忙しくなったときにうまくいかなくなる経験は多くあると思います。
タスク管理ツールを導入することで業務を一括管理ができ、自分のタスクやスケジュールの把握がしやすくなります。チームでのプロジェクト管理も可能で、タスクの抜け漏れ確認・進捗把握がしやすくなります。また、スケジュール・プロジェクト進行などのテンプレートを作って共有するような工夫をすることで、業務効率の改善につながります。
実際に多くの企業で取り入れられている2つのおすすめツールをご紹介いたします。
■Backlog:https://backlog.com/ja/lp/
「Backlogは、エンジニアやデザイナーはもちろん、営業やバックオフィスの方まで幅広く使われているタスク管理・プロジェクト管理ツールです。」
Backlogより引用
- 国内シェアNo1のプロジェクト管理システム
- ガントチャートで紐付けられた作業はタイムラインで確認
- タスクの担当者や期限を明確に管理できるのでミスを防止しやすい
■Trello:https://trello.com/ja
「Trelloでチームの生産性をアップ。コラボレーション、プロジェクト管理、生産性の向上。高層ビルでも自宅のオフィスでも、Trelloならチームの仕事の進め方に合わせてすべてを達成できます。」
Trelloより引用
- タスクのあらゆる作業を管理、追跡してチームメイトと共有できる業務管理ポータル
- チーム全体で自動化機能を利用することでプロジェクトボードの単純作業の削減に貢献
- チームですでに使用しているアプリを接続して簡単にツールを組み込める
タイムマネジメント研修
集合研修やeラーニング、オンライン研修など、様々な手法でタイムマネジメント研修が行われていますが、特にオンラインを活用した研修が昨今増加しています。
eラーニングであれば受講場所・時間を選ばない、またオンライン研修では受講場所を選ばない研修が行えるので、時間を有効的に使うことができます。
タイムマネジメント研修のメリット
タイムマネジメント研修を行うことで、組織全体の生産性の向上を見込むことができます。
それだけでなく、タイムマネジメントは日々の仕事の負担からくる心理的ストレスを軽減させます。
また、タイムマネジメントにより仕事の成果向上と成功体験を積むことで、仕事に熱意をもったり、没頭したりすることができます。
これらによって、以下のメリットが得られると言えるでしょう。
組織の生産性を向上
研修は集団で行うため、一度に多くの従業員にタイムマネジメントスキルを付けることができ、組織としての生産性向上を見込むことができます。
勤務地が広範囲に及ぶような企業様の場合、集合研修をするには移動時間が発生し、忙しい社員が集まることができないといった問題があります。
そういった場合にはオンライン研修やeラーニング研修を実施することで、一番タイムマネジメントスキルをつけてほしい忙しい従業員の研修機会を作ることができます。
自己効力感の向上
自己効力感とは、自分が向き合っている課題に対して乗り越えられる・克服できるといった期待や自信をもっていることをいいます。
小さな成功体験を積んでいくことで、前向きな態度で仕事に臨むことができるようになるでしょう。
タイムマネジメントにより自己効力感が向上することで、強い意志で行動を実行することができ、結果として大きな成功へとつながっていくのです。
ワークエンゲージメントの向上
ワークエンゲージメントとは、バーンアウトの研究で著名なウィルマー・B・シャウフェリにより、以下のように定義づけられています。
“ワークエンゲージメントは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である”
つまりワークエンゲージメントを向上させることで、仕事のモチベーションやパフォーマンスをより上昇させるだけでなく、会社に対してもポジティブな感情でいられるため、離職するといった選択肢を減らすことにつながるのです。
またワークエンゲージメントの高い方は、日常生活において心身の健康的な状態を維持しているなどの特徴もあげられ、企業が発展する上で従業員のワークエンゲージメントを向上させることは、重要なポイントの1つだといえるでしょう。
階層別おすすめのタイムマネジメント術
新入社員から管理職まで、それぞれに適したタスク管理術がいくつも存在します。
自分に合うタイムマネジメント手法を身に着け、時間を有効に使いましょう。
ここでは一部ではありますが、階層別に応じたタイムマネジメント術をご紹介しますので、研修を導入する際の参考にしていただければと思います。
新入社員~3年目に向けたタイムマネジメント術
新入社員~3年目の方々がタイムマネジメントを行うことができる範囲は、個人の裁量で調整できるタスクが主になります。
そこまで仕事に慣れていない新人は、タイムマネジメントの考え方を理解することが、抱えているタスクを生産的で実りのあるものにする秘訣だといえます。
これまでに紹介したtodoリストやロジックツリーなどを活用して、急な対応が要される仕事にも適応できるようにすることが一番の目標でしょう。
中堅社員に向けたタイムマネジメント
中堅社員の方々は新人時代に比べて、よりリーダー的立場でプレーヤーとして業務をこなしつつ、部下への指示や育成に時間を割くことが多くなっている方も多くいらっしゃいます。
成功に導くために、仕事の質を高められるよう多角的に考え、業務を見直すようになることが大事でしょう。かつ部下指導するといった視点でのタイムマネジメントをしていくことも求められることかと思います。
管理職に向けたタイムマネジメント
管理職の方々は、仕事内容の大部分に働き方改革を中心となって進める、部下の育成をする、経営理念を浸透させるなど、会社をより充実させるために動く仕事が多くなっていきます。
そのため、組織全体の生産をあげるための考え方・スキルが大事になるでしょう。
また、働き方改革を提唱している自分が残業をしてしまっていることも多くあるため、タイムマネジメントを実行すべき当事者であるということを意識しなければいけません。業務の質を高めるタイムマネジメントスキルも併せて身につけ、率先してタイムマネジメントを実行し、見本を示していくことが大事です。
一番求められているのは2~3年目のタイムマネジメント
タイムマネジメントを導入して効果が大きいのは、2年目~3年目の方々です。入社時と比較して、担当を任される業務も多くなり、個人の時間を取りやすいためです。また、仕事に慣れることができずに自己効力感が不足している従業員も多くいます。
企業やチームの発展を考えている場合は、その後の成長性を見込んで2年目~3年目の社員にタイムマネジメントを取り入れていくことが得策といえるでしょう。
基礎学習におすすめのタイムマネジメント講座
こちらの講座では、新入社員、2~3年目などの若手社員はもちろん、タイムマネジメントの基礎を学びたい従業員に最適な講座です。
ご紹介してきたようなタイムマネジメントのコツを様々な事例から学び、課題に取り組むことで、タイムマネジメントスキルを定着させます。スマートフォンからでも受講できるので、スキマ時間を使った学習にもご活用いただけます。
タイムマネジメント講座:/learningware/course/time-management/
まとめ
タイムマネジメントは、時間を管理し、効率的に時間を使うことで生産性を高める考え方です。この考え方を取り入れ、成果を生み出すことで、自己効力感とワークエンゲージメントの向上にもつながっていくので、タイムマネジメントは企業やチームの発展に役立ちます。
今回ご紹介したフレームワークや手順を活用して実際にアウトプットしていくことで、ご自身が満足のいく業務を行えるだけでなく、周りからも評価される仕事を行えるようになるはずです。仕事とプライベートのバランスを大事にしながら、人生を充実したものにしていきましょう。
番外編 時間節約のための、会議を行う際に気をつけておくべきポイント4選
みなさんは無駄な朝礼や会議・打ち合わせが多いと感じたことはないでしょうか。
長時間労働の要因にもされる会議が、無駄だと思われている主な原因の一つに、タイムマネジメントが行われていないために、ただの時間の浪費だと感じられてしまう点にあります。
会議を有効なものにするために、常に時間を気にして進行を心がけることが大事です。
番外編ではタイムマネジメントを意識しながら、会議を行う際のポイントも押さえておきましょう。
人数を絞る
会議に参加する必要がない人がいないかを確認しましょう。
会議中に一度も発言をしない人は、議事録を確認してもらうだけで十分なのかもしれません。
タイムキーパーを任命し、会議時間をきちんと管理する
タイムキーパーの役割は、発表者に与えられた持ち時間や終了時間の予告など、会議の時間配分を見極める必要があります。
会議の内容が議題とあまりにも反れていて、時間を要するのであれば、タイムスケジュールの見直しを考慮する必要もあるかもしれません。
事前にタイムスケジュールを共有する
あらかじめ議題と発表者のプレゼン資料を参加者に送り、必要最低限の情報をインプットしてもらうことで、当日の会議では滞りなく進行できます。
同時に、会議の参加者が適任であるかを前もって検討することによって、より深い内容について話し合うことができるでしょう。
次回の会議のために準備をしておく
次回の開催時に向けて、会議終了後に話し合った議事録を作成しておくことによって、振り返りの時間を短縮することが可能です。
会議によってはあらかじめ備えることができるので、計画性をもって準備していきましょう。