2019年12月23日
ブレンドラーニングのひとつで、事前学習として自宅などでeラーニングやビデオ教材などを使用して学習を行い、対面の授業では講義は行わずに、ディスカッションや生徒それぞれに合わせた個別フォローや弱点補完する授業形式です。
今までよく行われていた授業形式は、下記のような授業が一般的でした。
反転授業では逆に、下記のような取り組みを行っています。
講義を受ける(インプット)だけでは知識は深まりません。ディスカッションなど、アウトプットすることにより、より深い知識を得ることができます。
従来の講義は教師のセンスや講義の準備によるところが大きく、また生徒の予習の質も、教科書を読んで、問題を解いた理解度は生徒のセンスによるものとなっていました。
反転授業では、講座は自宅学習によるeラーニングや動画化の講座、学習の質を高めるディスカッションなどの授業を行うことにより、均質化・教育の質の高めることができます。
実際に反転授業を導入している武雄市の小学校では「授業を楽しみ、内容も理解している状況がアンケートで表れ、「児童の評価が高い」」という検証結果が出ています。
また、反転授業を実施しているアメリカの高校では、「テストの前などに動画を見ることが出来て、わかりやすい」と生徒からの声も上がっています。
しかし、ここで気をつけることは反転学習のKPIをどこに設けるかということです。
学校教育においてのKPIは学力と位置づける方も多いのではないでしょうか。
前年度と比較するにはしっかりデータ化を行う必要、また細かく特記事項も設けておくことが必要です。
現時点で、反転授業により学力が向上した、というデータはないように見受けられます。(ご存じの方は、情報提供いただけると幸いです。)
反転授業は学力に有意ではないと判断するには時期尚早ですが、今後もトライをしていくことで、より明らかになってくるでしょう。
一方で、反転授業にも課題があります。
iPadやタブレットといった機器が必要になります。
これを学校が提供するケースが多いようです。
反転学習では、学校で応用を行うため、自宅学習が必須となります。事前の学習がなければ、学校での授業にはついていくことができなくなります。
小学校低学年の子どもなどは特に、父母が事前学習を促すなどサポートが必要になってきます。
また、場合によってはインターネット環境も必要になり経済的なサポートも必要になるかもしれません。
年度当初は学級づくりが主となり、授業スタイルを変えていく取り組みが難しくなるというケースがあるようです。(下記の事例を御覧ください)
計画には実際の学校運営上の負担も考慮する必要があります。
また、教師にはeラーニングで行う事前学習を行うにあたっての説明、子どもたちがアウトプット、議論、応用等を行う場の運用スキルが必要になってきます。
これを教師にも学んでいただくことで、より良い結果出ると思われます。
佐賀県武雄市では2014年から小学校全11校でタブレットを使用した反転授業を実施。
1年経過した2015年10月に、2015年4~7月の実施率が下がっているという報告が上がっている。「年度当初は学級づくりを優先するし、授業も児童の実態に応じて展開するので企画通りに進まないことも多い」(市教委)という状況もあり、生徒の環境など、教育現場の難しさが伺えます。
武雄市では、中学校にも反転授業を広げ、実施し、2016年には5月には公開授業も開催する予定のようです。
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