2019.10.25 多様なニーズに対応できる!eラーニングシステムの種類と選び方
「eラーニングのシステムは、何を選べばいいのだろう?」
eラーニングの自社への導入にあたり、システム選びで迷ってはいませんか?eラーニングシステムは、さまざまな種類があります。自社のニーズにかなったものを選ぶことが重要です。
この記事では、eラーニングシステムの特徴と必要な構成、選ぶポイント、および用途に応じたさまざまな学習教材についてご紹介します。
eラーニングシステムの特徴
eラーニングシステムとは、元来の意味では「コンピュータを使用した学習システム」です。しかし、近年のeラーニングシステムは、インターネットを利用することにより、それ以前のCD-ROMを使用したもの※1と比較して、使い勝手が大幅に改善しています。
近年のeラーニングシステムでは、インターネット上に「学習管理システム(LMS)」を設置します。教材はすべてLMS内に保存され、必要なときに学習者のパソコンやモバイル端末に配信されます。そのために、CD-ROMを使用したeラーニングシステムと比べ、次のような利点があります。
- CD-ROMを1枚1枚作成・配布する手間とコストがかからない
- 教材はLMS内にあるために、修正がいくらでもできる
- 学習の進捗状況はインターネットを通じてLMSへ送られるため、学習の管理が容易
- テストの結果などもLMSへ送られるため、採点や評価が容易
- 学習者はスマートフォンなどのモバイル端末を利用できるため、通勤時間などのスキマ時間での学習が可能
※1 かつては自分のパソコンにCD-ROMでeラーニングシステムをインストールして、学習履歴を貯め、修了証を印刷してエビデンスとするといった運用がされていました。
eラーニングシステムに必要な構成要素
近年のインターネットを利用したeラーニングシステムに必要な構成要素は、
- 学習管理システム(LMS)
- 学習教材
の2つです。
それぞれについて、具体的な機能を見ていきましょう。
学習管理システム(LMS)
学習管理システム(LMS)は、eラーニングを管理・運営するためのシステムです。LMSに必要とされる機能は、大きく分ければ、
- 教材作成・管理
- 学習履歴管理
- 連絡管理
- ユーザ管理
- コミュニティ管理
の5点です。
教材作成・管理
PowerPointや動画などで教材を作成し、テスト、レポート、アンケートなどを組み合わせた「教材」を作成・管理することができます。
なお、教材を作成できるオーサリングツールはeラーニングシステムに内包するケースや別契約になっているケースなどがあります。
学習履歴管理
学習者の学習状況を管理します。どの教材を受講したかを、学習者ごとに把握することが可能です。また、学習者のレポートを受け取ることはもちろん、集計・分析することもできます。
連絡管理
学習者に対してお知らせやアナウンスを送信したり、メールを送受信したりすることができます。学習者が受講をすべきタイミングで、受講を促すメールを送ることもできます。
ユーザ管理
学習管理システムに求められるユーザ(学習者)管理の代表的な機能として、「階層」を設けたり、「グルーピング」する機能が挙げられます。
「階層」は実際の会社階層のように、サイト内でも受講者の上司(管理者)を定めて、学習管理をすることが可能です。
「グルーピング」は例えば、管理者が営業だけに新商品を学ぶ教材を受講させたいといった場合に、ユーザが営業なのかどうなのかをグルーピングする機能です。
コミュニティ管理
コミュニティを作成し、学習者どうしの交流を促すことができます。日記や掲示板、プロフィール、メッセージ、チャットなどが利用できます。
必ずしもどのeラーニングシステムにもあるわけではありませんが、学習者同士が学習した内容をディスカッションする場として活用されます。
学習教材
学習教材を準備するためには、
- eラーニング提供会社が用意しているものを使用する
- eラーニング制作会社に制作を依頼する
- 自社で内製化する
の3つの方法があります。
eラーニング提供会社が用意しているものを使用する
eラーニングの提供会社は、一般に、
- 社内研修
- 新人・内定者教育
- 派遣スタッフ教育
- 学校教育
などに向けた学習教材をあらかじめ用意しています。
ただ、こういった学習教材は汎用的なものが多く占めます。例えば、どこの会社でも使えるビジネスマナーといったものや、もう少し専門的なものだと、資格試験対策などもあります。これらはeラーニング提供会社が用意しているものを使用するよいでしょう。
eラーニング制作会社に制作を依頼する
自社で内製化する
その企業に紐付いたもの、例えば、自社商品の知識や、自社で導入しているシステムの使い方・運用の仕方といった、自社にしかノウハウがないものはイチから作成する必要があります。
こういった場合の教材はeラーニング制作会社に制作を依頼する・自社で内製化するといったことが必要です。
eラーニングシステムを選ぶポイント
それでは、eラーニングシステムをどのように選べばいいのか、そのポイントを見ていきましょう。
ポイントは、大きく分けて、
- 学習画面は使いやすいか
- 学習者からのフィードバックやコミュニティの機能が豊富か
- 自社で必要な学習教材が用意されているか
- 教材を内製化するための支援が受けられるか
- 管理者が運用しやすいか
の5点です。
学習画面は使いやすいか
学習画面が見やすく、使いやすいものであるかどうかは、eラーニングの学習効率を大きく左右することとなります。eラーニングシステムを選ぶ際には、デモなどを実際に見て、学習画面の使い勝手を確認することが必要でしょう。
学習者からのフィードバックやコミュニティの機能が豊富か
eラーニングでの学習は、学習者のモチベーションをどれだけ高く保てるかがカギとなります。モチベーションを高く保つためには、学習者が情報をただ受け取るだけでなく、どれだけ発信できるようになっているかがポイントです。
アンケートやメールの送信、およびコミュニティの機能が充実しているeラーニングシステムを選びましょう。
自社で必要な学習教材が用意されているか
eラーニングシステムの費用を抑えるためには、できるかぎり既製の学習教材を使用することがポイントです。したがって、eラーニング提供会社に、自社で必要とする学習教材が豊富に取り揃えられているかどうかは、eラーニングシステムを選ぶ際には重要です。
また、学習教材は数だけではなく、質も重要です。デモを見て、学習教材の質を確認することが大切です。
教材を内製化するための支援が受けられるか
既製の教材をできるだけ使うといっても、自社の理念や社内の基礎知識、業務の専門スキルなど、自社のノウハウについての学習は、教材を新たに制作しなければならなくなることもあります。教材の制作は、自社で内製化できれば、eラーニング提供会社に依頼することと比較して、費用を安く抑えられます。教材内製化のための支援を、提供会社がしてくれるかどうかも確認が必要でしょう。
管理者が運用しやすいか
いくら高性能なシステムでも、運用する担当者の手間が大きくては、なかなかうまくシステム利用を行っていくことは難しいです。実際にデモなど利用して、操作感であったり手順であったりを確認しておきましょう。
eラーニングシステムを使った学習の具体例
次に、eラーニングシステムを使った学習の具体例をご紹介します。
社内研修向け
社内研修は、eラーニングの目的として主要なものの1つです。社内研修のためのeラーニングシステム活用事例には、具体的に次のようなものがあります。
集合研修の補助
集合研修の事前課題、集合研修後のテストなどは、eラーニングシステムで行うことが効率的です。
自己啓発・資格取得支援
福利厚生の一環で自己啓発・資格取得支援のためにeラーニング教材が提供されています。キャリアアップのためのマネジメント向け講座から、日商簿記検定や秘書検定、行政書士試験など、資格取得を支援するためのeラーニング教材もあります。学習するプラットフォームとして、eラーニングシステムが活用されます。
代理店教育向け
代理店事業を行う企業にとって、代理店教育をどのように行うかは大きな課題となるでしょう。新商品情報やブランドとして気をつけたい情報を代理店にも展開することは運営上必要なことです。代理店教育にeラーニングを導入することにより、集合研修を行うことと比較して、費用や時間を大幅に抑えることができ、さらに習熟度合いも確認していくことができます。
派遣スタッフ向け
派遣法改正による教育訓練の義務化により、派遣スタッフに対するコストを抑えた教育法について考える派遣会社も多いでしょう。eラーニングでは派遣スタッフ向けの教材も豊富に提供されています。また、研修を行ったエビデンスを労働局に提出することが必要なため、eラーニングシステムの受講履歴を使って作成することができます。
新人・内定者向け
新人や内定者に対しては、業務の基礎を教育しなくてはなりません。eラーニングの学習教材では、仕事の基礎やビジネスマナー、オフィスソフトの使用法などの新人・内定者に向けた学習教材が取り揃えられています。新人への受講案内や、もれなく受講したかなど管理するプラットフォームとしてeラーニングシステムが活用されます。
学校教育向け
学校教育現場でのICT(eラーニング)の活用は、重要テーマの1つとして現在推し進められています。学習者が主体的に学び、また教え合うためのツールとしてのeラーニングシステムが開発されています。eラーニングの自宅学習によって知識を学び、学校でディスカッションをするなどによって知識を深める「反転学習」としてもeラーニングは活用されています。
協会ビジネス向け
eラーニングシステムは、協会ビジネスにも活用することができます。弊社の学習管理システム『LearningWare』を活用した例として下記の2つがあります。
- 協会が管理・運営する資格試験の対策とテストをeラーニング化する
- 業界団体として加盟している人達に対し、基礎知識や共通認識、コンプライアンス、最新情報などを共有するためにeラーニングを使用する
eラーニングビジネスも可能
独自制作したeラーニングの学習教材を販売することもできます。
弊社の学習管理システム『LearningWare』では、ビジネス利用が可能です。
教材の内製化支援
教材の内製化支援についても行うことができます。教材を内製化することにより、自社のノウハウをeラーニング化することが可能です。
まとめ
インターネットを利用することによって双方向のやり取りが可能となり、集合研修と比較して費用と時間を大幅に抑えることができるeラーニング。
eラーニングシステムに必要な構成、およびeラーニングシステムを選ぶポイントについて、上で詳しく見てきました。
「eラーニングの導入についてもう少し詳しいことが知りたい」と思われる方はぜひお問い合わせください。