eラーニングコンテンツ(教材)の作り方と注意点

eラーニングによる研修を行う企業が増えています。
eラーニング研修のためのコンテンツ(教材)を、自社の事情に合わせて作成するためにはどのようにすればよいのでしょうか?

この記事では、eラーニングコンテンツを作成するための手順、および作成にあたっての注意点をご紹介します。

 

PDCAサイクルを回し効果を検証しながら進めることが作成手順の重要方針

「作って受けさせ、アンケートで満足度が高かったら成功」という何となくの効果検証ではなく、PDCAサイクルを回し、効果を検証しながら進めることが重要です。
「PDCAサイクル」とは、

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

の4段階をくり返すことにより、業務を継続的に改善していくことです。
eラーニングコンテンツ作成の具体的な手順にPDCAサイクルを当てはめれば、以下のようになります。

  1. 研修の目標を設定する
  2. 目標を達成するために適切なeラーニングコンテンツを企画する
  3. eラーニングコンテンツを開発する
  4. eラーニングコンテンツを配布し、実際に研修を行う
  5. 学習ログやアンケートなどを分析し、eラーニングコンテンツを修正・改善する

受講後の学習者の学習ログやアンケート等の数値データを分析し、作成前に設定した目標に達しているかどうかを検証することで、学習効果を目に見える形にし、今後のeラーニングコンテンツの改善につなげていきます。

分析をするためには、学習ログや数値データが貯まるように作られたeラーニングシステムやその他システム・ツールなどを導入しておくことも重要な前提です。

 

eラーニングコンテンツの作成手順

それでは、eラーニングコンテンツを作成するための手順について、詳しく見てみましょう。

1. 研修の目標を設定する

eラーニングコンテンツを作成するにあたって、最初に行うのは、研修や学習の目標設定です。

目標は、以下に示す例のように「数値」で設定し、eラーニングの終了後に検証・評価ができるようにしておくことが重要です。

eラーニングコンテンツの目標の例

  • 知識の習得
    各章末において行う確認テストで◯割以上の正答率、および最後に行う総合テストにおいて◯割以上の正答率
  • クレーム数の低減
    受講後の一定期間におけるクレーム数が、受講前の同じ期間におけるクレーム数より◯割減少

2. 目標を達成するために適切なeラーニングコンテンツを企画する

目標を設定したら、次にeラーニングコンテンツの具体的な内容を企画します。

コンテンツの内容は、確実に目標達成できるものにすることが重要です。
また、対象となる受講者の学習環境や予算についても、把握する・考える必要があるでしょう。

コンテンツの内容を企画するにあたり、検討が必要な項目は以下のようなものです。

  • コンテンツ構成
  • UI、デザイン
  • 受講可能デバイスの決定
  • コンテンツ表現(映像やアニメなど)
  • シナリオ仕様
  • 受講ログ仕様
  • テスト仕様
  • アンケート仕様

3. eラーニングコンテンツを開発する

企画にもとづき、eラーニングコンテンツを開発します。
コンテンツ開発の流れは以下のようになります。

  • Step 1 シナリオ作成
  • Step 2 絵コンテ作成
  • Step 3 デザイン
  • Step 4 素材作成
  • Step 5 オーサリング(素材を絵コンテ通りに動くよう組み合わせる)
  • Step 6 デバッグ・修正

4. eラーニングコンテンツを配布し、実際に研修を行う

eラーニングコンテンツが完成したら、LMS(Learning Management System =学習管理システム)へ搭載して配信し、研修をスタートします。

eラーニングの研修では、研修中に学習ログを取得し、研修後には受講者に対してアンケートを実施します。

5. 学習ログやアンケートなどを分析し、eラーニングコンテンツを修正・改善する

eラーニング研修が終了したら、まず取得した学習ログやアンケートなどを分析し、当初に設定した目標がeラーニング研修により達成されたかどうかを検証します。

目標が達成されなかった場合は、問題点を洗い出し、コンテンツや運用の改善を行います。

 

eラーニングコンテンツの表現パターン

eラーニングでは、多くの表現形式が可能となります。
どのような表現パターンがあるのかを見てみましょう。

1. アニメーション(映像)形式

ナレーション音声とアニメーション(映像)とを組み合わせた形式です。アニメーションには、文章や図表、キャラクターなどが使用できます。

図式化された画面を見ながら音声を聞いたり、キャラクターが説明したりするため、受講者にとってわかりやすいものとなります。

2. 操作シミュレーション形式

ソフトウエアなどの操作方法を、実際の操作画面を見ながらナレーション音声による解説を聞く形式です。

3. 講師による講義形式

講師による講義をそのまま撮影して利用します。
優れた講師がいる場合におすすめの形式です。

弊社プロシーズが所有するスタジオ『Studio V.V』にて撮影すれば、背景を自由にデザインできるクロマキータイプのコンテンツ、あるいは画面上に自由に書き込みができる電子黒板タイプのコンテンツを作成できます。

4. PowerPoint資料を活かした形式

PowerPointにて作成したアニメーションと、映像もしくは音声を同期させる形式です。
PowerPointの資料をそのまま利用するため、表現力はやや劣るものの、安価で作成可能です。

5. マンガ・ライトノベル形式

マンガやライトノベルなどのストーリー仕立ての形式です。

学習する内容が法律関係などの、受講者にとって馴染みがうすいものであっても、マンガやライトノベル形式を利用することで、より読みやすく、楽しく学べるように工夫することができます。

6. スライド形式

スライド形式(紙芝居形式)です。
スライドのストーリーに沿って学習することができます。

情報セキュリティ講座にサンプルがありますので、ぜひ御覧ください。

7. VR形式

VR(Virtual Reality =ヴァーチャル・リアリティ、仮想現実)を利用したコンテンツです。

VRゴーグルを使用して3次元の映像を視聴し、360°を自分で見回すことができます。

単なる2次元の動画よりも、映像の世界にすっかり入り込んでしまうような「没入感」があるため、より能動的な学習が可能となります。

利用事例

法律違反やパワハラ・セキュリティ対策といった企業リスクに対し、「必ず遵守してほしい」ため、VR研修を取り入れた事例も多く見られます。

弊社も情報セキュリティに対するVR教材の事例がございます。

また、OJT(業務支援)の強化に利用することができ、例えば飛行運転の訓練や、繁忙期のデパートの販売員のオペレーションなど、体験機会の少ないが、研修の必要性が高いものにも合っています。

 

eラーニングコンテンツを作成する際の注意点

次に、eラーニングコンテンツを作成する際に注意しなければならない点を見てみましょう。

効果解析できるように仕組みがあるか

冒頭にも書きましたが、PDCAを回すことが重要なため、分析のためのデータ・学習ログなどが必要です。

それに対応したeラーニングシステム等やその他システムを導入すると分析しやすいでしょう。

また、目標を決定する際には、目標に定めた数値の変化をどのようにして把握し、効果解析が可能なのかをあらかじめ確認しておきましょう。

著作権・肖像権・パブリシティ権を侵害していないか

コンテンツにわかりやすさや彩りを提供する画像素材ですが、使う場合は画像や画像内に著作権・肖像権に違反しているものがないか、確認しましょう。

有名人の写真などを使って説明するといったような場合などはパブリシティ権の侵害になる可能性があります。

使っていいかクリアになっていない・違反していた場合は許可をもらう、似たものを探す、書き換える、写真素材・ライセンスを買うなど対処が必要です。

学習時間を最短にすること

企業研修にeラーニングを使う場合には、社員・スタッフは業務のスキマをぬって学習します。

無駄に時間を費やさず、最短で学習を終えて、身につけてもらえるようにeラーニングコンテンツを作ることが求められます。

カンニング・セキュリティ・労務の問題をクリアする

eラーニングを利用した企業研修で起こりがちな問題として、カンニング、セキュリティ、および労務問題があります。

それぞれの解決策は、以下のようなものとなります。

問題 解決策
カンニング ・試験問題をランダムに出題する
・解答の選択肢をシャッフルする
セキュリティ ・脆弱性診断を行う
・IPアドレス制限(システム・教材に関して)を行う
労務 ・業務に関係がある研修は、任意であっても業務時間内に行う
※2017年2月の厚労省指針において「自己啓発の学習も労働時間」とされています

 

受講環境の確認

上記したセキュリティの問題に関して、加えて確認したいことが、個人端末やスマホでの閲覧が可能なのか、です。

機密情報を含む教育内容の場合、個人端末やスマホを使用した情報の閲覧がNGとなり、セキュリティの強い社内のPCのみなどに制限される場合があります。

このような企業それぞれが持っているセキュリティ・ポリシーは、コンテンツの作り方に非常に影響を及ぼします。

スマホ向けに特化して作っていたけど無駄だった、システムやサービスを契約したけど自社が求めるレベルのセキュリティ要件を満たせなかった、などならないように、どのような条件が求められるのか把握しておきましょう。

コンテンツを作成する前の目標設定が重要

eラーニングコンテンツの作成手順で説明したとおりではありますが、eラーニングコンテンツを作成する際には、作成を始める前の目標設定が重要です。

目標設定がされていなければ、上で見たとおり研修後の検証・評価ができないばかりか、学習効果が高いコンテンツを作成することも困難になるからです。

eラーニングコンテンツの具体的なカリキュラムは、「目標を細分化したもの」として構成されます。

たとえば、「個人情報の漏えいに対する意識を改革する」ことを目標とした場合には、カリキュラムは以下のようなものとなるでしょう。

  • 個人情報の漏えいとは具体的にどのようなことか?
  • 個人情報の正しい取扱い方
  • 個人情報を漏えいした場合の罰則

これらのカリキュラムは、さらに細分化していくこともできます。

まずは「明確な目標設定をすること」が、学習効果が高いコンテンツを作成するための大きなポイントです。

行動変容を起こすことを目標設定にすると効果的

インストラクショナルデザインの記事でもご紹介していますが、より効果の高いコンテンツを作るためには、行動変容を起こすことを目標とすることが研修の目的とすることが良いでしょう。

目標設定を「クレーム数を◯割減少」と「クレームの減らし方を知る」とした場合ですと、前者は行動を具体的に変えることで生み出す結果であるため、eラーニング受講後に「どういった作業改善を行おうとしているか、といったアンケートを行おう」という考えになります。

学習意欲を高めるための工夫をこらす

eラーニングのコンテンツは、受講者が学習意欲を高め、自ら学びたくなるものにすることが大切です。それによって、受講者の満足度が高まり、研修の受講率アップや成果につながります。

受講者の注意をひくためのちょっとした工夫として、例えば、以下のようなものがあります。

  • 前提知識で解けるクイズから始める
  • 全然解けないクイズから始める
  • 事例で共感を得る
  • 事例で恐怖心を与える

このように、受講者の学習意欲を高めるには、「受講者の気持ちになりきること」が重要です。

受講者に嫌われるコンテンツの事例

以下のようなコンテンツにならないように注意しましょう。

  • コンテンツの文字が小さい
  • 操作方法がよくわからない
  • コンテンツのスピードが速く、気持ちの準備が追いつかない
  • コンテンツのエラーが多い

メインとなる受講者像を把握する

このようなコンテンツになることを避けるため、または良質なeラーニングを作成するために、下記のようにメインとなる受講者の情報をまとめることをおすすめします。

受講者:アルバイト
年齢層:10代後半~20代前半
受講環境:家にはパソコンがないのでスマホで閲覧することが多い
趣味:スマホゲームを日常的に1日30分以上している割合が60%以上。

このような受講者の場合、パソコン画面でリッチに仕上げるよりも、スマホに特化したほうが良いでしょう。
テキストよりもマンガのほうが良いかもしれませんし、もし予算が合えば、ゲーム性の高い講座も検討すると良いでしょう。

講座内容は前提知識がない方に向けたものにし、若い受講生にも親しみやすい言葉を使うなどの工夫をしましょう。

その他、こちらの記事でご紹介していますが、システマチックにeラーニングコンテンツを考え、効果的に作ることができるインストラクショナルデザインの考え方を身につけていくこともおすすめします。

 

eラーニングコンテンツの作り方を詳しく知りたい方は

eラーニングコンテンツを作る際には、PDCAサイクルを回しながら検証・評価をくり返し、コンテンツや運用改善していくことが重要です。
また、カンニング・セキュリティ・労務問題をクリアすること、目標を明確に設定すること、受講者が学習意欲を高める工夫をすることも大切です。

eラーニングコンテンツの作り方について、より詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

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