郡山地方広域消防組合 様 受講者にも職員にもやさしいオンライン講習へ
防火講習の新しいかたち

課題と施策
郡山地方広域消防組合様は、地域の防災力を高めるため、災害対応や火災予防、防災教育を通じて、安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいます。
なかでも、これまで対面で実施されてきた防火管理講習は、受講者や職員にとって負担が大きなものとなっていました。受講者の利便性向上と職員の業務効率化、そして国からのオンライン化推進通知をきっかけに、令和6年度からオンライン講習へと切り替えることを決定されました。
今回は、講習運営におけるこれまでの課題やオンライン化に至るまでの経緯、そして「防火講習オンライン」導入の背景についてお話を伺いました。
近隣消防本部の事例がオンライン化実現の後押しに
防火管理講習のオンライン化を検討し始めたきっかけについて教えて下さい。
オンライン化の検討は、総務省消防庁からの通知を受けて令和5年から本格的に開始しました。当初は複数のシステム提供会社から話を聞くなど、情報収集を進めていましたが、その時点で一般的だったのは、eラーニングシステムを提供する会社からシステムだけを導入し、講習動画は消防本部で自作、事務作業も予防課が担うという形式でした。
この方法では、動画制作の負担や事務作業の煩雑さ、さらにコスト面での課題も大きく、消防本部内では「すぐに導入するのは難しい」という声が多く上がりました。また、当時はオンライン講習を導入している自治体もまだ少なく、本当に対面と同等の講習効果が得られるのかという不安もあり、約1年間は慎重に他の自治体の動向を見守る形となりました。

そうした中、同じ福島県内の福島市消防本部様でプロシーズのシステムを活用したオンライン講習が実現されたというお話を伺い、非常に大きな後押しとなりました。さらに、その後プロシーズから提案のあった「防火講習オンライン」は、講習動画の制作から運営にかかわる事務業務の多くを支援する設計になっており、「これなら自分たちにもできそうだ」という共通認識が消防本部内で生まれ、導入を決定しました。
防火講習オンラインを選定いただいた理由を教えてください。
当初は「オンラインでの受講であっても、対面と同じように必要な知識をしっかり習得してもらえるのか」という懸念がありました。しかし、提供された講義動画を拝見したところ、非常に高品質で、対面講習と遜色ないクオリティが保たれていると感じました。それが導入の決め手となりました。
オンライン講習への移行後も高い申込数を維持
実際に防火講習オンラインを導入してみた感想はいかがですか?
本組合では条例によって申込の形式が定められているため、受講者には申込時に消防本部へ書類を提出していただく必要がありますが、それ以外の講習運営に関わる事務作業は大幅に減りました。
これまでは対面講習を年3~5回実施しており、それぞれの講習に向けて会場の確保や事前準備のために1か月以上前から講習業務にかかりきりになる状況でした。結果として、年間でおよそ3~5か月間は講習対応に業務の多くを割いていた形になります。現在は、それらの講習業務が不要になり、他の業務に専念できるようになったため、非常に助かっています。

受講数については、対面講習時には年間300〜500名の受講があったため、オンライン化によって大幅に受講者数が減るのではないかという懸念がありました。しかし実際には、2025年4月〜6月の3回の申込期間で、すでに100名以上の申込があり、想定以上に順調なスタートを切ることができています。
最後に、どのような消防本部様にお勧めしたいですか?
事務的負担がかなり軽減されたため、職員一人あたりの業務負担が大きい小規模な消防本部様にとっては、業務効率化の面でも非常に有効だと感じています。
