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  • 派遣元責任者とは?~役割や要件・講習の必要について~

    派遣会社を運営する上で必ず設置する必要がある「派遣元責任者」。 初めて派遣元責任者講習を受ける方や、今から派遣会社や事業所を立ち上げ、事業許可を得る方々のために、派遣元責任者を設置する目的や要件・講習の必要性をまとめました。 派遣元責任者講習を選ぶポイントも解説していますので、ぜひご覧ください。

    1. 派遣元責任者とは

    派遣元責任者とは、労働者派遣事業者(派遣元事業主)に選任された、派遣労働者の適切な雇用管理や保護を担う人をいいます。 これは労働者派遣法で定められたもので、事業所ごとに配置する必要があり、【派遣労働者100人】に対して【1人以上の派遣元責任者】を選任することが義務付けられています。 派遣業務を行うなかで、派遣労働者と派遣先の企業との間でトラブルが起こったり、苦情が出たりすることもあるものです。そのような際には、派遣先の企業と労働者との間で生じるさまざまな問題に対して、迅速な処理や解決を図ることが派遣元責任者の役割となっています。

    2. 派遣元責任者を設置する目的と背景

    現在、労働者派遣事業の許可を取るためには、『派遣元責任者』を選任することが必要となっています。

    2-1. 目的

    労働者派遣法36条に、派遣元事業主が講ずるべき措置として派遣元責任者を選任することが明記され、適正な雇用管理を確保する目的で「派遣元責任者」を選任することが定められています。

    2-2. 背景

    労働者派遣法は、1985年(昭和60年)制定され、派遣元責任者は、派遣労働者の雇用管理を適正に行うこと、労働者の保護を目的として設置されました。

    2つの派遣事業

    派遣法が制定された昭和60年は、バブル景気で派遣業も好景気。 当時の労働者派遣事業は、届け出制である『特定労働者派遣事業』と、許可制である『一般労働者派遣事業』の2種類に区分されていました。 一般労働者派遣事業は、厚生労働省の認可を受けたうえで運営することが求められているのに対して、特定労働者派遣事業は届出さえ出していれば許可は不要となっていたのです。つまり、派遣事業のうち、特定労働者派遣事業の場合は、派遣元責任者は設けられていない状態でした。

    特定派遣が廃止され、派遣を行う場合は派遣元責任者の設置が必須に

    しかし、その後、バブルがはじけ、さらに2008年のリーマンショックによる派遣切りや雇い止めなどが社会問題となっていました。 そんな中、2015年に特定派遣が廃止。派遣企業はすべて一般労働者派遣事業として許可を得なければいけなくなりました。 一般労働者派遣事業を行うには様々な要件がありますが、つまり、そのうちの一つである派遣元責任者の設置が必須となったのです。 特定派遣が廃止の背景には、派遣労働者の立場を向上させる、安定した働き方にするためでした。逆に言えば、それまでの派遣労働者の立場は非常に不安定であったのです。 特定派遣は、一般派遣と違って【期間の定めのない雇用】となり、安定しているようにみえますが、実際のところ、【期間の定めのない】ことは、必ずしも正社員として雇用しなければならないということではなく、派遣元企業によっては契約社員や準社員といった雇用形態で派遣労働者を雇用するところも多くありました。 このことから、労働者は安定していない立場のまま働かざるを得なかったのです。 また、特定派遣事業は国に届出をしさえすれば、特に何か要件をクリアする必要がなく事業が開始できることもあり、資金力の低い企業が派遣事業を行うケースも多く見られました。 これにより、ひとたび業績が悪化すると、特定派遣労働者への給与支払いをせずに人員整理と称して解雇する会社もあったのです。 特定派遣は、本来であれば労働者にとって【期間の定めのない雇用】として、安定した働き方ができる雇用形態のはずが、実情は労働者を不安定な立場に陥らせてしまう問題があったのです。

    3. 派遣元責任者の選任

    派遣事業を行うためには、事業所ごとに派遣元責任者を選任する必要があります。 また、派遣元労働者100人ごとに1人以上を選任しなければいけません。 では、その派遣元責任者はどのように選べばよいのでしょうか。 派遣元責任者を選任する際には
    1. 欠格事由に該当しない人
    2. 3つの要件に該当する人
    である必要があります。

    3-1. ▼欠格事由

    • 禁固刑又は労働基準法違反などにより懲役・罰金の刑に処され、その執行を受ける事ができなくなってから5年を経過しない者
    • 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
    • 労働者派遣事業の許可を取り消されてから5年を経過しない者
    • 未成年者である者
    • 外国人で一定の在留資格のない者
    上記欠格事由に当てはまらない人で、下記の要件を満たす人となります。

    3-2. ▼派遣元責任者の要件

    1. 派遣元責任者の業務に専任できること
    2. 3年以上の労務管理経験があること
    3. 3年以内に、派遣元責任者講習を受講していること

    派遣元責任者の業務に専任できること

    要件1つ目について、派遣元責任者は、派遣先企業や派遣労働者からの苦情・相談があった場合、いつでも対応ができるよう体制を整える必要があります。 そのため、派遣元責任者自身が派遣労働者として労働することはできません。 また、他の会社の役員や従業員となっている場合も、派遣元責任者としては認められませんので注意しましょう。 許可更新など手続きマニュアルでは、「派遣元責任者が苦情処理等の場合に、日帰りで往復できる地域に労働者派遣を行うものであること」 と記載があります。派遣元責任者が日帰りできる範囲であることが求められています。これは飛行機での往復でも問題ないというような回答もありますが、範囲の規定というよりは、責任を持って業務ができることが重視されています。

    3年以上の労務管理経験があること

    要件2つ目の「3年以上の労務管理経験があること」とは次のような経験のことを指します。

    A.人事または労務の担当者(代表者や管理職など) B.派遣事業で、派遣労働者や登録者の労務を担当していた者 C.その他、次のような経験がある者

    a.成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者 b.成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者 c.成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者

    3年以内に、派遣元責任者講習を受講していること

    要件3つ目の「3年以内に、派遣元責任者講習を受講していること」については、派遣元責任者講習を受けてから3年経過している人は、再度受講しなければいけません。また、新しく派遣事業を行うにあたっては、申請に先立って派遣元責任者講習を受けておく必要があります。 予約制となっていますので、早いうちにスケジュールを確認しておきましょう。 実際に選任する際には、派遣会社の社員であり、事業所の中でも管理職以上である方が妥当でしょう。 また、営業担当と別の方にしておいた方が良いでしょう。なぜなら、派遣社員からの苦情に関しては営業担当に関する内容のものも多いためです。

    4. 製造専門派遣元責任者について

    製造業への派遣を行う場合は、『製造専門派遣元責任者』を選任する必要があります。 これは、製造業務では危険な機械を操作したり、有害物質を取り扱ったりすることがあるため、派遣元責任者とは別に『製造業務専門の責任者』として選任が義務付けられています。 要件などは通常の派遣元責任者と変わりません。 派遣労働者100名に1人以上派遣元責任者を選任するのも同じく、製造業務に従事する派遣労働者100名に1人以上製造専門派遣元責任者を選任する必要があります。 ただし、『製造業務専門派遣元責任者』のうち1人は『派遣元責任者』を兼任することが可能です。 つまり、1事業所に、【50名の派遣労働者】と【50名の製造業に従事する派遣労働者】の合わせて100名いる場合、製造業に従事する人がいるので『製造業務専門派遣元責任者』1人は必須、100名で1人の『派遣元責任者』を選任する必要がありますが、兼任ができるので、『製造業務専門派遣元責任者』1人を選任すればよい、ということになります。

    5. 派遣元責任者の仕事内容

    派遣元責任者が行う職務についてご紹介します。

    (1)派遣労働者であることの明示

    派遣労働者として雇入れを行うことを雇用契約書などで明示します。 紹介予定派遣の場合は、紹介予定派遣であることを明示しておきます。

    (2)就業条件などの明示

    派遣労働者に就業条件と派遣受入期間の制限に抵触することになる最初の日を通知します。

    (3)派遣先への通知

    派遣先企業に派遣労働者に関する氏名や性別、年齢に関する事柄などの情報を通知します。

    (4)派遣先および派遣労働者に対する派遣停止の通知

    派遣受入期間の制限に抵触する場合は、1ヶ月前から前日までの間に派遣先企業と派遣労働者に、労働者派遣を行わないことの通知が必要です。

    (5)派遣元管理台帳の作成、記録、保存

    派遣労働者の氏名・派遣先の名称・派遣期間・就業時間など、法令で定められた事項を記録しておくための派遣元管理台帳を作成します。 なお、派遣元管理台帳は、派遣を終了した日から3年間保管しておくことが義務付けられています。 ちなみに決まったフォーマットはありませんので、項目が揃ってさえいれば問題ありません。 パソコン上のファイル、電子記録でも認められています。

    (6)派遣労働者に対する必要な助言や指導実施

    派遣労働者に助言や指導を行う内容としては
    • 労働者派遣事業制度や労働者派遣契約の趣旨や内容
    • 派遣会社や派遣先企業が講じるべき措置
    などに関することが挙げられます。 または、労働者派遣法改正があった際には、改正点について説明会や文書の配布などによって周知を行うことが求められます。 2021年1月の派遣法改正では、キャリアアップ教育訓練とキャリアコンサルティングを行うことを説明する義務が追加されました。 ※派遣の学校では、キャリアアップ教育訓練についての無料セミナーも開催しております。ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】

    (7)派遣労働者からの苦情の処理

    派遣労働者から労働環境や労働条件などに関して苦情を受けた際には、派遣先企業に通知を行うなど、適切な処理を行うことが求められます。

    (8)派遣先との連絡・調整

    派遣就業に関して問題が生じた際に、派遣先企業との調整を行います。

    (9)派遣労働者の個人情報の管理

    派遣労働者の個人情報が正確で最新のものとなるように管理を行い、不要な個人情報を破棄します。 また、派遣労働者の個人情報への不正アクセスが行われないように管理を求められます。

    (10)派遣労働者についての教育訓練の実施及び職業生活設計に関する相談の機会の確保に関すること

    派遣労働者のキャリアアップにつながる教育訓練を年間8時間、入職から3年間実施する義務があります。 また、キャリアコンサルティングの窓口を設けて、派遣労働者が希望する場合はキャリアコンサルティングを実施する必要があります。 キャリアアップ教育訓練は、毎年6月の事業報告書での報告義務と、派遣許可更新時には、キャリアアップ教育訓練計画を提出する必要があります。 キャリアアップ教育訓練は、段階的かつ体系的な教育訓練の実施が求められます。

    (11)安全衛生に関すること

    派遣労働者の安全衛生が確保されるように、連絡や調整を行います。 安全衛生教育の実施や、健康診断、また労災事故などが発生した際には、対応状況の確認を行うといったことが含まれます。

    6. 義務化されている派遣元責任者講習

    派遣元責任者となるには講習を受けることが必須です。 派遣元責任者講習の内容と受講方法について紹介します。

    6-1. 派遣元責任者講習の目的

    労働者派遣法第36条により選任を義務付けられている派遣元責任者に対して、法の趣旨、派遣元責任者の職務、必要な事務手続等について講習を実施しています。 派遣元事業所における適正な雇用管理及び事業運営の適正化に資する(役立つ)ことを目的としています。

    6-2. 受講対象

    派遣元責任者、派遣元責任者に選任予定の方 ※その他労働者派遣事業の知識を習得したい方も受講は可能です。

    6-3. 派遣元責任者講習概要

    派遣元責任者講習は、数日かけて行われるものではなく、1日間のみで終了する講習です。 労働者派遣事業の許可を受けるために必要となる【受講証明書】は、派遣元責任者講習を受講することで発行されるようになっています。テスト等はありません。 派遣法などの労働法に詳しい専門家が講師を務め、多くは休憩時間を挟みながら10~17時の間で講習が行われます。約6時間と長丁場ですが、内容が非常に多いため、かなり駆け足の講習となります。

    講義の内容

    1. 労働者派遣法
    2. 労働基準法等の適用(特例)
    3. 派遣元責任者の職務遂行上の留意点
    4. 個人情報の保護の取扱いに係る労働者派遣法の遵守と公正な採用選考の推進等
    労働者派遣法や労働基準法の適用に関すること、また、個人情報と労働者派遣法の取り扱いなどについてです。また、大きな法改正があった場合は、その目的や概要などの説明もあります。 法律など専門的な内容が多くありますが、専門家である講師が具体的な事例などを挙げながら進めていきます。 発行された証明書は、労働者派遣事業の許可申請の際だけではなく、更新手続きのときや、派遣元責任者の就任の際にも必要となる大事な書類です。

    6-4. 派遣元責任者講習の選び方

    派遣元責任者講習は、厚生労働省が委託した講習機関が全国で実施しています。 完全予約制で、多いところでは毎月8回ぐらい実施されています。 全国の主要都市をはじめとするさまざまな場所で受けることができます。また、同時開催ではなく、開催される場所によって実施日が異なっているため、都合の良い実施場所や日程を選ぶことが可能です。会場により人数制限があるため、派遣事業を開始する前に受講を行えるように予約をしておく必要があります。 具体的にいつどこで開催されるかは、厚生労働省のホームページに掲載されている実施機関や講習日程の一覧で確認することができます。 ※講習の日程や予約については、厚労省サイトでご確認ください。 ●派遣元責任者講習の講習機関一覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000044436.html 申し込みは、希望する機関に直接行います。受講料については、実施する機関によって設定は異なっていますが、全体的に見ると6000~9000円が相場です。 支払い方法は、各実施機関の指示に従って行いましょう。必ず、期限内に支払いを終わらせておくように注意が必要です。 また、2021年より、eラーニングによる受講が始まりました。派遣元責任者講習を受けるのであれば、場所も時間も選ばずに受講でき、修了できるeラーニングは非常におすすめです。

    派遣事業者向けキャリアアップ教育訓練eラーニングサービス「派遣の学校」

    派遣許可申請中から、キャリアアップ教育訓練の準備をしておくことをお勧めします。 派遣元責任者が行う雇入れ時の説明義務や、実際のキャリアアップ教育訓練、そして6月の事業報告書作成について、担当者の手間を省きつつ、派遣社員のキャリアアップにつながる教育訓練を実現できる『派遣の学校』をぜひご活用ください。 『派遣の学校』は、2015年のサービス開始から、250社以上にご利用いただき、派遣会社に特化した機能を搭載したeラーニングシステムと、専門職種のeラーニング教材を多数ご用意しているため、ご希望に沿ったキャリアアップにつながる研修を実行することができます。 体系的かつ段階的な教育を行うためのカリキュラム作成のご提案や、キャリアアップ教育以外の安全衛生教育やストレスチェックにも対応しています。さらに、労働局やハローワークに聞いてもなかなか分からない担当者様の疑問にお応えするサポートも充実しています。 また、派遣業務管理に人材管理システム『スタッフナビゲーター』をご利用いただいている場合、派遣の学校と連携して教育訓練結果をスタッフナビゲーターに取り込むことができます。 また、『派遣の学校』ではご契約いただく企業様一社一社にヒアリングを行い、業種に合わせたキャリアアップ教育訓練プランを無償でご提案しております。 キャリアアップ教育訓練プランサンプルもご用意しておりますので、下記バナーよりダウンロードくださいませ。 改正派遣法のキャリアアップ教育訓練について無料セミナーも開催しております。 キャリアアップ教育訓練について、分かりやすく解説いたします。 ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】
  • 労働者派遣事業報告書のキャリアアップ教育訓練の実施有無など書き方・ポイントをご紹介!

    ※労働者派遣事業報告書(様式第11号)の令和6年6月報告分からの変更点について追記しました。 新型コロナウイルスの影響により、世界的に働き方が大きく変わりました。 募集が減る職種、増える職種が出るなど、派遣の仕事にも大きな影響がありつつも 2021年度以降も人材派遣業界の市場規模は拡大を続けています。 コロナ禍で厳しい状況に置かれていたイベント業界や観光業界も、2019年以前の規模に回復してきています。 また、事務職やWeb業界、そしてDX化で様々な職種で新しい仕事の需要が伸びてもきています。 慢性的な人手不足により、必要とされる事業として人材派遣業を検討している企業の方も多いでしょう。 派遣業を行うためには計画書を作成して許可申請を取る必要があります。 そして、許可をとったあとも、毎年6月には事業報告書の提出義務があります。 派遣業を検討されている企業様だけでなく、今は兼業を行っている派遣会社の担当者様もこの事業報告書の提出はなかなかハードルが高い仕事だと思います。 今回は、労働者派遣事業報告書の書き方のポイントをご紹介したいと思います。  

    目次

    1. 労働者派遣事業報告書とは?

    まず「労働者派遣事業報告書」とは、派遣元会社が労働局に対して、派遣事業を正しく運営しているか、派遣労働者の労働環境や待遇をしっかり守っているかを報告するための書類です。 全派遣会社が毎年6月末までに「労働者派遣事業報告書」を作成し提出することが派遣法によって義務づけられています。 労働者派遣の実績がない場合も、労働派遣事業報告書は提出しなければなりません。 →事業報告書が自動で作成できるe-ラーニング「派遣の学校」はこちら  

    2. 事業報告書を提出する目的

    派遣事業報告書の一番の目的は、派遣法の目的でもある「派遣社員の待遇を良くする」ことにつきます。 派遣労働は、柔軟な働き方ができるメリットがある一方、雇用が不安定になりがちです。 企業の不足人員に対する期限付きの雇入といった面は否めません。 派遣先企業側の都合で、派遣契約期間が終了となることが多いこともまた事実であり、派遣労働者が弱い立場に追い込まれることさえあります。 このような派遣社員の権利を守るために、派遣法が制定され厳しい規制が敷かれました。さらには一般労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可も必要となっているのです。 →改正派遣法6つのポイントについてはこちら →派遣事業許可を取得するためのポイントについてはこちら このような目的があるために、派遣事業の業績、派遣社員の勤務状況、派遣社員の待遇改善状況など事業運営について毎年事業報告書を提出する必要があるのです。  

    3. 何を提出する必要があるか

    提出すべき書類は下記のとおりです。
    1. 労働者派遣事業報告書(様式第11号)
    2. 労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)
    3. 関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号-2)
    毎年、事業主管轄労働局を経て厚生労働大臣に提出しなければなりません。 また、これらの書類は事業所ごとに作成する必要があります。 正本1部、写し2部の3部印刷して持込か郵送で労働局に提出します。 受理されたあとは、写しの1部が返送されます。 まずは、提出が必要な3つの報告書の期限について解説していきたいと思います。  

    4. いつまでに作ればいいか

    4-1. 労働者派遣事業報告書【様式第11号】:毎年6月30日

    1つ目の労働者派遣事業報告書【様式第11号】の提出期限は、すべての派遣元事業者に共通した期限です。毎年6月30日までに、年度報告及び6月1日現在の状況報告を提出する必要があります。 「6月1日現在の状況報告」については注意が必要です。 これは報告するべき対象期間についての説明となります。 言い換えると【昨年度6月1日から今年度5月31日】までに迎えた決算年度が報告対象期間となります。 報告対象期間は、会社ごとの決算月によって異なります。 2021年6月30日提出期限の報告期間について、1月~5月決算の会社は、去年2020年6月1日から2021年5月31日までの期間を報告します。 2021年6月1日時点ではまだ決算を迎えていない6月~12月決算の会社は、一昨年2019年6月1日から2020年5月31日までの期間を報告することになります。 そのため、派遣事業で義務化されているキャリアアップ教育訓練の実施などを行ってきちんと報告するためには、一年前から準備しておく必要があるのです。  

    4-2. 労働者派遣事業収支決算書【様式第12号】:毎事業年度経過後3ヶ月以内

    2つ目の労働者派遣事業収支決算書【様式第12号】について、法人は貸借対照表および損益計算書の添付でOKです。 こちらの提出期限は、【毎事業年度経過後3か月以内】となっています。 決算書をまとめる時間などを考慮して、2月3月の決算の場合、事業報告書と同時に提出することが可能であり、提出漏れしにくいと言えるでしょう。 その他の月が決算の場合、事業報告書とは別の期限となりますので注意しましょう。  

    4-3. 関係派遣先派遣割合報告書 【様式第12号-2】:毎事業年度経過後3ヶ月以内

    3つ目の関係派遣先派遣割合報告書 【様式第12号-2】は、労働者派遣法第23条の2で定められている、グループ会社などへの派遣、関係派遣先への派遣割合が100分の80以下であるかを報告する書類です。 期限は収支決算書と同じ毎事業年度経過後3ヶ月以内となっています。 収支決算書と同時に出すのが一般的です。 ・お役立ちセミナー・資料ダウンロード 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】 【『派遣労働者への雇い入れ時の説明義務付け』ガイドブック・キャリアアップ教育プランサンプル】

    5. 労働者派遣事業報告書の作成準備

    ここからは、事業報告書を作成するための準備について説明します。 作成前に下記資料を準備しておきましょう。  

    5-1. <労働者派遣事業収支決算書>

    事業所の労働者派遣事業の売上高報告欄を記入するため、直近の決算報告書を用意しましょう。  

    5-2. <労働者派遣事業個別契約書>

    自社の派遣労働者の人数、有期・無期雇用それぞれの人数、雇用期間、派遣先で従事する職種など細かな報告が必要です。 個別の契約書を用意し、自社で抱える人材の契約内容を把握できるよう整理しておきましょう。  

    5-3. <雇入れ時又は配置転換時の安全衛生教育実施記録>

    義務の一つ、安全衛生教育の実施記録について報告が必要です。 いつ、誰に、どんな内容の安全衛生教育を実施したか、どのくらいの時間をかけたか、などの記録をまとめておきましょう。  

    5-4. <派遣元管理台帳(キャリアアップ教育、雇用安定措置)>

    キャリアアップ教育訓練の実施、雇用が安定するための措置について詳細を報告する必要があります。 誰にどんな内容の教育を実施したか、実施状況を記録が必要です。 eラーニングを利用した場合は、受講履歴を自動集計することができ、無駄なく正確な報告を行うことができます。  

    5-5. <その他の教育訓練実施記録>

    派遣労働者に対して、安全衛生やキャリアアップの以外の教育を実施している場合は、その内容も労働者派遣事業報告書に記載するため記録しておきましょう。 その他の教育訓練とは、例えば、マイナンバーを扱う事務派遣の仕事をする上で知っておく必要があるマイナンバー研修や、職務とは直接関わりはない一般教養、また、派遣社員が希望したが受講は任意であった場合の教育訓練などが該当します。  

    5-6. <総勘定元帳(派遣先事業主取引額確認)>

    自社の主な派遣先を記入します。「取引額の上位5社」の情報を記入する必要があるため、総勘定元帳を用意しておきましょう。  

    5-7. <派遣料金請求書>

    派遣料金を業種ごとに記入します。 各業種ごとに派遣料金を確認できるよう、請求書を整理して用意しておきましょう。  

    5-8. <雇用保険・社会保険通知書等>

    自社の派遣労働者、それぞれの雇用保険・社会保険の加入状況を記入します。 雇用見込み期間、有期・無期契約などに分けて記入する必要があります。 個別の加入状況が把握できるように社会保険通知書などの書類をまとめておきましょう。   上記に挙げたたくさんの資料が必要になりますので、準備期間をしっかりととっておくようにしましょう。  

    6. 労働者派遣事業報告書の作成

    ここからは実際に報告書を作成する際の書き方とチェックポイントを説明します。 まずは厚労省サイトから最新の書式をダウンロードしてください。
    • 労働者派遣事業報告書(様式第11号) or 入力補助機能つき(様式第11号)
    • 労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)
    • 関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号-2)
    各項目で、excelファイルとPDFファイルがダウンロード可能です。 様式第11号については、入力補助のマクロ機能を付加しているファイルもダウンロードできます。 ▼厚生労働省サイト https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/hakenyouryou.html 法改正によりデータが更新されている可能性があるので、作成前に必ず最新の書式をダウンロードしておきましょう。 最新でないと、報告項目が異なっているため、再提出を求められます。  

    6-1. 報告書を作成する際の書き方

    報告書は事業所ごとに作成する必要があります。 東京と大阪に拠点があれば、それぞれ1枚ずつ事業報告書を作成します。拠点ごとに派遣元責任者も選出しておく必要があります。 では上記踏まえて、実際に労働者派遣事業報告書の作成をしていきます。 様式第11号を順に記載していきましょう。 全14面ありますが、1~9面までが記載面で、10面以降は書き方の説明となります。 順にご説明していきます。  

    第1面

    会社、事業所の情報、派遣事業の売上情報を記載します。 ※令和6年6月報告分から、「労働者派遣事業の売上高」及び「請負事業の売上高」欄が第1面の12、13から無くなり、第2面のⅠ(2)、(3)へ変更されました。 変更になったのは、様式11号の1面にあった12「労働者派遣事業の売上高」及び13「請負事業の売上高」欄がなくなり2面に移動しました。  

    第2面

    派遣労働者の人数、安全衛生教育の実施状況、その他の教育訓練の実施状況、雇用安定措置の実施状況を記載します。 ※令和6年6月報告分から、様式11号の1面にあった「労働者派遣事業の売上高」及び「請負事業の売上高」欄が2面Ⅰ(2)、(3)として追加されました。 安全衛生教育は、キャリアアップ教育訓練とは別で、雇入れ時と業務変更があった際に説明が義務付けられています。 安全衛生教育の「教育の内容及び当該内容に係る労働安全衛生法又は労働安全衛生規則の該当番号」は、下記の番号となります。
    労働安全衛生規則 (雇入れ時等の教育) 第三十五条(※)
    1.  機械等,原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取り扱い方法に関すること
    2.  安全装置,有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取り扱い方法に関すること
    3.  作業手順に関すること
    4.  作業開始時の点検に関すること
    5.  当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
    6.  整理,整頓及び清潔の保持に関すること
    7.  事故時等における応急措置及び退避に関すること
    8.  その他当該業務に関する安全又は衛生のための必要な事項
    製造物流系の以外の職種では、1~4を省いて、5・6・7の教育を行えば良いとされています。  

    第3面

    派遣料金、派遣労働者の賃金で、全体・有期・無期・業務ごとの平均額を記載します。 2021年度から「医師」「薬剤師」「看護師」「准看護師」「診療放射線技師」「臨床検査技師」「その他の医療技術者」の区分が追加されました。  

    第4面

    3面の続きです。  

    第5面

    日雇派遣労働者の業務別派遣料金賃金を記載します。日雇い派遣を行っていなければ記載なしとして斜線を引いておきます。 こちらにも2021年度から「看護業務」の区分が追加されました。  

    第6面

    キャリアアップ措置の実施について記載します。キャリアコンサルタントの人数、キャリアコンサルティングの実施数、キャリアアップ教育訓練についても詳細な報告が必要です。 教育訓練内容が派遣社員にとってキャリアアップに資する、役立つとする根拠を説明する資料となります。 フルタイム・短時間勤務ごと、1年目~4年目以降の教育訓練の実施時間と実施人数、入職時、職能別、職種転換、階層別の教育訓練内容などの実施状況を集計して記載します。 また、キャリアアップ教育訓練は有給無償の教育となりますので、1人1時間あたり平均での賃金額も記載します。 もう一点、キャリアアップ教育訓練については、さらに詳細な教育訓練内容が分かる資料を求められます。教育訓練カリキュラムと教育訓練内容を別紙として提出が必要になります。 また、その他の教育訓練を実施している場合はその詳細もここに記載します。 ※派遣の学校では、キャリアアップ教育訓練についての無料セミナーも開催しております。 ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】  

    第7面

    派遣労働者の実人数を記載します。2020年度のフォーマットから、全派遣労働者のうちの労使協定対象の派遣労働者数を記載する項目が追加されています。 また、2021年度から第3面同様、「医師」「薬剤師」「看護師」「准看護師」「診療放射線技師」「臨床検査技師」「その他の医療技術者」の区分が追加されました。  

    第8面

    7面の続きです。  

    第9面

    日雇派遣労働者の実人数を記載します。 第5面同様、2021年度から「看護業務」の区分が追加されました。  

    第10面~第14面

    1面から9面についての記載注意事項が掲載されています。記入箇所はありません。   事業報告書【様式11号】について、枚数が多く感じますが、中身を知ればそんなに大変なことではないことがおわかりいただけたかと思います。 さらに次にチェックポイントをしっかり確認すれば事業報告書の作成は問題ないでしょう。  

    6-2. 労働者派遣事業報告書の作成 8つのチェックポイント

    1 禁止業務への派遣、日雇派遣の原則禁止に該当する派遣の有無

    日雇派遣とは「30日以内で雇用保険の対象にならない契約」(労働者派遣法第35条4の1)と定義される働き方です。 2012年の派遣法改正で、雇用の安定化のために原則禁止となりました。学生であったり60歳以上のシニアの場合など例外規則はありますが、禁止されている派遣を行っていないことをきちんと確認しておきましょう。  

    2 グループ企業への派遣割合(8割規制)

    特定の企業にだけ派遣するいわゆる専ら派遣について、2012年の派遣法改正で、「グループ内の企業への派遣割合が8割を超えてはいけない」と明確な基準が定められました。 派遣会社は派遣社員を【限定した派遣先にだけ】派遣を行ってはいけません。 グループ内派遣を目的とした派遣会社は、派遣社員のためではなく、マネーロンダリングや派遣先の安価な労働力を確保するためと疑われてしまいます。  

    3 抵触日

    抵触日とは「派遣期間制限が切れた翌日」のことです。 派遣期間については、「事業所単位」「個人単位」がありますが、どちらの派遣期間制限も3年が限度と定められています。派遣社員の抵触日についてはきっちりと管理しておきましょう。  

    4 適切な情報提供の有無

    派遣元事業主は『事業所ごとの派遣労働者の数』『派遣先数』『マージン率等』について、関係者、つまり派遣社員に情報提供をする義務があります。 情報提供の方法は、【インターネットの利用その他の適切な方法】となっています。 インターネットでなければならないということではなく、自社サイトで公開するか、その他の適切な方法として、事業所にいつでも閲覧できるように書類を備え付けておくなどの対応でOKです。  

    5 雇用安定措置の実施有無

    雇用安定措置とは、派遣元事業主の義務として「同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある方に、派遣終了後の雇用を継続される措置」の事です。 行う措置は大きく分けて下記の4パターンです。
    1. 派遣先への直接雇用の依頼
    2. 新たな派遣先の提供
    3. 派遣元での無期雇用(派遣元で正社員雇用)
    4. その他安定した雇用継続を図るための措置(教育訓練、紹介予定派遣等)
    ちなみに派遣先企業においても、雇用安定措置として『派遣社員の直接雇用の努力義務』があります。 また、令和3年4月1日施行された派遣法改正でも【雇用安定措置に係る派遣社員の希望する措置の意見聴取と記録】が義務付けられました。 派遣社員から上記4パターンのうち、希望する措置の内容をヒアリングし、その内容を派遣元管理台帳に記載しなければならないことになりました。 記載する内容としては、『意見聴取を実施した年月日』と『希望する措置』があればよいでしょう。  

    6 キャリアアップ教育の実施有無

    キャリアアップ教育訓練を派遣社員が受けられる環境を用意し、実施した内容を記載する必要があります。 おそらく事業報告書でここが一番準備が大変なところとなるかと思います。 入職時基礎訓練、職能別訓練、階層別訓練、希望があれば職種転換訓練の実施状況として、派遣社員の何名が、何時間受講したかを集計して記載します。 入職時・職能別・階層別で行った教育ごとに、何人で受講したか、受けた時間の合計を集計する必要があります。 ちなみに派遣の学校をご利用いただくと、事業報告書ダウンロード機能により、このキャリアアップ教育の実施有無についてエクセルファイルでダウンロードできるようになり、正確かつ手間を省くことができます。ぜひご検討ください。  

    7 労働条件、就業条件、派遣料金の説明が適切か

    労働契約の締結の際に、労働条件、就業条件、派遣料金の明示を行う必要があります。  

    8 社会・労働保険の加入手続き有無

    労働契約の締結の際に、社会・労働保険の加入手続きを適切に行う必要があります。 派遣会社に雇用され、各派遣先で働く派遣社員は、勤務先ではなく派遣会社で社会保険に加入する必要があります。 派遣社員登録を行う際に、社会保険にきちんと入れるかというところは見られていますのできちんと確認しておきましょう。  

    7. 未提出や虚偽申告の罰則は?

    事業報告書は派遣元事業主の義務であり、派遣社員の待遇改善のための施策です。
    • 事業報告書を期限までに提出しない
    • 虚偽の報告をした
    上記については、30万円以下の罰金に処せられる場合があり、併せて派遣許可の取り消しの対象になることがあります。 「社会保険未加入者がいるけど全員加入しているように報告書に記載する」 「実際にはキャリアアップ教育訓練してないけど実施したことにして記載する」 などは悪質な行為として取られます。 もしキャリアアップ教育訓練を行っていないなどがあったとしても、まずはその状況を正直に報告した上で、改善策を合わせて提示するようにしましょう。 事業報告書の書き方のポイントはここまでです。  

    8. 労働者派遣事業報告書の作成が楽になる教育訓練管理システム

    事業報告書作成に置いて、一番のハードルはキャリアアップ教育訓練の集計だと思います。 段階的かつ体系的な教育訓練を準備し、派遣社員が実施できる環境を整えたうえで、実際に受講された時間を、入職時基礎訓練、職能別訓練、階層別訓練、必要ならば職種転換訓練ごとに人数と時間を記載していく必要があります。 改正派遣法に対応した派遣会社様に特化したeラーニングサービス「派遣の学校」をご利用いただいた場合、まずは高品質で多様な教材がありますので、法で定められる「体系的かつ段階的」な教育訓練カリキュラムを組むことができ、事業報告書に必要な集計も管理画面からほぼそのまま抽出することが可能です。 そもそもの教育訓練カリキュラムの作成についてもサポートさせていただけます。 「派遣の学校」では改正派遣法対策として『派遣労働者への雇い入れ時の説明義務付け』ガイドブックを作成致しました。 また、キャリアアップ教育訓練プランサンプルもご用意し、お問い合わせいただいた方に無償配布致します。 よろしければご活用ください。 改正派遣法のキャリアアップ教育訓練について無料セミナーも開催しております。 キャリアアップ教育訓練について、分かりやすく解説いたします。 ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】
    これから派遣会社を始められる企業様、ご担当者様はぜひ「派遣の学校」にお問い合わせください。
  • 年8時間の派遣社員のキャリアアップ教育訓練とは?

    2015年9月の改正労働者派遣法によって、派遣社員に入社して3年間、年間8時間以上のキャリアアップ教育訓練を受けさせること、4年目以降もキャリアの節目で教育訓練を行うこと、希望者に対してキャリアコンサルティングを行うこと、これらが派遣元事業主に義務化されました。 派遣事業を行う派遣元事業主が実施し、研修を受ける派遣社員は研修時間内は有給無償、費用を払う必要がありません。 さらに2021年(令和3年)1月1日から、派遣労働者の雇入れ時の説明の義務として、派遣元事業主が実施する教育訓練について、希望者に対して実施するキャリアコンサルティングの内容についての説明が義務付けられました。

    目次

    派遣社員の教育訓練(キャリアアップ教育訓練)とは

    改正派遣法で定められたキャリアアップ教育訓練の主な内容は下記のとおりです。
    1. 1年以上雇用見込みのある全ての派遣社員が対象
    2. 教育訓練は有給かつ無償(フルタイムで毎年8時間以上、時短はそれに比する時間)
    3. キャリア形成のための、段階的かつ体系的な教育カリキュラム
    4. 入職時基礎訓練、職能別訓練、※職種転換訓練、階層別訓練の4種の訓練
    5. キャリアアップに資する(役立つ)訓練内容
    派遣法で定められている上記内容について、詳しく見ていきましょう。

    1年以上雇用見込みのある全ての派遣社員が対象

    派遣元事業主が環境を用意しなくてはならない対象となる派遣社員の定義となります。 注意したいのは、「1年以上雇用見込みのある」という言葉です。 文面通りならば、1年以上雇用されるだろう派遣社員、と考えられます。ではどの段階で1年以上の雇用とみなすことになるでしょうか。 結論から言いますと、労働局の解釈は「継続的に雇用する可能性がある派遣社員は全て対象」としています。 例えば3ヶ月毎に更新がある派遣契約だとすると、3度めの更新で1年以上の契約が確定しますが、そこは関係なく、契約更新をする可能性があるなら対象となる、と判断します。 そのため、雇入れの際に10ヶ月で仕事を離れますというような特別な契約をしていない限り、ほぼすべての派遣社員が対象となることになります。

    教育訓練は有給かつ無償(フルタイムで毎年8時間以上、時短はそれに比する時間)

    派遣社員にとっては、有給かつ無償で行われる、言わば仕事と同じ扱いで教育訓練を受けられる権利となります。 休み時間や休日に教育訓練を行えば、仕事と同じ扱いですので、別途休み時間を与える、残業代や休日手当を支給する必要があります。 どうしても仕事中は受けさせることができない職場もありますが、その場合は別途教育訓練を受けるための日程を組むなど、休日手当や残業にならないようにする工夫が必要でしょう。

    パケット代の支給

    また、教育訓練として無償で行うということで、eラーニングで教育訓練を実施するにあたってパケット代も支給しなくてはいけないのか、というご質問をいただくことがあります。 もし、その方法しか受講することができない場合は支払う必要があります。 受講できる環境を整えるのが派遣元事業主に求められていることだからです。 環境を用意することが重要ということになります。 ですので、キャリアアップ教育訓練について説明をする際に、従量課金ではなくWifi環境で受講を推奨すること、またWifi環境が用意できない場合は会社に来て受講することができる環境を準備するという環境を整えることで、パケット代の支払いについては会社が負担する必要はないという判断が出ています。 キャリアアップ教育訓練について説明するときや、実際に受ける際にきちんと通知しておくことが大事です。

    教育訓練の時間

    教育訓練の時間については、フルタイム週40時間勤務の人で毎年8時間以上ということだけが決まっています。 「時短はそれに比する時間」とは、例えば週20時間勤務の人の場合は、毎年4時間以上の教育訓練を受講させましょう、という判断になります。 この時間を下回らないように教育訓練を準備しましょう。年8時間のキャリアアップ教育訓練のサンプルカリキュラムが欲しい方は「派遣の学校」までお問い合わせください。  

    キャリア形成のための、段階的かつ体系的な教育カリキュラム

    キャリアアップ教育訓練は、段階的かつ体系的であることが求められます。 つまり、初級中級上級などステップアップしていく教材を受けさせる必要があります。 また、その教育訓練が派遣社員の待遇が上がることにつながっている必要があります。 待遇が上がるとは、賃金が上がる、正社員など安定した雇用につながる、技術スキルが身につくなどです。 同一労働同一賃金で、労使協定方式では派遣社員の賃金テーブルを作成する必要がありますが、この賃金テーブルと連携した教育訓練であることが望ましい、または必要とされています。 勤務態度も真面目で、仕事で評価を受けている、そして教育訓練を受けてスキルアップに前向きに取り組んでいる、という評価の一つとしても利用するのが良いでしょう。

    入職時基礎訓練、職能別訓練、※職種転換訓練、階層別訓練の4種の訓練

    この4つの訓練を準備する必要があるとされています。 職種転換訓練については無くても問題にはなりません。 基本的には1年目に入職時基礎訓練を行い、2年目3年目で職能別訓練と階層別訓練を組み込んだカリキュラムを作成しましょう。 職種転換訓練については、キャリアコンサルティングで職種転換の希望があった場合に用意できると良いでしょう。「派遣の学校」ではキャリアアップ教育訓練についてさらに詳しく知りたい方に向けて定期的にセミナーを開催しております。    

    キャリアアップに資する(役立つ)訓練内容

    派遣法改正の一番の目的は、派遣社員の待遇を上げることです。 キャリアアップにつながる教育訓練を用意する必要があります。 そのため、どうしてそのキャリアアップ教育訓練が役に立つのか下記の視点で報告が求められます。
    • 期待される教育訓練の効果
    • 到達すべき知識、技量レベル
    • キャリアアップにつながる理由
    以上が、年間8時間以上のキャリアアップ教育訓練の必要性と求められている内容となります。

    目的は派遣社員のキャリアアップ・待遇改善

    派遣法改正の目的は「派遣社員の待遇を上げること」です。 派遣労働者は柔軟な働き方ができるメリットがある一方、実際には雇用が不安定になりがちです。 そもそもが不足人員に対する期間限定の補充という側面もあり、派遣先企業の都合で派遣契約期間が終了になることが多いのも事実だからです。 そのため派遣労働者は弱い立場に追い込まれることもあります。 そんな雇用状況の中では、キャリアアップの機会も設けられず、キャリアアップを希望しても、研修に参加できなかったり、そもそも研修が設けられないといったことが起きるようになっていました。 こういった弱い立場の派遣社員の権利を守るために、派遣法が制定され、2015年9月の派遣法改正により、派遣社員のキャリアアップ教育訓練が義務化されました。 なので、派遣法に沿っているかどうかを考えるにあたっては、派遣社員のためになることかどうか、という基準があるといえるでしょう。

    教育訓練は派遣社員にとってメリット、派遣元事業主にとってはチャンス

    上記のことから、キャリアアップ教育訓練は、派遣社員にとって有給無償で受けることができるキャリアアップ教育というメリットであることがわかります。 派遣元事業主にとっても、義務として捉えるのではなく、きちんとした教育訓練を行うことで、派遣社員のスキルアップやモチベーションアップを図るチャンスでもあります。 また最近では、どのようなキャリアアップ教育訓練を行うのかを自社サイトに掲載して、派遣社員の登録を促すアピールの材料としても利用されてきています。 義務として行うではなく、派遣社員のためになることという意識を持って取り組むことができれば、キャリアアップ教育訓練は、派遣社員、派遣元事業主双方にとって、非常に有効な手段であると言えるでしょう。

    何を準備する必要があるか

    それではキャリアアップ教育訓練の実施までに何をする必要があるでしょうか。 まずは、派遣事業許可申請、また派遣事業許可更新の際に、キャリアアップ教育訓実施練計画を労働局に提出する必要があります。 計画書を提出する際に、カリキュラムと、その教育訓練がどのようにキャリアアップに役に立つのかを説明する資料の提示を求められます。 カリキュラムとしては、1年目から3年目まで、各年8時間以上、体系的かつ段階的な内容である必要があります。 また、4年目移行は時間の縛りはなくなりますが、節目節目で教育を行うことが定められています。 年ごとでもいいし、3年ごと、職場を変わるとき、など定期的に行うこととして、4年目以降のカリキュラムも組む必要があります。 どのようにキャリアアップに役に立つのか、ということについては、計画書の書面では収まらないため、別紙として添付資料を提出が求められます。 教材が役に立つ理由として、下記の内容をまとめます。
    • 期待される教育訓練の効果
    • 到達すべき知識、技量レベル
    • キャリアアップにつながる理由
    例えば、弊社の【仕事の意思疎通を楽にする!アサーティブコミュニケーション講座】の場合は、このような資料を用意しています。
    どのように声をかければスムーズに仕事依頼を受けてもらえるのか?という設定で、相手へかける言葉が選択肢で用意されています。相手を不快にさせる選択肢を選んだ場合は、なぜダメなのかという解説を見ることができ、相手の立場にたった会話をする考え方を身に着けることができ。キャリアアップにつながると考えます。 キャラクターのタイプはユングの心理学をベースに4つに分かれており、シナリオも4つあります。自分の苦手なタイプ以外のシナリオも見ることで、アサーティブコミュニケーションへの理解を深めることができます。
    これらをカリキュラムの講座それぞれに用意する必要があり、計画書で一番手間がかかるところであるかと思います。 この別紙資料については、法的に決まっている提出書類ではありませんが、2019年から全国の労働局で提出を求められるようになりました。 それ以前からいくつかの労働局では提出するように指導があったようです。 キャリアアップ教育訓練カリキュラムについて、労働局がきちんと精査を行っているという現れだと思います。

    いつ準備が必要か

    派遣事業許可申請をする場合は事前準備としてキャリアアップ教育訓練を用意しておく必要があります。 派遣事業許可は、初回3年、2回目以降5年ごとに、許可更新の手続きを行わなければなりませんので、計画書作成に向けてキャリアアップ教育訓練の見直し、eラーニングの導入などを検討される必要があります。

    キャリアアップ教育訓練は他社との差別化になる

    キャリアアップ教育訓練については、派遣元事業主の義務として環境を整える必要があるというのはご説明したとおりです。 派遣社員からみると、有給無償でキャリアアップ教育訓練を受けることができるチャンスでもあります。 2015年から開始されているキャリアアップ教育訓練は、派遣社員の方たちにとって、よく知られている教育訓練となってきています。 さらに、令和3年1月の派遣法改正で、キャリアアップ教育訓練とキャリアコンサルティングについて雇入れ時の説明義務が追加されたことで、これから派遣登録を行う人にとっては「どんなキャリアアップ教育を用意しているのか」を登録会社を選択する1つのポイントとなっています。 大手派遣会社では、自社サイトへ教育訓練についてのページを設けており、派遣法への対応とともに、自社PRとして利用しています。 また、このキャリアアップ教育訓練の目的は、派遣社員の待遇改善です。 何を持って改善とするかは、仕事に役に立つか、賃金などの待遇が上がるか、スキルが身につくか、ということが挙げられます。 キャリアアップ教育訓練を行うことで、派遣社員にとって良いことが起こることが求められています。

    高まるリスキリングの重要性

    近年では「リスキリング」の大切さが説かれるようになりました。リスキリングとは、ビジネスシーンにおけるスキルの「学び直し」のことで、業務と並行して必要なスキルを学ぶことを指します。   従来、スキルを学ぶ際には一度休職をして大学院などに入学し、そこからまた復職して業務に就くケースが多くありました。それを繰り返す教育方式を「リカレント教育」というのですが、この方式ではスキルを身につけるために仕事から離れ、また戻らなければならないという点で業務効率が上がらないという課題がありました。   リスキリングは、業務に従事しながらスキルの向上を目指すという点でリカレント教育とは異なります。仕事を離れたり、また戻ったりする必要がないため、通常業務にも支障が出にくいのが特徴です。   リスキリングの実施にかかる企業側のコストは、採用活動の6分の1とも言われています。新たな人材を採用するよりも効率良く業務効率の向上を狙えるため、企業としては積極的に取り入れたい手法です。   政府は2022年の10月にリスキリング関連の支援に1兆円もの予算を投じると発表しました。 こうした背景から、今後企業におけるリスキリングは積極化するとみられます。   個人のスキルを高めることで対応可能な業務範囲は広がり、人材の市場価値が高まります。 特に派遣社員の場合は、派遣先企業に求められるような人材になることで、自身の待遇や満足度向上に繋げられるでしょう。   派遣会社目線で見ても、リスキリングを経てスキルを身につけた従業員が所属していることで、会社の価値向上が期待できます。 派遣事業を営むのであれば、早めに取り組んでおくのがおすすめです。
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    【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】 【『派遣労働者への雇い入れ時の説明義務付け』ガイドブック・キャリアアップ教育プランサンプル】

    派遣法改正に伴う教育訓練計画書の作り方

    今まで体系的でなかった教育訓練から、体系的かつ段階的なキャリアアップ教育訓練を導入するにあたり、まず考えるのはこちらです。

    誰に何を受けさせるかを整理する

    現状把握含め、自社に必要な教育が何であるかを洗い出す必要があります。 派遣社員にとって何が必要であるかはもちろんですが、自社にとってどのような人材を育てていきたいかというところも大切なポイントです。 例えば、初めて派遣社員として働く人が多いのであれば、ビジネスマナーやヒューマンスキルを身に着けておくことは必須です。 キャリアアップ教育訓練で均質な教育を受けてもらうことができれば、派遣元企業としてのボトムアップが図れるでしょう。 中堅どころで、マナーなどは問題なく、これからより多くの仕事をしていってほしい派遣社員が多い場合は、専門職種に特化した教材を受けてスキルを上げ、キャリアアップをしていってもらうことができるでしょう。 仕事についてはもう心配いらないベテラン派遣社員に対しては、現状の仕事と関連がある教材で広い見識を持ってもらうことでより仕事の幅を広げてもらったり、ヒューマンスキルの高度な内容やマネジメントスキルを磨く教材を受けてもらうなどが考えられます。 様々は職歴、スキルを持った社員がいるならば、一般的な教材と専門的な教材を配分したカリキュラム作成が必要になってくるでしょう。

    そのために必要な教材を探す

    現状の自社派遣社員に受けさせたい教育が決まって、いざ実際にその教育を行うとなったとき、自社で教材を用意するのは時間と費用がかかりすぎてしまうということが往々にしてあります。 既に実績のあるeラーニングサービスの導入を検討することをおすすめします。 派遣社員に受けさせたい教育をカバーする教材、仕事中に有給無償で教育を行う方法、いつまでに受けてほしいか、また受けたかどうかの確認、そして毎年6月の事業報告書での報告を鑑みて、最も自社にあった教育訓練方法を選択する必要があります。 労働者派遣事業報告書のキャリアアップ教育訓練の実施有無など書き方・ポイントについてはこちらもご参照ください。 https://www.pro-seeds.com/haken/blog/haken-report/

    キャリアアップ教育訓練計画書の書き方

    どのような教材が必要か、というところまで進みましたら、労働者派遣事業計画書(様式第3号)の書き方について見ておきましょう。 どのように記載する必要があるのかを確認してキャリアアップ教育訓練計画を立て易くなるかと思います。 労働局で様式ファイルはダウンロードできます。 法改正によりフォーマットが更新されていますので、新しいフォーマットを使うように注意しましょう。
    ▼参考:東京労働局
    労働者派遣事業関係 ダウンロードページ https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken.html
    労働者派遣事業計画書(様式第3号)キャリア形成支援制度に関する計画書(様式第3号-2)の2つのエクセルファイルをダウンロードしておきましょう。

    労働者派遣事業計画書(様式第3号)

    ・様式第3号(第1面)

    事業所についての情報を記載します。 事業所が複数ある場合は、別途事業所の数だけ書類を用意する必要があります。

    ・様式第3号(第2面)

    派遣労働者の人数、平均的な料金、賃金、保険料を記載します。 安全衛生教育の内容や、キャリアアップ教育訓練以外の教育訓練があればこちらに記載します。 設備や場所については、研修所や、パソコン、机の台数などを記載しておきます。 ちなみに、プロシーズの安全衛生教育を利用した場合の、項目6の記載はこのようになります。

    ・様式第3号(第3面)(第4面)

    1面と2面についての記載要領がまとめられています。

    ・様式第3号-2(第1面)

    「キャリア形成支援制度に関する計画書」として、労働者派遣事業計画書で最も記載が多く手間がかかるメインとなる書面です。 10項目について順に見ていきましょう。
    1 キャリアコンサルティングの担当者の人数
    担当者の人数を、社内、社外、キャリアコンサルタントまたは それ以外で何人設置しているかを記載します。 キャリアコンサルタント担当者については下記の条件のいずれかを満たす人を選定する必要があります。
    1. キャリア・コンサルタント(有資格者)
    2. キャリア・コンサルティングの知見を有する者 (職業能力開発推進者、3年以上の人事担当の職務経験がある者等)
    3. 派遣先との連絡調整を行う営業担当者
    2 キャリアコンサルティング窓口
    窓口の開設方法としては、派遣労働者がキャリア・コンサルティングを申し込むことができる環境の用意ということになります。 記載方法としては、下記の方法で該当する番号をすべて記載しておきます。
    1. 事務所内に設置
    2. 電話での相談 窓口の設置
    3. e-mailでの専用窓口の 設置
    4. 専用WEBサイトの設置
    5. その他 ※詳細備考欄に記載必要
    もしまだ窓口がない、未開設の場合は開設予定の内容を記載しておきます。 キャリアコンサルティングを行う場所も、該当する番号をすべて記載します。
    1. 社内(本社、支社等を含む)の特定の 場所
    2. 社内の不特定の場所
    3. 派遣先 の特定の場所
    4. 派遣先の不特定の場所
    5. 社外
    6. その他 ※詳細備考欄に記載必要
    3 キャリアコンサルティングに関するマ ニュアル等の有無
    有りか無しか丸をつけます。 有りの場合はマニュアルの添付が求めらています。
    4 キャリアアップに資する教育訓練
    派遣法改正で定められたキャリアアップ教育訓練について具体的な教育訓練内容を記載します。 但し、この資料では具体的と行っても大きなカテゴリを記載するイメージです。 例えば実際のカリキュラムでExcel講座初級と中級を受講する場合は、具体的な教育訓練として「OA研修訓練」と記載しておくという書き方です。 書類では8項目までしかありません。 ですので、職種が多かったり、行う教材のカテゴリが8項目以上ある場合は、第3号-2(第1面)を複数枚用意して、追加記載を行います。 受講を行う対象となる派遣労働者の人数などもこちらに記載しておきます。 1年目から3年目まで、フルタイム1年以上の雇用見込みのある派遣労働者には各年8時間以上、4年目以降はどのタイミングで教育を行うかなどを設定しておき、説明ができるようにしておかなくてはなりません。 また、キャリアアップ教育訓練実施にあたっての賃金額を1人1時間当たり平均で記載する必要があります。 上記の記載をした上で、労働局からは詳細なカリキュラムも提出が求められます。 年間8時間どのような教育訓練を行うのかを、別紙として準備して提出します。
    5 上記教育訓練が、キャリアアップに資すると考える理由
    項目4で設定した教育訓練がキャリアアップに資する(役に立つ)と考える理由を記載します。 こちらについて、項目は1枠しかありません。 労働局が記入例としてあげている文面を参考までに記載します。 派遣労働者の採用後、役職・段階があがるタイミングにおいて、キャリアパスに応じた上記教育訓練を設けており、職務遂行能力や専門的・総合的な能力 を高め、派遣労働者のキャリアアップに資することを念頭においている。 しかし2019年以降から、この内容についても別紙で提出が求めらてきています。 より詳しくなぜそのキャリアアップ教育訓練が役に立つと言えるのかを説明してほしいという指導が入ることがあります。 様式第3号の概要にある「所定の欄に記載し得ないときは、別紙に記載して添付すること。」という名目での指導と考えられます。 その場合は、項目には「別紙参照」と記載して、カリキュラムに沿ってどのように役に立つと考えてその教材を受けさせるのか、を説明する資料が必要になります。 ここが非常に手間がかかって大変だったという担当者様のお声をよくお聞きします。 ちなみにプロシーズでは、教材一つひとつに、なぜキャリアアップに資するかという説明をご用意しております。 ですのでカリキュラムを組んでしまえば、その時点で別紙資料の作成対応が可能です。
    6 無期雇用派遣労働者への中長期的なキャリア形成を考慮に入れ た教育訓練の実施
    こちらについては、法改正で定められた1年目から3年目までのキャリアアップ教育訓練含めて、またはそれとは別途に、無期雇用派遣労働者への中長期(3年以上)のキャリア形成を考えた訓練があれば有りに丸をつけます。
    7 上記6の実施にあたってどのようなことを考慮しているのかを具体的に記載すること
    中長期的なキャリア形成の具体的な内容を記載します。
    8 派遣労働者のキャリアアップ措置に係る教育訓練に用いる施設、設備等の概要
    こちらは様式第3号(2面)の安全衛生教育やその他の教育訓練の項目と同じであれば記載不要です。 異なる場合は同様に集合研修ならば研修所、パソコンや机の台数などを記載します。 eラーニングの場合は、施設は不要、環境としてパソコンを利用するのか、スマホやタブレットを利用するのかなどを記載します。
    9 教育訓練等の情報を管理した資料の保存期間が労働契約終 了後3年間以上あること
    3年以上保存する場合は有りに丸をつけます。
    10 備考
    項目以外で特に伝えるべき内容があれば記載します。空欄で問題ありません。

    ・様式第3号-2(第2面)

    1面についての記載要領がまとめられています。

    ・様式第3号-3(第1面)(第2面)

    派遣労働者のうち、雇用保険等の未加入者がいる場合に提出する資料です。 未加入者がいない場合は提出不要です。
    以上が労働者派遣事業計画書の項目と書き方です。 キャリアアップ教育訓練内容とキャリアアップに資する理由について別紙として提出が求められています。 労働局としても厚生労働省からの指導の元、きっちりと審査を行うためにほしい資料ということになります。 こちらをしっかりと準備しておけば、スムーズな申請ができるでしょう。 ここまでで、自社に必要な教育訓練について、派遣事業計画書に記載しなければならないキャリアアップ教育訓練がどのようなものかイメージが付いてきたかと思います。 もう一度事前に検討しておくべき内容をまとめます。
    1. 必要とされる共通のキャリアパス(求める人材要件)
    2. 上記①に必要なスキル、資質等
    3. 教育訓練内容(時間)
    4. 期待される教育訓練の効果/到達すべき知識/技量レベル/キャリアアップにつながる理由
    ①と②については、営業担当者の方は肌感として理解できているかと思います。 そこを書き出すなどまとめていただくことで、必要な教育訓練内容が見えてきます。 ぜひ一般向け教材と専門職種向け教材を豊富に取り揃えたプロシーズの「派遣の学校」をご検討ください。 プロシーズの派遣の学校を導入いただければ、カリキュラムの提案とその教材がキャリアアップに資する理由についても資料としてご提案させていただけます。

    お問い合わせ・資料ダウンロード

    キャリアアップ教育訓練の事例紹介セミナー実施中

    ここまでご説明してきた内容を踏まえて、労働者派遣事業計画書の【4 キャリアアップに資する教育訓練 】記載例と、具体的なカリキュラム、別紙として教材がキャリアアップに資する理由をまとめた資料をご用意しました。 セミナーにて解説を行い、セミナー終了後には資料も配布しています。 分かりにくい派遣法の解釈や提出に必要な書類の作成方法を事例を交えながらお伝えします。 無料で実施していますので是非ご活用ください。
    【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】

    まとめ

    派遣キャリアアップ教育訓練は、2015年の改正派遣法対策として、8時間分の教材を用意するという段階を経て、実際の派遣社員のキャリアアップを図り、派遣登録を増やすためのPRや、派遣元企業全体のスキルアップ、引いては売上につなげる戦略として活用できます。 ぜひ派遣の学校を導入いただいて、担当者様の課題解決につなげていただければと思います。

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  • 一般労働者派遣事業許可を取得するためのポイント

    コロナ禍を経て、生活様式や働き方が、今までとは比べ物にならないくらい新しい形に変化してきました。 今後も製造、介護、接客業をはじめ、オフィスワーカーなど、職場の衛生対応は継続され、在宅勤務の奨励も継続されていくと考えられます。 このような状況の中、人材派遣業界の業界規模は、平成6年以降から現在まで緩やかに増加を続け、2021年度は9兆2,000億円となっています。 慢性定期な人材不足と、コロナによる不況によって解雇が進み、新規派遣登録者は伸びる傾向にあります。 人材派遣業界は、今が登録スタッフを増やすチャンスと考えることもできます。新たに人材派遣業を検討される企業様もいらっしゃるかと思います。 今回は、派遣会社を始めるには何をすればよいのか、まずは労働者派遣事業許可の取り方についてポイントをご紹介いたします。 また最後に『派遣労働者への雇い入れ時の説明義務付け』ガイドブックや教育プランサンプルもございます。

    1. 労働者派遣事業許可を取るための確認事項

    まず、派遣業を行うにあたって、一般派遣事業許可要件、つまり派遣業を行う資格があるかどうかをチェックする必要があります。 法的には、許可を受けるためには、欠格事由(法第6条)に該当せず、許可基準(法第7条第1項)を満たす必要があるとされていますので見ていきましょう。

    1-1. 一般派遣事業許可要件の欠格事由と許可基準

    欠格事由

    労働者派遣事業の欠格事由(法第6条) ・事業者が刑事罰などの法に触れていない 刑法はもとより、労働基準法や職業安定法、最低賃金法などなど、事業者が法を犯していないかどうかなので、法人だけではなく役員も含まれますが、ここはそこまで気にしなくてもほとんどの企業様は大丈夫かと思います。

    許可基準

    労働者派遣事業の許可基準(法第7条第1項) イ・この派遣事業が特定の企業にのみ派遣を行う目的でないこと ロ・適切な雇用管理がなされていること ハ・個人情報の管理を徹底していること 二・派遣事業を適正に遂行できる能力があること 確認すべきは上記4つです。 順にみていきましょう。
    イ・この派遣事業が特定の企業にのみ派遣を行う目的でないこと
    こちらは、専ら派遣(もっぱらはけん)の禁止ということですので、複数の顧客企業に対して派遣社員を派遣する通常の派遣業を行うということであれば問題ないでしょう。
    ロ・適切な雇用管理がなされていること
    適切な雇用管理がなされているかについては、下記の確認が必要です。 a.キャリア形成支援制度を有していること (キャリアアップ教育訓練、キャリアコンサルティング) b.派遣労働者に対する適切な雇用管理能力があること (派遣元責任者の選任、社会保険・労働保険の加入、職務代行者など) c.キャリアアップ以外の教育訓練 (a以外の教育、安全衛生教育やその他の教育訓練) キャリアアップ教育訓練については、きちんとした教育計画と毎年6月の事業報告書への記載が義務付けられています。令和3年1月からは、キャリアアップ教育訓練とキャリアコンサルティングについて、雇入れ時の説明義務も追加されました。派遣許可申請を行う前に準備しておくことが重要です。 弊社派遣の学校では計画書やカリキュラム作成のご提案を含め、キャリアアップ教育訓練に関する疑問にお答えできますので是非ご活用ください。 >派遣社員のキャリアアップ教育訓練に関する記事はこちら またキャリアアップ教育訓練についての無料セミナーも開催しております。 ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】
    ハ・個人情報の管理を徹底していること
    個人情報の管理について、つまりは派遣登録者がいる派遣会社は、個人情報保護法に沿った情報の管理を行うことが求められるということになります。
    二・派遣事業を適正に遂行できる能力があること
    派遣事業を適正に遂行できる能力があること、こちらは許可基準の中でも特に重要な、資産要件と事務所要件が含まれます。
    資産要件
    「資産要件」の内容は下記の通りです。
    • 直近決算書で、基準資産が2,000万円×事業所数以上である
    • 直近決算書で、現金預金が1,500万円×事業所数以上であり、負債総額の7分の1以上ある
    事業所が複数ある場合はその数だけ掛け算した分が必要です。 事業所が一つだけなら、確認すべきは直近決算で、預金残高1,500万円以上、純資産2,000万円があるかです。
    事業所要件
    「事業所要件」は、派遣事業所として使用できるかどうかのチェックです。 以下の要件をすべてクリアする必要があります。
    • 事業で使用し得る面積が20平方メートル以上あること
    • 使用目的が事務所であること(賃貸借契約書の目的とあっている)
    • 事業所の独立性が保たれていること(別法人が同居していないか)
    • 個人的秘密を保持し得る構造であること(鍵付きキャビネット等の設置)
    • 風俗営業が密集する等事業の運営に好ましくない場所にないこと
    申請時に労働局による事業所の実地調査が必ず行われます。 派遣元責任者・職務代行者の席があるか、個人情報を保護できる鍵付きキャビネット等が用意されているか、研修・面談スペースが確保されているか、社名表示されているかなど、事務所要件を確認されます。
    派遣元責任者の選任について
    会社として要件が確認出来たら、もう一つ重要なのが、派遣元責任者です。 事業所ごとに派遣元責任者を選任する必要があります。 また、派遣元労働者100人ごとに1人以上を選任しなければいけません。 派遣元責任者を選任する際には、まず欠格事由に該当せず、3つの条件に当てはまる人である必要があります。 まず派遣元責任者の欠格事由について、まとめると下記の通りです。
    • 禁固刑又は労働基準法違反などにより懲役・罰金の刑に処され、その執行を受ける事ができなくなってから5年を経過しない者
    • 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
    • 労働者派遣事業の許可を取り消されてから5年を経過しない者
    • 未成年者である者
    • 外国人で一定の在留資格のない者
    次に、派遣元責任者になるための条件は次の3つです。
    1. 派遣元責任者の業務に専任できること
    2. 3年以上の労務管理経験があること
    3. 3年以内に、派遣元責任者講習を受講していること
    1つ目の、派遣元責任者は、派遣先企業や派遣労働者からの苦情・相談があった場合、いつでも対応できる体制を整える必要があるため、派遣元責任者自身が、派遣労働者として労働することはできません。 また、他の会社の役員や従業員となっている場合も、派遣元責任者としては認められませんので注意しましょう。 2つ目の「成年到達後、3年以上の雇用管理経験」必要とされています。 雇用管理経験がない人は派遣元責任者になれませんので、派遣元責任者講習を受けても無駄になります。注意しましょう。 また、「雇用管理経験」は次のような経験のことを指します。
    1. 人事または労務の担当者(代表者や管理職など)
    2. 派遣事業で、派遣労働者や登録者の労務を担当していた者
    3. その他、次のような経験がある者 a)成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者 b)成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者 c)成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者
    3つ目の「3年以内に、派遣元責任者講習を受講していること」については、派遣元責任者講習を受けてから3年経過している人は、再度受講しなければいけません。また、新しく派遣事業を行うにあたっては、申請に先立って派遣元責任者講習を受けておく必要があります。予約制となっていますので、早いうちにスケジュールを確認しておきましょう。 講習の日程や予約については、厚労省サイトでご確認ください。 ▼派遣元責任者講習の講習機関一覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000044436.html ・お役立ちセミナー・資料ダウンロード 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】 【『派遣労働者への雇い入れ時の説明義務付け』ガイドブック・キャリアアップ教育プランサンプル】

    2. 労働者派遣事業許可の申請準備

    2-1. 労働者派遣事業許可の申請に何が必要か

    ここからは、労働者派遣事業許可の申請の準備として何が必要かについてご説明します。

    ▼申請手数料

    登録免許税 90,000円 収入印紙代 120,000円(2事業所目以降は1事業所につき+55,000円) 複数の事業所がある場合も、まとめて会社単位で行います。 事業所が2つなら、120,000円+55,000円で175,000円の収入印紙代が必要です。

    ▼申請書類

    1. 労働者派遣事業許可申請書(様式第1号):3部(正本1通、写し2通)
    2. 労働者派遣事業計画書(様式第3号):3部(正本1通、写し2通) (複数事業所を同時に申請する場合、事業所ごとに作成)
    3. キャリア形成支援制度に関する計画書(様式第3号-2):2部(正本1通、写し1通)
    さらに上記申請書類に添付する書類が18種類あります。 それぞれ用意することはそこまで難しいものではありませんが、非常に多くの書類が必要になるため、準備には時間がかかることを想定しておきましょう。
    1. 定款または寄付行為
    2. 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
    3. 役員の住民票
    4. 役員の履歴書
    5. 派遣元責任者の住民票 ※役員が兼務する場合は不要
    6. 派遣元責任者の履歴書 ※役員が兼務する場合は不要
    7. 派遣元責任者講習の受講証明書 ※許可申請日前3年以内に受講したもの
    8. 最近の事業年度における貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書 ※会社設立後最初の決算期を終了していない法人は会社成立時の貸借対照表のみ
    9. 最近の事業年度における法人税の納税申告書 ※会社設立後最初の決算期を終了していない法人の場合は不要
    10. 最近の事業年度における法人税の納税証明書 ※会社設立後最初の決算期を終了していない法人の場合は不要
    11. 事業所施設に関する書類 ※建物の登記事項証明書または建物の賃貸借契約書
    12. 個人情報適正管理規程
    13. 自己チェックシート(様式第15号)
    14. 就業規則又は労働契約の該当箇所(写し)
    15. 就業規則(労働基準監督署の受理印があるページの写し)
    16. 派遣労働者のキャリア形成を念頭においた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等又はその概要の該当箇所の写し
    17. キャリアアップに資する教育訓練(整理用シート)
    18. 企業パンフレット等事業内容が確認できるもの
    特に、17『キャリアアップに資する教育訓練』については、派遣事業を行う前であれば、計画書やカリキュラムを作るのが大変かと思いますが、派遣の学校では教育訓練の提案やカリキュラム作成のお手伝いをさせていただけますので是非お声がけください。 そして、派遣事業開始以後の6月の事業場報告や3年ごとの許可更新申請などの手続についても備えておくと良いでしょう。

    2-2. 信頼性のある派遣会社として取っておくとよい認定制度

    その他、労働者派遣事業を行うにあたっては、優良派遣事業者認定制度とプライバシーマークを取得できると有利かと思います。信頼性のある派遣会社であるという証であり、派遣先や派遣登録者への信頼を得ることができるでしょう。

    ・優良派遣事業者認定制度

    厚生労働省から委託された認定機関の審査を受け、基準を満たしたと判断された派遣会社が認定をもらうことができます。 法令を遵守しているだけでなく、派遣社員のキャリア形成支援やより良い労働環境の確保、派遣先でのトラブル予 防など、派遣社員と派遣先の双方に安心できるサービスを提供できているかどうかについて、一定の基準を満たし た派遣事業者を「優良派遣事業者」として認定する制度です。 >優良派遣事業者認定制度に関する記事はこちら

    ・プライバシーマーク

    1998年から一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営する制度で、個人情報保護の体制や運用の状況が適切であることを認定するものです。 日本産業規格「JIS Q 15001 個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」の基準に適合した事業者のみ「プライバシーマーク」の使用が認められます。

    2-3. 派遣元会社にお勧めサービス

    派遣許可申請中から、キャリアアップ教育訓練の準備をしておくことをお勧めします。 派遣許可申請時の計画書作成だけでなく、雇入れ時の説明義務や、実際のキャリアアップ教育訓練、そして6月の事業報告書作成について、担当者の手間を省きつつ、派遣社員のキャリアアップにつながる教育訓練を実現できる『派遣の学校』をぜひご活用ください。 『派遣の学校』は、2015年のサービス開始から、250社以上にご利用いただき、派遣会社に特化した機能を搭載したeラーニングシステムと、専門職種のeラーニング教材を多数ご用意しているため、ご希望に沿ったキャリアアップにつながる研修を実行することができます。 体系的かつ段階的な教育を行うためのカリキュラム作成のご提案や、キャリアアップ教育以外の安全衛生教育やストレスチェックにも対応しています。さらに、労働局やハローワークに聞いてもなかなか分からない担当者様の疑問にお応えするサポートも充実しています。 また、派遣業務管理に人材管理システム『スタッフナビゲーター』をご利用いただいている場合、派遣の学校と連携して教育訓練結果をスタッフナビゲーターに取り込むことができます。

    3. 申請準備が楽になる無料オンラインセミナー開催中

    申請準備の手間を少しでも減らしていただくために、派遣の学校では、各種無料セミナーを実施しています。 これまでの派遣会社様へのご支援実績をもとに、分かりにくい派遣法の解釈や提出に必要な書類の作成方法を事例を交えながらお伝えします。 無料で実施していますので是非お気軽にご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】

    4. 「キャリアアップに資する教育訓練」・「派遣労働者への雇い入れ時の説明義務付け」の関連資料

    4-1. PDFダウンロード

  • 人材派遣に必要なシステムにはどのようなものがある?管理すべき項目とともにご紹介します

    今や人材派遣の要となっている、人材派遣システム。重要性は理解しつつも、どのシステムを選ぶべきか分からず困っていませんか?この記事では、人材派遣システムを活用すべき理由や、システム選定時のポイントをご紹介します。派遣にかかわる業務を効率化するために、ぜひ参考にしてみてください。

    1. 人材派遣システムとは

    まずは人材派遣システムの基本的な知識を頭に入れておきましょう。人材派遣システムとはどういったものなのか、またシステムを導入することで得られるメリットにはどのようなものがあるかをご紹介します。人材派遣におけるシステムの重要性を理解するきっかけにしてください。

    1-1.派遣事業にかかわる事項を管理するためのシステム

    「人材派遣システムとは何か」という問いに一言で答えるとすると、「派遣事業にかかわるあらゆる事項を管理するためのシステム」となります。 派遣事業を行っていると、管理しなければならない情報はたくさんあります。派遣社員ひとりひとりの個人情報や派遣先の割り振り、教育管理など、挙げ始めたらきりがないほどです。こうした情報の管理を円滑に行うためのシステムこそが人材派遣システムなのです。

    1-2.こんなお悩みをお持ちではありませんか?

    派遣元企業として人材を雇用し、各企業に派遣するにあたってたくさんの業務が発生します。そんな中、よく挙がるのが次のようなお悩みです。 ・人材管理に多くのリソースを割いている ・派遣先と派遣従業員のマッチングに時間がかかる ・給与や勤怠、請求管理が煩雑になってしまっている ・教育管理に難しさを感じている 一口に人材派遣事業と言っても付随業務はたくさんあるため、必要な業務フローもその数だけあります。もちろんそうした業務をゼロにするのは大変難しいことですが、今よりも効率化できる部分もあるかもしれません。そして、効率化において最も効果を得やすい施策のひとつが、人材派遣システムの導入と言っても過言ではないのです。各社から提供されている人材派遣システムを活用することで、人手不足や残業の常態化など、さまざまな問題を解決できる可能性もあります。

    1-3.企業規模を問わずシステムの導入が進む

    近年、登録している派遣従業員数が多い大手の派遣会社だけでなく、いわゆる中小の派遣会社でも人材派遣システムの導入が進んでいます。今後も人手不足が深刻化すると予想されますが、その中でも人材派遣業界で成長するためには、業務効率の向上が必ず必要になってきます。特に中小企業の場合、人材管理や給与計算、請求管理等を少人数で管理していることも多いでしょう。業務が属人化してしまうことを防ぐためにも、システム導入は急がれるのです。

    1-4.人材派遣システムを導入するメリット

    人材派遣システムを導入することで得られるメリットには、次のようなものがあります。 ・派遣従業員の管理が効率化できる ・契約やクライアント管理が円滑になる ・社内業務の一元化ができるようになる それではさっそく、各項目の内容をひとつひとつ解説していきます。

    1-4-1.派遣従業員の管理が効率化できる

    システム導入をするメリットとして最初に挙がるのは、従業員管理の効率向上です。派遣事業では、勤務地や適性、本人の意向などを考慮し、適切な派遣先へ人材を送る必要があります。従来はこの作業を派遣元企業の担当者がすべて手作業で行っていましたが、システムの中には派遣従業員と派遣先のマッチングを手助けしてくれる種類のものもあります。 エントリーシートや登録書類の管理をまとめて行うことができるシステムも多いため、システムを導入することで情報の管理が容易になるでしょう。必要な情報を見つけるのも容易です。これまで書類を探すのに手間取っていたのであれば、派遣元企業の担当者は空いた時間で他の業務を行うことができるようになります。

    1-4-2.契約やクライアント管理が円滑になる

    人材派遣システムで管理できるのは社内の情報だけではありません。派遣先の企業や営業をかけている企業など、社外業務においても管理しなければならない情報は多数あります。営業を強化したり派遣先企業との業務を円滑にするためには、人材派遣システムの導入は必要不可欠だといえるでしょう。社外との情報共有を一括で行えるシステムもあるため、社外とのかかわりがどれくらいあるのかという点や予算を考慮して導入を検討してみてください。

    1-4-3.社内業務の一元化ができるようになる

    人材の派遣や案件管理の他にも、労務や経理、給与支払いまで管理可能なシステムもあります。こうしたシステムを導入すれば、人材管理をより広い範囲で効率化できるようになるでしょう。これまでそれぞれ担当者をつけて管理していた場合も、システムの導入で必要な人員が少なくなるため、他の業務にリソースを割くことができるようになる可能性があります。

    1-4-4.セキュリティの強化ができる

    資料や情報を紙ベースで保管していると、紛失や破損のリスクがあります。USBメモリや外付けハードディスク等、記録媒体に情報を保存している場合も同様です。そういった面では、システムに連携したクラウドを活用すれば、セキュリティ面でのリスクは大きく低減できます。取り扱う情報が機密性の高いものであるため、セキュリティの強化は必須です。

    1-5.システムを使わない運営も可能?

    人材派遣システムを導入するメリットをご紹介しましたが、やはり導入時のコストや手間を考えて敬遠している企業担当者の方がいらっしゃるのも事実です。システムを使わず運営を続けること自体は不可能ではないですが、管理すべき項目が増えたり、より多くの人材を受け入れるようになったりした際には業務が煩雑化する可能性があります。また、セキュリティ面でのリスクや確認ミスにも直結するため、各企業の状況に合わせて最適なシステムを導入することをおすすめします。 ご紹介したメリットの他にも、システムごとの特徴や導入することで得られるメリットはたくさんあります。導入を検討しているシステムを使うことで、今の業務がどう変化するのかシミュレーションしつつ、自社にとってのメリットを探してみましょう。

    1-6.人材派遣システムを導入するデメリット

    人材派遣システムを導入する際のデメリットには、次のようなものがあります。 ・コストがかかる ・導入時にオペレーションを変更する必要がある 最も大きな懸念材料は、導入コストやランニングコストではないでしょうか。たしかに、システムを利用するのであれば、多かれ少なかれコストはかかります。ただ、長い目で見れば業務効率の向上や生産性の向上することが多いため、そのコストは回収できると考えられます。現在の業務に割いているリソースや許容できるコスト等を加味し、システム導入の可否を検討してみてはいかがでしょうか。 また、導入時のオペレーション変更については、むしろ行うことで業務の効率化を図れるため、混乱がないよう注意すれば問題ないといえます。多くのシステムでは導入しやすいような仕組みやサポートがあるため、不安な部分はシステム提供企業に相談することをおすすめします。

    2. システム管理が望ましい項目

    ここからは、システムの活用を検討されている方向けに更に詳しい内容を解説していきます。各社から提供されているシステムで管理できる情報は多岐にわたります。それらの中から特にシステム管理すべき項目を、4つピックアップしました。現状どのように情報管理しているか思い出しながら読み進めてみてください。

    2-1.スタッフ管理・人材配置

    どのシステムにおいても、派遣スタッフの情報管理を行う機能が搭載されていることは多いです。つまり、これはどの企業でも重要視される項目であることが分かります。また、スタッフの個人情報や派遣先への人材配置情報など、管理情報はいくつにも細分化されるでしょう。こうした情報をシステムで一括管理することで、データ参照にかけていたリソースの削減が可能になります。ほとんどのシステムで検索機能が搭載されているため、書類を探す手間を大幅に軽減できるのもポイントです。

    2-2.受注案件・取引先情報

    多くの従業員を抱える派遣元企業では、派遣従業員が向かう派遣先の企業も多くなります。そのような企業では、社内情報だけでなく派遣先企業や取引先に関する情報までしっかりと管理していないと、情報を探すのが難しくなってしまうどころか、情報漏洩のリスクすら生まれてしまいます。そうした観点から、社外にかかわる情報は信頼できるシステムで管理することを強くおすすめします。

    2-3.給与

    給与情報も非常に重要な情報のひとつです。社外はもちろん、社内においても厳格に管理しなければなりません。そうした性質上、人の手で給与管理を行うと確認や情報の管理に多大なリソースが必要になります。「人材派遣システム」と聞くと人材の管理にスポットライトが当たることが多いですが、システム導入の恩恵は給与管理においてもかなり大きいといえるでしょう。システムによっては勤怠管理も兼ねることができるので、使い方次第では社内の中核を担うシステムになります。

    2-4.教育状況

    派遣事業を行う上では、キャリアアップ教育訓練をはじめとした研修や教育訓練を行う必要があります。所属している派遣従業員ひとりひとりの業務分野や研修進度は異なります。適切な教育状況の管理を行わなければ、教育上の非効率が生じてしまうでしょう。 当社では、オリジナルのeラーニングコンテンツと合わせてご利用になれる、教育状況に重きを置いた教育管理システム「LearningWare」を提供しております。 教育の管理に難しさを感じていたのであれば、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】

    3. 人材派遣システムの選び方

    システム管理が望ましい項目をご紹介してきましたが、「項目もたくさんあるし、どうしよう…」「システムの数が多すぎて迷う…」という方も少なくないでしょう。ここからは、人材派遣システムの「選び方」に重点を置いて話を進めていきます。どのシステムを導入するかの最終判断についてはご自身で行っていただくことにはなりますが、選び方のポイントをひとつひとつ解説していきますので、ぜひシステム選定時の参考にしてみてください。

    3-1.システムごとの違いを知る

    まずは、たくさんある人材派遣システムの特徴や違いを知るところから始めましょう。いくつものシステムを比較するうち、次第にシステムに求めていることが分かってくるはずです。それが特定の機能なのか、コストなのかは企業によって異なる部分ですので、「このシステムを選べば絶対正解!」というものはありません。現在の状況と、今後派遣事業を継続するにあたってどうしたいか、その2つをしっかりと考えた上でシステムの選定に入りましょう。

    3-2.システム選定時のポイント

    システム選定時、具体的にはどのようなことに着目したらよいのでしょうか。もちろん企業や取り巻く状況によってシステム選びの基準は異なりますが、検討材料の一例として参考にしてみてください。

    3-2-1.効率化したい分野をカバーできているか

    派遣業務に導入するシステムを選ぶ際には、効率化したい業務範囲をカバーできているシステムを候補に入れるようにしましょう。 近年では、人材管理だけでなくさまざまな分野に強みをもったシステムが各社からリリースされています。 例えば派遣従業員の教育に力を入れたいのであれば、教育特化型のシステムを使うのも手です。どんなシステムを使えば求めている効果を得られるか、十分検討してみましょう。

    3-2-2.コストは適切か

    多くのシステムでは、「初期費用」「月額費用」と大きく分けて2つの費用がかかります。 そして価格帯は幅広く、コストという面で見るとサービス間に大きな開きがあります。ただ、「安い=良い」というわけではありません。一般的に見て高めの値段設定だったとしても手厚いサポートや充実した機能があれば、費用対効果が非常に高くなることもあります。 導入を検討しているシステムの導入コスト・ランニングコストがどれくらいかかるのか、試算してみることをおすすめします。そして、それは受けられるサポートや搭載されている機能に対して適切なのか、しっかりと見極めましょう。

    3-2-3.派遣従業員にとって使いやすいか

    意外と見落としがちなポイントですが、システムを利用するのは管理者だけではありません。各種申請や勤怠情報の確認、eラーニングの受講など、派遣従業員がシステムを利用する機会は多いといえます。そのため、システム導入の成否は使いやすさにかかっているともいえます。近年はスマートフォンアプリとセットになったシステムも多いため、いつでもアクセスしてもらえるような状態を作るのであれば、そうしたシステムを導入するとよいでしょう。

    3-2-4.最新情報にアップデートされているか

    システム内の情報が最新のものに更新されているかも、非常に重要なポイントです。 特に派遣関連の法律は頻繁に改正されるため、最新の情報を常に追っていなければなりません。近年での例を挙げると、2012年に日雇い派遣が禁止、2015年には同じ組織単位での3年以上の派遣労働を禁止する「3年ルール」の導入がスタートしました。そして2021年6月からはすべての企業に「同一労働同一賃金」制が導入されています。このように企業やそこで働く従業員を取り巻く環境はめまぐるしく変化し続けているのです。システム側で最新情報を逃さずキャッチし、その内容を適切に反映できれば、安心してシステムを使えるでしょう。

    3-3.カスタマイズが可能か

    システム導入時、「どの程度のカスタマイズまで可能か」も重要なポイントになります。多くの場合、システムを納品する際には、派遣元企業のニーズに合わせた調整やカスタマイズが行われます。ただ、カスタマイズの自由度についてはシステムによって異なります。まずは機能追加や調整が可能なのか、そしてその結果自社のニーズを満たすことができるのかを慎重に検討しましょう。 ここで紹介したシステム選定時のポイントは、ほんの一例です。派遣元会社や事業所単位で求めているポイントが異なることも多いので、まずは今起きている問題の把握やシステムに対して求めることの明確化を行いましょう。そうしておけば、システム提供企業の担当者との話し合いもスムーズになります。

    4. 人材派遣システムにはどのようなタイプのものがある?

    ここまでご紹介してきたシステム選びのポイントや重視すべき点を踏まえ、ここでは特徴的な人材派遣システムのタイプを3つに厳選してご紹介します。ぜひシステム選定時のヒントとしてご活用ください。

    4-1.オールラウンドな「総合管理型」

    人材事業における主要業務をカバーしているシステムは、ここに分類されます。スタッフ管理や受注管理、勤怠や請求に伴って生じる業務を一元管理するのであれば総合管理型システムの導入は不可欠だといえるでしょう。このシステムを導入することで、派遣事業にかかわる社内業務をまとめて管理できるようになるため、既存の業務フローを大幅に効率化できる可能性があります。現在、業務が全体的に煩雑化しているのであれば、ぜひ検討したいシステムのタイプです。 総合管理型のシステムの例としては、「Staff Navigator(スタッフナビゲーター)」(ユニテックシステム株式会社)があります。低コストで幅広い業務をシステムでまとめて管理できるようになるため、コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。このシステムを導入することで、給与計算や請求管理におけるヒューマンエラーの大幅な削減を図れます。業務効率化も期待できるため、締め日でも残業をしなくて済むかもしれません。無料体験期間も設定されているため、まずはお試しをしてみてはいかがでしょうか。

    4-2.「マッチング重視型」

    派遣会社の業務において重要な業務の中に、派遣従業員と受注案件の組み合わせを考える「マッチング」があります。本人の適性や希望、派遣先の状況などさまざまな事柄を多面的に判断して派遣先を決定する必要があるため、多くのリソースを割く部分になることが多いです。人材派遣システムの中には、このマッチングに重きを置いたものもあります。 マッチング重視型のシステムの代表格は「MatchinGood(マッチングッド)」です。派遣先企業が重視する基準や派遣従業員の適性に合わせ、派遣従業員と案件をワンクリックでつなぐことができます。これまで膨大な案件と多数の従業員の中から、手作業で最適な組み合わせを考えていたのであれば、業務効率の向上を図れます。従業員別に案件の進捗管理もできるので、対応もれも少なくなるでしょう。

    4-3.派遣先との連携機能が充実している「連携強化型」

    派遣事業は、派遣先の企業があってはじめて成り立ちます。円滑に業務をすすめ、トラブルを低減するためにも、派遣元企業と派遣先企業の間で連携を図ることは非常に重要です。 そうした背景から、派遣先企業との連携に重きを置いたシステムもリリースされています。 このようなシステムをこの記事では「連携強化型」と呼びますが、連携強化型のシステムでは契約や請求の管理、派遣照会など、必ず発生する業務を社内外で適切に管理するための機能が搭載されています。 このタイプのシステムには、「e-staffing」(株式会社イー・スタッフィング)が当てはまります。派遣元企業、派遣先企業にそれぞれ最適化されたサービスが用意されており、人材を送る企業も迎える企業も、スムーズに業務を進めることができます。法令遵守に重きを置いて作られているのも特徴です。派遣先企業には料金がかからないため、手軽に導入ができます。

    4-4.教育に重点を置いた「教育重点型」

    すべての派遣会社は、派遣従業員に対してキャリアアップ教育訓練を実施しなければなりません。それに加え、近年では教育や研修で他社との差別化を図る会社も現れはじめています。そのような状況下で、特にこれから従業員の教育に力を入れていきたいと考えているのであれば、教育に重きを置いた「教育重点型」のシステムも検討してみましょう。 教育管理やeラーニングコンテンツの提供まで一括で行うことができるシステムを利用すれば、研修のたびに頭を悩ませることはなくなります。 教育重点型システムの例としては、「LearningWare」(当社・株式会社プロシーズ)があります。スマホやパソコン、タブレットなど多様な端末でeラーニングコンテンツを受講できるほか、集合研修にも対応しているため、研修の実施から管理までこのシステムひとつで行うことができます。ご要望をシステムに反映させることもできるので、教育に重きを置いていきたいと考えているのであればぜひ一度ご相談ください。

    5. システムごとの得意分野を見極めて最適なシステムを!

    人材派遣システムにはどのようなものがあるのか、選び方とともにご紹介しました。今後、業務効率を向上させたいのであれば、システムの導入は必須です。各社からさまざまなシステムが提供されているため、現状や予算に合ったものを選びましょう。当社では、人材派遣システムや教育訓練に関するお悩みをいつでも受け付けています。お気軽にお問い合わせください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】
  • 知っておきたい「派遣」と「請負」の違い!偽装請負への対策もご紹介

    近年、企業の業務委託活用が増加傾向にあります。 企業のIT人材の不足、働き方改革によるフリーランスの増加、企業の副業解禁による副業エンジニアの増加などが、業務委託増加の要因と考えられています。、 業務委託の増加とともに、派遣業界では「偽装請負」の事案が問題視されています。 知らないうちに法令違反をしてしまっているケースもあり、非常に厄介な問題です。この記事では、一見よく似ている労働者派遣と請負契約の違いについてご説明し、その後偽装請負への対策をご紹介します。外部の従業員と一緒にお仕事をされている方に、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

    「派遣」と「請負」の違いとは

    早速、労働者派遣と請負契約の違いについてご説明します。 まずはそれぞれの業務形態についてひとつひとつ解説をした後、「派遣」と「請負」で異なる部分をピックアップします。 派遣と請負の違いに関する認識が誤っていることが原因で法令違反が起こってしまうこともあるため、ぜひこの機会に正しい理解をしましょう。

    労働者派遣とは

    労働者派遣も請負契約も、派遣元の会社と派遣先の会社、そして派遣される労働者の三者がいて成り立ちます。 特に労働者派遣に関していえば、派遣元の企業(派遣会社)が派遣労働者を派遣先の企業に派遣するという形で契約が交わされます。 雇用主は派遣元の企業ですが、労働者は派遣先の指示に従って業務を行います。 多くの企業で取り入れられている形態なので、イメージしやすいのではないでしょうか。

    請負契約とは

    請負契約は、請負会社との間に雇用契約を結んだ労働者が、発注者と仕事を行うものです。 雇用関係は請負会社と労働者の間に生じ、請負契約は請負会社と発注者で結ぶことになります。労働者は「発注者と仕事を行う」と表現しましたが、仕事に関する指揮は請負会社が行います。 また、請負契約の目的は「仕事の完成」にあります。ソフトウェアの開発やホームページ制作、建設工事などの案件でよく用いられる形態です。

    労働者派遣と請負契約の違い

    とてもよく似ている労働者派遣と請負契約ですが、その2つの形態の間には契約上でも実務を行う上でも非常に重要となる違いがあります。 最も大きいのは「誰が指揮を行うか」という点での違いです。 労働者派遣の場合には派遣先の会社が労働者への指示を行うのに対し、請負契約の場合、労働者に対する業務上の指示は請負会社から行われます。 指揮を誰が行うかという部分は非常に重要で、認識を誤れば偽装請負状態を作ってしまうことにもつながります。

    近年問題になっている「偽装請負」とは?

    近年、特に派遣業界を賑わせているのは「偽装請負」に関する話題です。 ここでは偽装請負そのものの説明に加え、なぜ偽装請負が禁止されているのか、また偽装請負にはどのようなパターンがあるのかを解説します。 この機会に偽装請負についての理解を深め、偽装請負を未然に防げるようにしましょう。

    請負契約を装って行われる実質的な労働者派遣

    偽装請負とは、請負契約を結んでいるのにも関わらず、実態は労働者派遣になってしまっている状態のことです。 請負契約では、発注者側が業務上の指示を行うことや、契約外の業務を委託することが禁止されています。 そのため、発注者が労働者の指揮をとった時点で偽装請負となるのです。 直接指示をするのであれば、派遣契約を結ばなければなりません。

    なぜ偽装請負は禁止されている?

    発注者目線で考えると少し不便なように思えるかもしれませんが、偽装請負が禁止されている理由がしっかりとあります。 たとえば、労働者保護の観点が良い例です。 仕事の完成や納品物に対して対価を支払う請負契約を結んだにも関わらず、発注者から指揮命令や関係のない職務に関する指示が行われると、労働者は不当に働かされてしまうことになります。また、偽装請負状態で働いている労働者の中には、社会保険や雇用保険に加入していない人もいます。万が一業務中に病気や怪我をしてしまった場合に責任の所在がうやむやになってしまうため、偽装請負は非常に危険なのです。 他にも、労働基準法で禁じられている「中間搾取」を防止するという目的もあります。 中間搾取とは、第三者が雇用関係に介入し、労働者に対して本来支払われるはずだった報酬を搾取することです。偽装請負の場合、労働者を雇用した請負会社が中間搾取を行ったと判断されます。こうしたケースから労働者を守るために、偽装請負はなくしていかなければなりません。

    偽装請負の典型的なパターン4種類

    偽装請負には、大きく分けて4つのパターンがあります。 それぞれの概要や特徴をご紹介します。 いつの間にか偽装請負状態になってしまう場合も多々ありますが、巧妙に偽装請負を隠していることもあります。 紹介するパターンに心当たりがあるのであれば、要注意です。

    ①スタンダードな偽装請負

    最も多いのは、発注者が労働者に直接指示を行ってしまっているパターンです。 はじめは請負会社が指示を行っていても、業務を進めていくうちに指揮を行う人が変わってしまうこともあります。 偽装請負の状態としては最も分かりやすいですが、そもそも偽装請負に対する認識を持っていない発注者もいるため、事前の認識合わせは必須だといえます。

    ②形だけ担当者を置く方式

    請負会社側に担当者を置き、その担当者を通して発注者からの指示を労働者に伝えるというものです。 この形式は意図的に偽装請負が行われる際の常套手段です。 一見すると請負会社から労働者に対して指示が行われるように見えますが、発注者からの指示をそのまま伝えているのであれば、実質発注者が指示を行っていることになります。 「指示は担当者を介して伝えてください」と言われている場合は、偽装請負の可能性もあるため注意しましょう。

    ③責任の所在が不明なパターン

    外注や下請けを頻繁に利用しているのであれば、気をつけなければならないのがこのパターンです。 請負会社が発注者から受けた仕事を外部委託した場合、仕事に関する指示がさまざまな場所から行われる可能性があります。外部委託先の労働者に対して請負会社や元々の発注者が指示を行うのは、偽装請負となります。 こうしたケースでは、責任の所在や業務指示のフローがうやむやになりがちです。 外部委託先が増えれば、実際の使用者を特定するのは難しくなります。

    ④個人事業主として就労させる方式

    これは発注者と労働者の間に雇用関係を結ばず、発注者と請負を受注した個人事業主として取り扱う方式です。そうした契約方式自体に問題はありませんが、発注者が労働者に対し自社の従業員と同様に指示を行うと偽装請負とみなされます。 請負会社から人材の斡旋を受ける場合には、誰がどのように指示を行うのか明確にしなければなりません。

    偽装請負を行うとどうなる?

    ここからは偽装請負を行ってしまった場合の罰則に関して解説していきます。 偽装請負を行った場合の罰則は、主に下記の3つの法律で定められています。

    労働者派遣法

    無許可で派遣事業を行ったことに対して罰則が科せられます。 第59条2号で、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められています。

    職業安定法

    偽装請負を行うと、職業安定法第64条9号をもとに、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 これは労働者供給事業を無許可で行ったことに対する罰則で、無許可で派遣された労働者に対して指示を行った事業者も処罰の対象となっています。 請負会社だけでなく、発注者も罰せられる可能性が十分にあるのです。

    労働基準法

    偽装請負が禁じられている理由のひとつとして「中間搾取の防止」を挙げましたが、労働基準法ではこの中間搾取に関する罰則が定められています。 118条では中間搾取を行った者やそれを手助けした者に、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科すとされています。 場合によっては発注者も中間搾取を手助けした者とみなされ、罰則の対象にもなり得ます。 偽装請負状態においては、請負会社に罪があると思ってしまいがちですが、発注者にも大きな責任があります。 故意かそうでないかに関わらず、偽装請負への関与は非常にリスクが大きいとお分かりいただけたでしょうか。

    受け入れ先の企業も要注意!知らずに偽装請負になってしまうケースも

    偽装請負をなくすためには、発注者、つまり受け入れ先の企業の意識改革も必要不可欠です。 業務の進め方を誤ってしまったり、請負企業に虚偽の説明をされたりして、知らないうちに偽装請負に加担することもあり得ます。 請負契約に関わる場合には全員が当事者意識を持つ必要があります。

    業務の進め方次第で偽装請負状態に陥ることがある

    業務を請け負っている労働者であっても、社内で仕事をしていると自社の従業員と同じように扱ってしまいがちです。 特に社内で請負契約や偽装請負に関する情報がうまく共有されていないと、業務担当者が請負労働者に対して直接指示を行ってしまうこともあります。 業務の発注をする際には、契約を行う従業員だけでなくその業務に関わる従業員全員に情報をしっかりと共有するようにしましょう。

    派遣元企業に誤った説明をされることも

    偽装請負が発覚した際、時々発注者側から上がるのは「労働者派遣だと思っていた」という声です。 実際、請負会社から適切な説明を受けていないことが原因で、発注者から労働者に直接指示が行われてしまうことがあります。 悪質なケースでは、請負会社が意図的に誤認を招き、さも労働者派遣であるかのように装うことすらあります。 こうした事例に巻き込まれないようにするためには、契約の内容と実際の労働状況を照らし合わせ、偽装請負状態になっていないか発注者側でセルフチェックすることが非常に重要です。

    偽装請負を回避するための方法

    請負契約は、業務の進め方次第で偽装請負状態の発生にもつながるシビアなものです。 ここからは偽装請負を回避するための方法を3つご紹介します。 法令違反を起こしてしまう前に、有効な対策を講じましょう。

    業務フローの適正化

    まず大切なのは、請負と派遣の違いを正しく理解し、誰がどこまで指揮するのかを明確にすることです。 その上で、発注者から直接指示が行われないよう、業務フローを適正に保ちましょう。 請負契約において対価の支払い対象になっているのは、従業員との雇用ではなく、あくまで成果物や仕事の完成です。 発注者は、予定業務以外の業務について絶対に直接交渉を行ってはいけません。

    社内外への情報周知

    請負契約をして業務を進める場合、請負会社は社内外にその旨や偽装請負を防止するための方策を共有しておく必要があります。 社内では適正に業務を進められていたとしても、取引先からの指示が原因で偽装請負状態になってしまうということも考えられるため、社内だけでなく社外への情報周知も必要不可欠です。

    派遣契約への切り換えを行う

    最もおすすめなのは、派遣契約に切り換えをしてしまう方法です。 派遣契約を結べば、派遣先の企業(請負契約でいう発注者)は派遣労働者に対して正式に業務上の指示を行うことができるようになります。 請負契約は、発注者と労働者が密に連携するような仕事には向いていません。 ダイレクトに指示をしながら業務を円滑に行っていきたいと考えているのであれば、派遣契約への切り換えは必須だといえます。偽装請負状態を作り出さないために、ぜひご検討ください。

    高まる「派遣」の需要と必要な措置

    請負契約も労働者派遣も、人材不足を補うための手段として広く用いられてきました。 ただ、近年では派遣契約を選ぶ企業が多くなっており、派遣資格を取得して派遣事業を始める事業者も増えてきています。 この章では派遣の需要が高まっている要因や、派遣事業者として人材派遣業を行うために必要なものについて解説します。

    各業界で進む「人材派遣」への切り換え

    近年、幅広い業界で請負契約から派遣契約への切り換えが進んでいます。 人材不足を補うため新たな契約を結ぶ場合にも、選ばれるのは派遣契約であることが多いです。コンプライアンス意識の向上や、働き方に関する考え方の変化などさまざまな要因はありますが、偽装請負に対する目はたしかに厳しくなっています。 偽装請負になってしまうことを避けたいという各企業の考えが、こうした流れを生んでいるのです。

    派遣事業を行うために必要なもの

    人材派遣の需要拡大に合わせ、派遣事業者として起業したいと考えている方も多いでしょう。 派遣事業の許可要件には主に下記のようなものがあります。 ・一定レベルの資産額を確保すること ・事務所の環境に関する条件を満たすこと ・適正な雇用とその管理ができる派遣元事業者であること ・労働者の教育や訓練を適正に行うための計画を持っていること ・許可申請にあたり、非認可になるような欠格事由を持っていないこと ・派遣元責任者講習を受けた責任者を置くこと 詳しくは別の記事でもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

    中でもキャリアアップ教育訓練の準備は重要

    派遣事業を始めるにあたって満たさなければならない要件の中でも、キャリアアップ教育訓練への取り組みは非常に重要です。認可の際に教育訓練を用意していなければならないためでもありますが、教育訓練は競合の派遣会社との差別化を図れるポイントでもあります。 人材の専門性を高め、優秀な人材を派遣するためにも質の高いキャリアアップ教育訓練の用意は必要不可欠です。 コロナ禍で集合研修を行うのが難しくなったことや、業務で忙しい中でも教育訓練を行えることから、eラーニングでの教育訓練の導入も進んでいます。当社でも、教育訓練のためのeラーニングコンテンツを多数用意しています。各専門分野に特化した内容を学べるようになっているので、キャリアアップ教育訓練にお悩みならぜひご検討ください。

    偽装請負を避けるために派遣契約への切り換えを進めませんか?

    偽装請負の中には発見しづらいものもありますが、ペナルティや労働者を取り巻く状況を考えると非常にリスクが高いといえます。 たとえ法令を遵守していたとしても、請負契約では直接指示ができないため業務がうまく進まないこともあります。業務フローの滞りにお悩みなのであれば、派遣契約の導入をおすすめします。また、派遣事業に関するお悩みごとや、eラーニングに関するご相談がございましたら、ぜひ「派遣の学校」までお気軽にお寄せください!

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  • 人材派遣で起業したい!要件やより良い事業者を目指すためのポイントをご紹介

    さまざまな要因で人手不足の業界が多い今、優秀なスタッフを抱える人材派遣会社には需要が集まっています。新たに人材派遣業を営む際の要件や流れ、良い事業者になるためのポイントをご紹介します。 人材派遣業での起業を考えている方にお読みいただきたい内容になっています。 その状況をチャンスと捉え、人材派遣業界で起業をしたいと考える方も多いでしょう。 この記事では、  

    1.人材派遣での起業ってうまくいくの?

    ここでは人材派遣業の概要に触れた後、今後の展望や可能性についてご説明します。 混同されがちな「人材紹介業」や「請負」との違いにも触れています。 まずは大まかに人材派遣業への理解を深めましょう。  

    1-1.そもそも人材派遣業とは

    その名の通り、自社で雇用している労働者を他社に派遣する事業を行うのが、人材派遣業です。 労働者が所属するのは派遣元の事業者ですが、実際に働くのは派遣先の事業者になります。 そのため、業務に関する指示は派遣先のものに従いますが、給与は派遣元の事業者から受け取ることになります。 同一の派遣先企業で働くことができるのは最大3年までとなっているため、それ以上の期間派遣先の企業で勤務したいのであれば、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶ必要があります。  

    1-2.人材紹介業や請負との違い

    「人材派遣業」と似たような事業に「人材紹介業」があります。人材紹介業は、人手が必要な企業に人材を紹介する、いわば仲介を行うものです。 労働者は人材紹介元の企業には所属せず、紹介先の企業と直接契約を結ぶことになります。 つまり人材派遣業と人材紹介業の最も大きな違いは、労働者が派遣元(紹介元)と雇用契約を結ぶかどうか、という点です。 また、別の業務形態として「請負」があります。 請負契約は案件や納品物単位で行われる契約のことで、労働者が実際に働く企業と雇用契約を結ぶ企業が異なることもあります。 その特徴から人材派遣と混同されがちではありますが、請負はあくまで契約先の企業の業務を一部請け負うものとなるので、人材派遣にはあたりません。  

    1-3.個人で起業するケースも

    人材派遣業を個人事業主として起業する場合も、会社を設立する場合と基本的な手順は同じです。 小規模派遣元事業主には、条件付きで事業開始時の資産要件が緩和される制度もあります。 要件を満たせば、資本金1,000万円で人材派遣事業を始めることができます(通常は2,000万円以上の資本金が必要)。 個人事業主の基準資産額は確定申告を元に確認することとなります。  

    1-4.人材派遣業界の未来は?

    人材派遣業を始めようとしている方はみなさん気になっている部分だと思いますが、人材派遣業界の未来は明るいのでしょうか。 結論から言えば、「差別化ができれば利益を生むことができる」といえるでしょう。 新型コロナウイルスの影響で、世界経済は縮小しています。 求人倍率も低下しており、需要と供給のバランスを見るとしばらく厳しい状況が続くと思われます。 しかし、過度に不安に駆られる必要はありません。 所属人材の専門技術レベルや業務の効率化などで他社との差別化に成功すれば、今後も需要が集中する派遣会社になることができるでしょう。 どの分野、どの戦略なら差別化できるかを事前に考えておくことが大切です。  

    2.人材派遣で起業するための要件

    ここでは、人材派遣の領域で起業する際の必須要件をご紹介します。 要件自体はさほど難しいものではありませんが、事前準備は必須です。 早めに申請の要件を確認し、適切なアクションをとっておきましょう。  

    2-1.派遣業務許可の要件とは

    労働局に派遣業務開始の申請を行う際の主な要件は次の通りです。
    • 基準資本金を含め、一定レベルの資産額を満たすこと
    • 事務所面積を含めた事務所の環境に関する条件を満たすこと
    • 適正な雇用とその管理ができる派遣元事業者であること
    • 労働者の教育や訓練を適正に行うための計画を持っていること
    • 許可申請にあたり、非認可になるような欠格事由を持っていないこと
      このうちのいくつかを、下記で詳しくご説明します。  

    2-2.資本金を確保できているか

    人材派遣会社を設立する際には、資本金を「2,000万円以上」用意しなければなりません。 資本金の判断は基本的に(総資産)から(負債)を差し引いた額で決定されます。 決算前の企業であれば、会社を設立した際の貸借対照表が資本金の判断材料になるので、会社設立時の資本金の確保はしっかりと行っておきましょう。 また、事業所が複数ある場合には、事業所の数だけこの条件が適用されます。 つまり、事業所を3つ設立する際には、2,000万円 × 3 = 6,000万円以上の資本金を用意する必要があるのです。  

    2-3.派遣元責任者講習を受けた責任者がいるか

    新たに派遣会社を設立する場合、「派遣元責任者講習」を受講した責任者を置かなければなりません。 資格の取得そのものの難易度こそ高くないものの、資格を取得する際には3年以上の実務経験が必要になるため、その部分がハードルになることもあります。 「実務経験」とは、実務ベースでの雇用管理経験のことを指し、企業の人事や労務部門の担当者としての経験が問われることになります。  

    2-4.教育や訓練において一定の基準を満たしているか

    派遣会社はすべての所属労働者に対し、教育や訓練を実施する必要があります。 この教育や訓練は有給かつ無償で実施され、内容は各個人のキャリアアップのためのものでなければなりません。 所属スタッフをより優秀な人材に育成するためにも、教育には力を入れましょう。 近年では教育訓練にeラーニングを活用する企業も増えています。  

    2-5.事業所に関する要件

    事業所にかかわる要件も設定されています。 まずは事業所の面積です。 20㎡以上の面積が必要とされていますが、通常は問題なく要件を満たすことができるでしょう。 あとは風営法で定められた事業を行う店舗が、事業所の周囲に密集していないことも要件に含まれています。 事業所を設置する際には、物件の広さだけでなく周囲の環境も確認しておきましょう。    

    3.開業するまでの大まかな流れ

    ここからは具体的な起業の流れをご説明します。 人材派遣業で起業する際には必ず踏まなくてはならない手順なので、ぜひ参考にしてみてください。 この記事では、特に法人として派遣事業をスタートする場合の流れをご紹介します。  

    3-1.派遣元責任者講習を受講する

    要件の部分でご説明しましたが、派遣事業を始めるにあたって「派遣元責任者講習」を受けた責任者を置くことが義務づけられています。 講習は全国で開催されているので、お近くの講習会場で受講可能です。 受講費用は講習の実施団体によって異なりますが、だいたい1万円ほどになります。 この講座の受講自体は、派遣業の認可取得までのどのタイミングでも構いません。 しかし、講習の受講予約に時間がかかるケースもあるので、予約だけでも早くしておくことをおすすめします。  

    3-2.会社を設立する

    派遣事業を始める際には、まず会社として登記をするところから始めます。 大まかな流れでいえば、会社名や所在地などの基本情報を決定し、定款の認定を受けたら資本金の払い込みを行います。 法務局での申請が通れば、会社の設立ができたとみなされます。 ここからの手続きの詳細な手順は割愛しますが、税務や社会保険、労務にかかわる手続きを各機関にて行う必要があります。 これらの申請が問題なく受理されれば、会社の登記が完了した状態になります。  

    3-3.派遣業の許可取得

    会社の登記ができたら、派遣業を行うための申請に移りましょう。 必要書類の作成後、労働局を通じて厚生労働省に申請を行うことになります。 書類の不備があると認可を受けることはできないため、事前のチェックは怠ることのないようにしましょう。 事業許可を通知されれば、派遣事業を始めることができます。 書類の提出から認可まで約3ヶ月程度かかることが多いので、スケジュールを事前に組んでおき、余裕を持って行動しなければなりません。  

    4.より良い派遣事業者を目指すために

    無事派遣会社を設立できたら、いよいよ事業開始です。 もちろん会社ができたからといって満足していてはいけません。 ここでは、これから先も派遣会社として発展し続けるために、しておきたいことを3つご紹介します。  

    4-1.優良派遣事業者認定の取得

    「優良派遣事業者認定制度」とは、派遣労働者、派遣元事業者、派遣先事業者の三者にとって良い環境を作るための認定制度です。 厚生労働省が認定を行っており、派遣会社を選ぶ際の指標の一つになっています。 認定要件の中に「3年以上の事業実績があること」が含まれているため、事業開始時すぐには申請できませんが、事業が軌道に乗った時点で認可を受けることができれば、他社との差別化ポイントになるでしょう。  

    4-2.適切な人材管理

    人材派遣で重要なのは、人材の管理です。 ひとくちに人材の管理と言っても、日々の勤務状況や人材配置、スタッフひとりひとりのメンタルヘルスなど多岐に渡りますが、これらひとつひとつの管理の仕方は企業全体のあり方に直結します。 業務の効率化を図りつつ、個々人に寄り添った企業運営ができるよう心がけましょう。  

    4-3.eラーニングの導入

    スタッフの訓練や教育にeラーニングを用いることで、ひとりひとりのキャリアアップに寄り添った学習支援ができます。 単に「義務だから」という理由から行われるのではなく、本人のことを考えた上での教育訓練の実施は、今後さらに重要性を増すと考えられます。 「派遣の学校」では、数多くの職種に対応したeラーニングコンテンツを多数ご用意しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。  

    5.起業はスタートライン!他社との差別化を忘れずに

    この記事では主に人材派遣で起業する、いわば「始めるまで」の段階の話をしてきました。 事前準備を十分行い、確実に認可を受けられるようにしましょう。 また、起業ができた後も優秀な人材と仕事が集まる「良い派遣会社」を目指し、より良い環境作りに努める必要があります。 派遣事業に関するお悩みごとや、eラーニングに関するご相談は「派遣の学校」までお寄せください! 改正派遣法のキャリアアップ教育訓練について無料セミナーも開催しております。 キャリアアップ教育訓練について、分かりやすく解説いたします。 ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】
  • 雇用調整助成金の対象となる教育訓練は?【特例措置対応】

    新型コロナウイルス感染症の影響で社会情勢は大きく変化し、苦境に立たされている業界や企業は少なくありません。 その結果やむを得ず休業者が出ることがありますが、「雇用調整助成金」という制度をうまく活用することで、補助金を受け取りながら休業中の労働者に対して教育訓練をすることができます。 この記事を読んでいただくことで、雇用調整助成金とはどのようなものなのか、また休業中にどのような教育訓練をすべきなのか分かります。 また、新型コロナウイルス感染症の影響によって新たに施行された特例措置についても解説します。

    雇用調整助成金とは

    主に教育訓練を行う場合を想定し、「雇用調整助成金」の概要を説明します。 今回の特例措置で雇用調整助成金の受給範囲は広がっているので、休業中の労働者がいる場合には積極的に活用したい制度となっています。

    休業中の労働者がいる企業を対象にした支援制度

    雇用調整助成金とは、経営状況の悪化等を原因として休業している労働者が、雇用関係を維持できるようにするために支給されるものです。 経営の悪化等が原因で企業に休業者が生じた場合、休業者には平均賃金の60パーセント以上の休業手当を支払うことが義務づけられています。 しかし、資金繰りがうまくいかない企業ではその休業手当すら払うことができず、労働者を解雇してしまうケースもあります。 そうした事態を避け、休業中の労働者を守るために作られたのが雇用調整助成金制度です。 企業規模や雇用の状況により給付金額の上限は異なります。

    教育訓練と雇用調整助成金

    休業中労働者に対して教育訓練を行うことで、雇用調整助成金が加算されます。これは厚生労働省が、休業期間を活用した労働者のスキルアップを積極的に勧めているためです。 助成金加算の対象となる教育訓練の幅は広いため、業界や各個人に求められているスキルなどをもとに、多様な教育を行うことができます。 この教育訓練については、後ほど詳しく説明します。

    新型コロナウイルス感染症の影響による特例措置

    新型コロナウイルス感染症の蔓延が原因で業績が悪化した企業は多く、その結果休業を余儀なくされた従業員はかなりの数に上ります。 そのため、厚生労働省は特例措置として雇用調整助成金の条件緩和と支給額の引き上げを発表しました。 2021年12月現在、この特例措置は12月末まで継続し、2022年3月まで延長する予定があることが発表されています。 未申請の企業もこれから申請を行うことができるので、厚生労働省のホームページから詳細をご確認ください。 そして教育訓練に関する加算額も同様に引き上げられ、これまで1人1日あたり1,200円だった加算上限額は、中小企業で2,400円、大企業で1,800円となりました。 また、教育訓練実施日の就労はこれまで認められていませんでしたが、特別措置施行後は半日訓練・半日就労ができるようになりました。

    雇用調整助成金申請の流れ

    続いて、雇用調整助成金を申請する際の具体的な手順をご説明します。 申請時にはいくつかの書類が必要となり、注意すべきポイントもあるため、事前に準備をしておくことが大切です。

    申請の大まかな流れ

    雇用調整助成金の給付を受ける際には、いきなり申請だけをするのではなく、事前の準備が必要不可欠です。 ここでは大まかなステップを4つに分けてご紹介します。 ①教育訓練を通して得られる効果を想定する まずは休業者に対して教育訓練を行うことでどのような効果が得られるのか想定した上で、受講目的を明確にします。 しっかりと目的を設定することで、教育訓練を受ける休業者自身だけでなく雇用を行っている企業側も教育の方針を立てやすくなります。 業界や業種によって有効な教育訓練は異なります。自社の従業員に対してどのような教育訓練が最適なのか情報収集をしましょう。 ②具体的な訓練の内容を決める 教育訓練の最終的なゴールが決まったら、次は具体的な内容を決めていきます。 この段階でカリキュラムを作成しておけば、後々スムーズに教育訓練や助成金の申請が行えるでしょう。 また、教育訓練の実施場所によって申請書類が異なるため、事前に研修場所(社内・社外いずれか)や外部の教育機関の決定をしておきます。 ③計画届を労働局に提出する 教育訓練の計画が決まったら、計画届を作成して各都道府県の労働局に提出します。 管轄のハローワークにも提出することができます。 ④教育訓練を実施し、雇用調整助成金の申請を行う 実際に休業者に対する教育訓練を行います。その後申請書類を記入し、労働局に提出します。ハローワークでも書類の受理が可能です。 ここまでが申請までの大まかな流れです。 大切なのは事前に明確な目標と無理のない計画を立てることです。 休業者の視点に立ち、どのような能力を高めれば今後の業務で活きるか考えなくてはなりません。

    必要な書類

    特例措置中に教育訓練を実施し、雇用調整助成金の申請を行う場合、必要な書類は下記の通りです。 書類の作成に時間がかかるケースもあるので、申請時期から逆算して早めに書類の作成に取りかかりましょう。
    • 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書
    • 雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書
    • 休業・教育訓練計画一覧表
    • 休業協定書・教育訓練協定書
    • 事業所の状況に関する書類
    • 教育訓練の内容に関する書類
    このうち、「休業等実施計画(変更)届」「休業・教育訓練計画一覧表」「教育訓練の内容に関する書類」は毎回提出しなければなりません。 それぞれの書類の詳細や必要事項は、厚生労働省発行の「雇用調整助成金ガイドブック」をご覧ください。

    教育訓練を実施する際に気をつけるべきこと

    教育訓練を行い雇用調整助成金の申請をする場合、気をつけなければならないことがあります。 それは教育訓練をどこで行うのか明確にしておくこと。 教育訓練を行う場所は事業所の内外どちらも想定されます。それぞれで申請時に提出する書類が異なるため間違えないよう注意しましょう。ちなみに、弊社のeラーニングを活用の場合は「事業所内訓練」として扱われるため、「支給申請合意書(様式13号)」は記入不要となります。

    どんな教育を行えば良い?オンラインでも大丈夫?

    一口に教育訓練と言っても、様々な種類があります。 訓練内容はもちろんですが、研修を行う場所や外部の教育機関に依頼するかどうかなど、たくさんの選択肢があります。 そして中には助成金給付の対象とならないものもあります。 ここでは、どのような教育訓練を行えばよいのかを解説していきます。

    雇用調整助成金の給付対象となる教育訓練とは

    基本的に、雇用調整助成金の申請時に教育訓練として認められるのは、各業務に従事する労働者に必要な教養以上のスキルを身につけるためだと判断されたものです。 たとえば、飲食業や宿泊業、タクシー運転手として必要な教養を超えた英語研修を受ける場合にはこの対象となります。 一方で新入社員研修や法令で定められている教育など、業務上必要不可欠な教育は対象外です。

    特例措置による助成金対象範囲の拡大

    上記で必要不可欠な教育は助成金の対象外だと紹介しましたが、今回発表された特例措置でその条件は緩和されています。 特例措置で教育訓練だと認められるようになった訓練には、以下のようなものがあります。
    • 自宅で行う訓練(eラーニング等)
    • マナー研修、新入社員研修、メンタルヘルス研修など、どの業界でも共通して必要になる教育
    • 過去に行った教育訓練を再度実施
    休業中の期間を利用し、業務上必要なレベルの社員教育を行った場合にも助成金が給付されるため、学びを止めることなく従業員のスキルアップを図ることができます。

    研修内容によっては教育訓練として認められない場合も

    行った研修が教育訓練として認められるかどうかは、企業や職種に必要なものかどうかで判断されます。そのため、一概に「この研修は認められる」「この研修は認められない」とは言えません。語学研修を例に挙げると、外国語を業務の中で頻繁に使う業種では教育訓練として認められる可能性が高くなりますが、全く外国語を使うシーンがない業種の研修としては認められない場合があります。 そのため、既存の業務や今後の事業展開を踏まえ、どのような研修が最適か見極める必要があります。

    積極的に進むeラーニングの活用

    今回の特例措置により、eラーニングで行われる教育訓練も雇用調整助成金給付の対象となりました。 コロナ禍で集合研修の実施が難しい今、eラーニングを活用する企業は増えてきています。 受講者は気軽に自分に合った教育訓練を受けることができますし、管理者も受講者がどのようなコンテンツを視聴したのか管理しやすくなっています。 当社でも、雇用調整助成金の申請に対応したeラーニングコンテンツを多数ご用意しています。 eラーニングに関するご相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

    この機会を活用して充実の教育を!

    新型コロナウイルス感染症の蔓延に起因する企業の経営状況悪化により、多くの業界や業種において休業者が出てしまっています。 もちろん、経営者は極力休業中の労働者を生み出さないようにしなければなりませんが、休業中の労働者への教育訓練にも力を入れるべきだといえます。 雇用調整助成金を活用することで、労働者に対して効果的な教育訓練を行うことができます。教育訓練を通して労働者がスキルアップできれば、労働者自身にも企業にも多くのメリットがもたらされます。 この機会に休業中の教育訓練を見直してみませんか? 当社では休業者を対象にしたeラーニングを展開しています。ぜひご活用ください!
  • キャリアアップ措置とは?他社との差別化ポイントまでご紹介

    すべての派遣事業者は労働者派遣法(以下、派遣法)に則って派遣事業を行わなければなりませんが、中でも「キャリアアップ措置」について、なにをすべきか分からないという声をいただくことがあります。 そのため、今回は特に派遣労働者のキャリアアップという観点から、キャリアアップ措置について説明を行います。 これから派遣事業を始める場合にも、事業の中でキャリアアップ措置に関する悩みを抱えている場合にも参考にしていただける記事となっています。  

    1.キャリアアップ措置とは

    具体的な方策を挙げる前に、一度キャリアアップ措置について整理してみましょう。 そもそもキャリアアップ措置とはどのような意図で、どのようなことを求めているものなのか解説していきます。 また、この措置の対象者や必要な訓練についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。  

    1-1.派遣労働者がキャリア形成をするための教育体制のこと

    キャリアアップ措置を簡単に説明すると、「派遣労働者のためのキャリアに関する教育を施すこと」となります。派遣労働者として業務に従事する中で、本人の希望や適性に沿ったキャリアを歩んでいくために最も重要なのは、教育と言っても過言ではありません。 そして適切な教育を行い、必要があればキャリアコンサルティングを行うことは派遣事業者の役目です。 そのため、派遣法ではキャリアアップ措置が義務づけられており、段階的かつ体系的な教育訓練の実施と、キャリアコンサルティングの実施が求められています。  

    1-2.キャリアアップ措置の対象者

    措置の対象者となるのは、派遣事業者において雇用されている派遣労働者です。 そしてキャリアアップ措置に関する義務は派遣元だけでなく、派遣先にもあります。 それぞれ行うべき措置は異なるので、どちらの対象となっているのかを事前に把握しておきましょう。 派遣元派遣先には、それぞれ以下のような措置が義務づけられています。

    1:派遣元の義務

    • 労働局への教育訓練計画の提出
    • 計画的な教育訓練の実施
    • 希望者へのキャリアコンサルティングの実施
    • 教育訓練などの実施状況の報告
    • 派遣元管理台帳などにおいて教育訓練の実施状況を記録すること

    2:派遣先の配慮義務・努力義務

    • 派遣労働者が希望した場合には、対象者へ教育訓練を受けられるよう可能な限りの協力や配慮を行うこと
    • 派遣元の求めに応じ、派遣労働者のキャリアアップ支援に必要な情報を派遣元へ提供すること

    1-3.キャリアアップ措置に関する注意点

    特に派遣元がすべき措置は多いですが、その中で気をつけなければならないことがあります。 厚生労働省が定めている条件をもとに、いくつか注意すべきポイントをご紹介します。
    • キャリアアップ措置は、「派遣事業元に雇用されている派遣労働者全員」が対象でなければならない
    • 教育訓練は有給かつ無償で行われなければならない
    • 雇用期限がない派遣労働者に対しては長期的なキャリアアップを視野に入れたキャリアアップ措置を行わなければならない
    上記のほかにも注意すべきポイントはありますが、特にこちらの3つのポイントについては気を配る必要があります。  

    2.具体的にはなにをしたらよいか

    キャリアアップ措置の概要を把握したところで、より具体的な内容に移っていきましょう。 今回は特に派遣事業元が行うべきことについてまとめています。  

    2-1.キャリアアップ教育訓練実施計画を労働局に提出する

    2015年の派遣法の改正以降、派遣事業者は「キャリアアップに資する教育訓練」の計画を策定し、提出しなければならなくなりました。 基本的にはキャリア形成を目的とした教育訓練を、主に「どの段階で」「どのように」「なぜ」行うのかまとめ、教育訓練の実施計画として労働局に提出することになります。 入社年次ごとの教育内容と、その内容で教育を実施することの目的をまとめるのが一般的です。 労働局に認めてもらえれば良いという観点ではなく、派遣労働者に対して真摯に向き合い、明確に記載を行うことが重要です。  

    2-2.派遣労働者に対して教育訓練を実施する

    計画の策定と提出が終わったら、その計画に従って教育訓練を行います。 基本的なビジネスマナーから専門的な技能教育まで、年次や業種によって内容はさまざまです。 ただ忘れてはいけないのは、どれもすべて派遣労働者のキャリアアップのための教育であるということです。 会社のためではなく、あくまで個人のキャリアのためであるということは念頭に置いておく必要があります。  

    2-3.希望の場合にはキャリアコンサルティングを行う

    派遣労働者からキャリアコンサルティングの希望があった場合、派遣事業者はそれに応じなければなりません。 キャリアに関する相談を受ける担当者についても要件が定められており、キャリアコンサルタントとしてふさわしい人を配置する必要があります。 また事務所内に相談窓口を設けるだけでなく、メールや電話、専用フォーム等からもキャリアに関する相談を受け付けられるようにすることが求められているため、適切な受付手段の整備と周知は必須になっています。  

    3.キャリアアップ訓練はどのように行うべき?

    キャリアアップ教育訓練の実施計画をもとに教育訓練を行うと先述しましたが、実際どのようなことを念頭に置きながら訓練を行うべきなのでしょうか。 また、現地での集合研修ができない昨今の状況下で派遣事業者ができることはなにか、解説します。  

    3-1.従業員のためになる教育訓練を

    まず絶対に押さえておかなければならないのは、「派遣労働者のことを考える」ということです。 実施計画を形だけのものにしないためにも、実施する教育訓練の質にはこだわるべきでしょう。 業界や受講者のレベル等によって訓練の内容は変わることが考えられますが、社内でノウハウを持った人がいなければ外部に委託するのも手です。 「派遣の学校」でもキャリアアップのための教育コンテンツを多数用意しています。 ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。  

    3-2.教育訓練で他社との差別化が可能

    教育訓練の実施は全事業者で必須となりましたが、実際に実施されている訓練の質は派遣会社によってさまざまだといえるでしょう。 必要最低限の教育訓練でも基準さえ満たしていれば労働局に認めてはもらえますが、それでは本当の意味でのキャリアアップ教育にはなっていないといえます。 反対に、充実した教育プログラムを用意しそれを広く周知することで、他の派遣会社との差別化ができます。 それほど派遣事業者におけるキャリアアップ措置の重要性は非常に高いのです。  

    3-3.eラーニングの活用も進む

    新型コロナウイルス感染拡大防止のため、派遣労働者を集めて研修を行う「集合研修」は最近では行われなくなってきています。 代わりに積極的に活用されるようになってきたのがeラーニングでの研修です。 eラーニングの活用で、これまで教育担当者の方が頭を悩ませていた、場所や時間の問題が解消します。 eラーニングを導入したいけれどコンテンツの内製は難しいという場合には、ぜひ「派遣の学校」までご相談ください。 多様な業種に対応した高品質なコンテンツを取りそろえておりますので、現場の負担をかけずに充実したキャリアアップ教育訓練を行うことができます。  

    3-4.キャリアのコンサルティングも併せて行うことで効果アップ

    多くの派遣事業者では教育訓練に重きを置き、キャリアコンサルティングについては力を入れる余裕がないと言うのが実情のようです。 ただ、派遣労働者のキャリアのことを考えると、キャリアコンサルティングは積極的に実施すべきだといえます。 この先のキャリアプランが明確に決まっていて、そのためになになにをすべきか自分自身で明確に理解できている人は少ないものです。 派遣会社でどのようにキャリアを積むべきか本人の意向に沿って考えられるようなコンサルティングができれば、従業員は安心して働くことができます。 そうした観点からキャリアコンサルティングの質も教育訓練同様、他社との差別化ポイントだといえます。  

    4.従業員のことを考えたキャリアアップ措置で他社との差別化を!

    これから働く派遣会社を選ぶポイントとして、そこで得られるスキルやキャリアステップを重視する人は非常に多くなっています。 そのため、派遣事業者がキャリアアップ措置に力を入れるのは必要不可欠といえます。 従業員のキャリアのことを真剣に考え、そのための手段としてキャリアアップ措置を行っていれば、自ずと人が集まる会社になるはずです。 「派遣の学校」ではこうした派遣会社におけるキャリアアップ措置に関するご相談を受け付けております。 是非お気軽にご連絡ください。
  • 人材派遣会社を作るにはどんな資格が必要?要件や必要書類を解説!

    派遣事業の市場規模は2022年度売上で8兆8,600億円(前年度から7.6%増)、2023年5月時点の派遣社員は159万人で、前月から5万人増、前年同月から4万人増となりました。 この大きな市場をもつ派遣事業の可能性は今後も広がっていくことが予想されますが、事業を始める際には厚生労働省の認可を取得する必要があります。 そして認可を得るためにはいくつかのステップがあり、人材派遣で起業をする際には事前準備が必須だといえます。 この記事では主に人材派遣会社を設立するための必要資格や要件、必要書類について解説を行います。

    1. 人材派遣業とは

    そもそも人材派遣業とはどのような業種なのでしょうか。 「従業員を集め、人材を必要としている場所への派遣を行う」という漠然とした認識をお持ちの方も多いかもしれませんが、実際はもう少し細かく定義がされています。 人材派遣業に似た業種の「有料職業紹介事業」との違いを含めて解説を行います。

    1-1. 自社で雇用した社員を派遣する事業

    人材派遣業のベースとなるのは、社員を雇用して人材として派遣を行うというスタイルです。 人材派遣に関する法律の労働者派遣法では、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」が人材派遣であると定義されています。 つまり、派遣会社に雇用された従業員をその会社以外の会社で労働に従事させるのが人材派遣業の基本となっているということです。

    1-2. 有料職業紹介事業との違い

    人材派遣業と似たような業種に「有料職業紹介事業」というものがあります。 これは人材を集めて仕事をあっせんし、仲介手数料を派遣先企業から得るという業種です。 一見すると同じような業種に思えますが、最も大きな違いは雇用先がどこであるかという部分にあります。 人材派遣業では従業員は「派遣元」の会社に雇用され、有料職業紹介事業では「派遣先」の企業に雇用されます。 そのため、これから起業を考えて入る場合には行う事業がどちらに分類されるのか明確にしておく必要があります。

    1-3. 人材を派遣できる業種・できない業種

    多様な業界において人材派遣会社からの従業員派遣が行われていますが、その一方で人材派遣を行うことができない業種も存在します。 下記がその一例で、どれも高度な知識や技術・資格を要するものです。
    • 弁護士や司法書士
    • 医療関係業種(医師や看護師など)
    • 建設作業や土木作業に従事する職種
    • 港湾運送業務を伴う職種(船内荷役や検査業務などに従事する場合)
    • 警備に関連する業務
    この他にも人材派遣を行うことができない職種や、条件付きの派遣のみ認められている業種があります。 これから起業し、事業を展開しようとしている業種で人材の派遣が認められているのか、またそのために満たすべき条件があるのか事前に確認しておく必要があるでしょう。 ・お役立ちセミナー・資料ダウンロード 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】 【キャリアアップ教育プランサンプル無料ダウンロード】

    2. 派遣事業を始めるにあたって必要な資格・許可とは

    派遣会社は、誰しもが作ろうと思った時に作れるわけではありません。 事業を始める前に必ず取得しなければならない許可や資格があります。 資格の取得に際して実務経験も必要となるため、事前の確認と準備を怠らないようにしましょう。

    2-1. 必要な資格:派遣元責任者

    派遣事業を始めるためには、派遣元責任者講習を受講して派遣元責任者になる必要があります。 必要な資格はこの一つですが、実際に派遣元責任者として職務を行う場合には3年以上の雇用管理経験が求められます。 具体的には企業で人事や労務の担当者を3年以上経験するか、職業安定行政や労働基準行政で3年以上業務に従事するなどの経験が必要です。 なお、これらの経験は20歳時点から起算されるため、実務を20歳未満から始めた場合には要注意です。

    2-2. 必要な許可:労働者派遣事業許可

    派遣元事業責任者となったら、厚生労働省から「労働者派遣事業許可」という認可を取得することになります。 2015年の労働者派遣法の改正により、すべての派遣事業者は許可を得て事業を行わなければならなくなりました。 また、初回は3年、それ以降は5年ごとにこの許可の更新をしなければ事業を継続することはできなくなります。 派遣事業で起業する上で避けては通れない許可なので、頭に入れておきましょう。 この許可を取得するための要件については、次の章で詳しく紹介します。

    3. 労働者派遣事業許可を得るための要件

    派遣会社を設立する際には、最終的には厚生労働省の認可(労働者派遣事業許可)の取得を目指すことになりますが、そのために満たさなければならない要件がいくつもあります。 ここでは要件を五つに大別し、それぞれの概要をご紹介します。 現状との比較やこれからの目標策定にお役立ていただければ幸いです。 各要件のポイントはこちらの記事でより詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

    3-1. 資産に関する要件

    厚生労働省への許可申請を行う際に最低限満たさなければならない資産面での要件は次の三点です。
    ・基準資産額が2,000万円以上ある ・資産から負債を除いた額が負債の7分の1よりも多い ・資産のうち1,500万円以上が現金である

    基準資産額が2,000万円以上ある

    基準資産額とは、基本的には(資産総額)−(負債総額)のことです。 他に差し引くものもありますが、ここでは割愛させていただきます。 派遣時事業者として認可を受ける場合には、この基準資産額が2,000万円以上であることが必須となります。 「起業の際には資本金が2,000万円以上あれば良い」と言われることがありますが、基準資産額と資本金は異なるものです。 算出の結果、資本金は2,000万円以上あるが基準資産額が2,000万円を下回っているという場合もあります。 事前に正しい算出方法で基準資産額を求め、基準を満たしておく必要があります。 ちなみに、複数の事業者を設立する場合も基準資産額を合算することはできないため、2,000万円が事業所ごとに必要となります。

    資産から負債を除いた額が負債の7分の1よりも多い

    基準資産額が基準を満たしている場合でも、負債が多い場合には要注意です。 (資産)から(負債)を引いた金額が負債総額の7分の1よりも多くなっているか、しっかり確認しておきましょう。

    資産のうち1,500万円以上が現金である

    現金の資産が1,500万円を下回っている場合も、認可を得ることができません。 「現金の資産」とは貸借対照表でいうところの「現金」と「預金」を足し合わせたもの。 すぐにお金として動かすことができるお金が1,500万円以上なくてはならないのです。

    3-2. 派遣元責任者に関する要件

    派遣元責任者にも基準が設けられています。 下記基準が代表的なものです。
    ・未成年者でなく、住所が一定であること ・良好な健康状態であること ・他人を不当に拘束・束縛しないこと ・公共の場にふさわしくない業務でないこと ・責任者自身が派遣労働者として労働しないこと ・名義借りではないこと ・申請時点で派遣元責任者講習の受講後3年以内であること ・外国人の場合、在留資格があること ・労働者派遣法6条の第1号から第12号に定める欠格事由に該当しないこと
    労働者派遣法の「欠格事由」には、暴力団の構成員であることや破産している場合が該当します。 責任者にこの欠格事由に該当する事実がなかったとしても、法定代理人や役員が該当する場合には認可を受けることができません。

    3-3. 事業所の広さや立地に関する要件

    続いて、事業を行う場所に関する要件です。 申請時には必ず労働局による現地調査が行われますが、下記要件をすべて満たしていなければ事業所としては認められません。
    ・事業で利用する面積が20平方メートル以上あること ・使用目的が賃貸借契約書の目的と一致していること(事務所用途であること) ・別の法人が同じ場所で業務を行っていないこと ・個人情報を守ることができる環境が整っていること ・風俗営業店の密集エリアに位置していないこと
    事業所の面積については、「事業で利用する」部分が20平方メートル以上なくてはなりません。事業に関係ない部分の面積は含まれないため、実際の事業所の総面積はもう少し大きくなることがほとんどです。 また、風営法で規制されている風俗営業店が付近に密集している場合、事業所の立地として不適当だと判断される可能性が高いです。 入居予定のビルや周辺にそのような店舗がないか確認しておきましょう。

    3-4. 公正な事業運営のための要件

    これは派遣事業を公正に持続していくための要件です。 登録手数料として金銭を要求したり、業務に関係のないサービスへの登録を義務付けたりすると、この要件を満たしていないとみなされます。 厚生労働省の認可基準では、以下のような文言で公正な事業運営を行うための要件を定めています。
    ・労働者派遣事業を当該事業以外の手段(会員の獲得、組織の拡大、宣伝等)として利用しないこと ・登録時に手数料に相当するものを徴収しないこと

    3-5. 個人情報の管理面での要件

    情報が非常に大きな意味をもつ現代では、個人情報を適切に管理するのはマストだといえます。 もちろん、派遣事業においても例外ではありません。 具体的には下記のような要件を満たし、「個人情報適正管理規定」を作成しなければ厚生労働省からの認可を受けることはできません。
    ・派遣労働者の秘密となる個人情報が業務の目的上必要になった場合、その情報を正当な範囲において正確かつ最新の状態で保つこと ・個人情報の紛失や破壊、改ざんが起こらないよう対策を講じること ・個人情報へのアクセスは社内の権限を持った人にのみ行わせ、それ以外の人のアクセスを防止するシステムを導入すること ・派遣労働者からの求めがあった場合や個人情報を保管しておく必要がなくなった場合、個人情報を破棄したり削除したりできるよう備えること
    またこれらの内容を派遣従業員の求めに応じて開示する必要があります。 詳細については厚生労働省が発行している要件を参照してください。 ・お役立ちセミナー・資料ダウンロード 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】 【キャリアアップ教育プランサンプル無料ダウンロード】

    4. 認可取得までの流れと必要書類

    派遣事業で起業するにあたって満たさなければならない要件を、厚生労働省の認可基準に照らして説明してきました。 ここからはそうした認可のステップや、その際に必要な書類のリストをご紹介します。 できるだけ確実に認可を得るためにできることは事前準備に尽きます。 特に書類不備で不許可にならぬよう、書類作成には気を配らなければなりません。

    4-1. 派遣会社を設立するまでの大まかな流れ

    先に触れた「労働者派遣事業許可」を得るためには、「派遣元責任者講習」を受講した派遣元責任者を最低1名置かなければなりません。 また、厚生労働省による審査を受ける前に労働局からの調査が入ることになります。 申請から認可取得まで最短で2ヶ月ほどを要するため、起業をするタイミングや時期を見据えてスケジューリングしておきましょう。

    1:派遣元責任者講習を受ける

    厚生労働省のサイトに掲載されている講習受講機関で、派遣元責任者講習を受講しましょう。 講習は朝から夕方まで1日で行われます。 この講習を受け、なおかつ要件を満たしている者のみが派遣元責任者として業務に従事できるようになります。

    2:必要書類の作成と提出

    必要な書類を揃え、記入や捺印の上提出します。 まず、最も大切な書類が下記3種類の申請書および計画書です。
    ・労働者派遣事業許可申請書(様式第1号):3部(正本1通、写し2通) ・労働者派遣事業計画書(様式第3号):3部(正本1通、写し2通) (複数事業所を同時に申請する場合、事業所ごとに作成) ・キャリア形成支援制度に関する計画書(様式第3号-2):2部(正本1通、写し1通)
    加えて、上記の書類に添付しなければならない書類が18種類あります。 入手や作成自体は難しくありませんが、必要な書類が揃っていなければ不備とみなされるので繰り返しチェックしておきましょう。
    ・定款または寄付行為 ・登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・役員の住民票 ・役員の履歴書 ・派遣元責任者の住民票 ※役員が兼務する場合は不要 ・派遣元責任者の履歴書 ※役員が兼務する場合は不要 ・派遣元責任者講習の受講証明書 ※許可申請日前3年以内に受講したもの ・最近の事業年度における貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書 ※会社設立後最初の決算期を終了していない法人は会社成立時の貸借対照表のみ ・最近の事業年度における法人税の納税申告書 ※会社設立後最初の決算期を終了していない法人の場合は不要 ・最近の事業年度における法人税の納税証明書 ※会社設立後最初の決算期を終了していない法人の場合は不要 ・事業所施設に関する書類 ※建物の登記事項証明書または建物の賃貸借契約書 ・個人情報適正管理規程 ・自己チェックシート(様式第15号) ・就業規則又は労働契約の該当箇所(写し) ・就業規則(労働基準監督署の受理印があるページの写し) ・派遣労働者のキャリア形成を念頭においた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等又はその概要の該当箇所の写し ・キャリアアップに資する教育訓練(整理用シート) ・企業パンフレット等事業内容が確認できるもの
    書類に関する不明点がある場合には、労働局で相談に乗ってもらえる場合もあります。 お近くの労働局に窓口がある場合、書類提出前に相談しておくと安心です。 (参考:神奈川労働局

    3:労働局による調査

    労働局では主に書類の不備や申請内容に関するチェックを行います。 また、この段階で担当者による現地調査が実施されます。 労働局からの電話に出られなかったことで不審がられることもあるので、この時期は常に電話に出られるよう特に気を配っておく必要もあります。

    4:厚生労働省による審査・認可の通達

    労働局による調査後に、厚生労働省の審査が始まります。 審査の内容は労働局で行われるものとさほど変わりませんが、気を抜くことのないようにしましょう。 厚生労働省による審査後に労働政策審議会の意見聴取が行われ、最終的な可否が決定されます。 申請が認められても認められなくても通達はされるので、その内容で結果を知ることとなります。 ・お役立ちセミナー・資料ダウンロード 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】 【キャリアアップ教育プランサンプル無料ダウンロード】

    5. 書類作成時のポイント

    最後に、特にご相談の多い2つの書類について、記入時のポイントを簡単にご説明します。

    5-1. 労働者派遣事業計画書

    労働者派遣事業許可を受ける際にはこの「労働者派遣事業計画書」が必要になります。 これは簡単に言えば派遣会社を適切に運営し、そこで働く人の労働環境や待遇を良く保つための計画書です。 この書類を作成する上で最も大切なことは「公正に事業を行い、従業員の環境をより良くするための」計画を立てることです。 ひとつひとつの細かい記入事項はありますが、どれも派遣事業者を適正な道に導くためのもの。そうした本質的な部分を見据えて書類を作成するのが大切です。 そして許可を得ることができた後も、毎年6月末までに「労働者派遣事業報告書」の提出が義務付けられています。 計画と実行、そして次の計画の立案までを1年のサイクルで行わなければならないのです。 こちらは「労働者派遣事業報告書」を作成する際のポイントをまとめた記事ですが、根本の部分は「労働者派遣事業計画書」と同じです。 ぜひより詳しいポイントを知りたい方は参考にしてみてください。

    5-2. キャリア形成支援制度に関する計画書

    こちらは派遣会社で従業員として働く人のキャリア形成を促進するための計画書です。 計画書では実際のカリキュラムの内容を記入することになるので、自社で行うキャリアアップ訓練の内容を把握し、嘘偽り無く記入することが求められます。 「派遣の学校」では充実した教育訓練プログラムを用意しており、もちろん「キャリアアップ形成支援制度に関する計画書」に対応したカリキュラムも多数ご用意しております。 キャリアアップ教育訓練についての無料セミナーも開催しております。ぜひご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】

    6. 万全な事前準備でスムーズな開業を

    起業に必要な資格や手順はシンプルではありますが、それに伴う作業にはかなりの労力や時間を割くことになります。 手続きや審査の際に慌てないようにするためにも、スムーズに開業するためにも事前準備は十分すぎるほどしておきましょう。 キャリアアップ訓練のカリキュラムに迷ったら「派遣の学校」にご相談を。 各業種や従業員の方の属性を鑑み、最適なカリキュラムを提案いたします。

    7. 申請準備が楽になる無料オンラインセミナー開催中

    申請準備の手間を少しでも減らしていただくために、派遣の学校では、各種無料セミナーを実施しています。 これまでの派遣会社様へのご支援実績をもとに、分かりにくい派遣法の解釈や提出に必要な書類の作成方法を事例を交えながらお伝えします。 無料で実施していますので是非お気軽にご参加ください。 【30分でわかる!キャリアアップ教育訓練 完全対策セミナー】

    8. 「キャリアアップに資する教育訓練」の資料

    8-1. PDFダウンロード

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