SCORMとはeラーニングにおける国際標準規格です。テストの点数や学習の進捗情報などの学習履歴を学習管理システム(LMS)に送信しデータベースに格納する統一規格として定められたものです。

しかしSCORM規格は「PCのブラウザでeラーニング用の教材を学習する」ことを前提とした規格で、現在の様々な学習経験(スマートフォンでのeラーニング学習や、eラーニング以外のOJTやトレーニング、経験など)には対応していません。
そこでSCORMの後継規格として「Experience API(以下、xAPI)」が登場しています。

●xAPIでできること

SCORMはLMSと教材間におけるテストの点数や学習進捗などの記録の実行しかできませんでしたが、xAPIではLRS(Learning Record Store)という多様な教育関連の経験履歴の取得ができるデータベースを利用します。
どのような履歴データを収集し蓄積できるかというと、
・様々なデバイスからのデータ連携 (PC、モバイル、アプリなど)
・詳細な学習履歴 (複数記録や詳細な学習履歴の時間など)
・SNSなどを活用したインタラクティブな学習方法における履歴の取得
・Web検索や閲覧情報
xAPIではネットワークに常時接続していなくても履歴の送信時のみ接続していればいいので、オフラインで学習した情報 (集合研修、OJT、DVDでの学習など)も蓄積することができます。

●xAPIの今後

SCORMではLMSにログインしコンテンツを開き学習しなければ学習データを取得することができませんでした。ところが、xAPIでは各種デバイス・システムで取得した履歴情報をまとめ、抽出することができるので、様々な角度から個人の学習を分析することが可能になります。
将来的にはAIと組み合わせて、従業員の過去の学習記録をもとに、個人にあった学習を自動的に生成するような仕組みができるかもしれません。学習用のVRコンテンツの視聴ログもxAPIとして記録して活用していけるとよいのではないかと考えます。