Matterportとは

Matterport(マーターポート)とは、アメリカのMatterport社が提供しているサービスで、3Dスキャンカメラあるいはスマートフォン等で建物内を撮影し、アップロードするだけで、高品質な3Dモデルをクラウド上に構築し、臨場感のある360°バーチャルツアーをWeb上で公開することができます。
構築されたモデル内の自由な位置にタグを設置し、タグをクリックするとテキスト/画像/動画/リンクなどの情報を表示することもできます。

Matterportは、実際に現地に行かなくても再現された3D上を、Web上で表示し、歩き回ることができるため、さまざまなシーンで活用されています。
・不動産・住宅の内覧
・店舗のショールーム
・博物館・美術館の展示
・歴史的建造物のツアー

▼弊社プロシーズでも、貸し会議室の内覧のために、Matterportを活用しています。

https://www.pro-seeds.com/lileas/

デジタルツイン

再現された3Dは、様々なモードで閲覧することができます。
・ウォークスルー:建物内を自由に歩き回ることができる。
・ドールハウス: モデル全体を表示し、自由に角度を変えて閲覧でき、全体像を把握することができる。
・フロアプラン:フロアーを上から見下ろし間取りを閲覧できる。

▼ドールハウスビュー


上記のモードに加え、Matterportはモデルの採寸を行うこともできます。Matterportの3Dデータは、現実空間でのサイズをそのまま保持しているため、3D内の自由な箇所を採寸する事ができるのです。
このように、現実空間にあるものをまるごとデータとして複製したものは、デジタルツインと呼ばれます。

▼採寸の例

正確な3Dモデルを保持しているため、上述したドールハウスビューなどが実現できるのですが、特に着目して欲しいのがウォークスルーのスムーズさです。
単純に360度写真だけを切り替えるウォークスルーの場合は、位置の移動の際にどうしても、移動している(歩いている)感覚にはなりづらいのですが、Matterportの場合は止まって見ている場合は高精細な360度写真を表示し、移動している途中だけ3Dモデルを合成して表示しており、移動している(歩いている)感が表現されています。

SDKの活用

MatterportにはSDK(開発キット)が用意されており、それを利用して独自にカスタマイズを行う事が出来ます。

https://matterport.github.io/showcase-sdk/docs/reference/current/index.html

SDKを利用すれば、Matterportのモデルの情報を取得したり、閲覧しているユーザーのモデル内でのアクションを取得する事ができます。
例えば、ユーザーが移動した際や、タグをクリックした際のアクションを取得して、追加の処理をプログラムすることができます。

ログの分析

プロシーズラボで開発中のMatterportのビューアーでは、ユーザーのさまざまなアクション(移動・タグのクリック・リンクのクリック・ハイライトツアーのクリック・表示モードの変更)のイベントをキャッチして、リアルタイムで行動ログをサーバーに記録するようにしています。
蓄積したログからは、ユーザーの平均の滞在時間や、移動回数などが分かります。さらに分析すれば、見て欲しい地点やタグに辿り着いているか、辿り着いていない場合どこで離脱しているか、といったことも分析することができます。こういった分析は、訪問者により多くの箇所を見てもらう・タグをクリックしてもらうというための改善に繋げることができると考えています。

また開発中のシステムでは、Matterportのショーケースにどこのページから訪問したかが分かるようにログを残しているため、こちらもマーケティングにも活用できると考えています。

教育コンテンツへの利用

上述したSDKを利用することで、タグをクリックしたら、独自のクイズを表示させるといったこともできます。

例えば、施設の利用方法をユーザーに把握して欲しいといった場合、タグのテキスト情報だけでなくクイズに答えてもらうようにすることで、より理解を深めてもらうことができます。

▼クイズの例

  
また、クリックした箇所の座標を正確に取得するというSDKの機能を活用すれば、あらかじめ決めておいた特定の隠しポイント(エリア)をクリックすると、メッセージを表示させるといったこともできます。
以下は、セキュリティ研修の教育コンテンツにこれを応用した例です。
オフィスの中からセキュリティ的に問題がある箇所(開きっぱなしになっているノートパソコン)を発見できたら、メッセージを表示させています。

プロシーズでは、Matterportを活用した教育コンテンツを作成しています。
ご興味のある方は是非お問い合わせください。