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人材派遣で起業したい!要件やより良い事業者を目指すためのポイントをご紹介

さまざまな要因で人手不足の業界が多い今、優秀なスタッフを抱える人材派遣会社には需要が集まっています。新たに人材派遣業を営む際の要件や流れ、良い事業者になるためのポイントをご紹介します。

人材派遣業での起業を考えている方にお読みいただきたい内容になっています。

その状況をチャンスと捉え、人材派遣業界で起業をしたいと考える方も多いでしょう。

この記事では、

 

1.人材派遣での起業ってうまくいくの?

ここでは人材派遣業の概要に触れた後、今後の展望や可能性についてご説明します。

混同されがちな「人材紹介業」や「請負」との違いにも触れています。

まずは大まかに人材派遣業への理解を深めましょう。

 

1-1.そもそも人材派遣業とは

その名の通り、自社で雇用している労働者を他社に派遣する事業を行うのが、人材派遣業です。

労働者が所属するのは派遣元の事業者ですが、実際に働くのは派遣先の事業者になります。

そのため、業務に関する指示は派遣先のものに従いますが、給与は派遣元の事業者から受け取ることになります。

同一の派遣先企業で働くことができるのは最大3年までとなっているため、それ以上の期間派遣先の企業で勤務したいのであれば、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶ必要があります。

 

1-2.人材紹介業や請負との違い

「人材派遣業」と似たような事業に「人材紹介業」があります。人材紹介業は、人手が必要な企業に人材を紹介する、いわば仲介を行うものです。

労働者は人材紹介元の企業には所属せず、紹介先の企業と直接契約を結ぶことになります。

つまり人材派遣業と人材紹介業の最も大きな違いは、労働者が派遣元(紹介元)と雇用契約を結ぶかどうか、という点です。

また、別の業務形態として「請負」があります。

請負契約は案件や納品物単位で行われる契約のことで、労働者が実際に働く企業と雇用契約を結ぶ企業が異なることもあります。

その特徴から人材派遣と混同されがちではありますが、請負はあくまで契約先の企業の業務を一部請け負うものとなるので、人材派遣にはあたりません。

 

1-3.個人で起業するケースも

人材派遣業を個人事業主として起業する場合も、会社を設立する場合と基本的な手順は同じです。

小規模派遣元事業主には、条件付きで事業開始時の資産要件が緩和される制度もあります。

要件を満たせば、資本金1,000万円で人材派遣事業を始めることができます(通常は2,000万円以上の資本金が必要)。

個人事業主の基準資産額は確定申告を元に確認することとなります。

 

1-4.人材派遣業界の未来は?

人材派遣業を始めようとしている方はみなさん気になっている部分だと思いますが、人材派遣業界の未来は明るいのでしょうか。

結論から言えば、「差別化ができれば利益を生むことができる」といえるでしょう。

新型コロナウイルスの影響で、世界経済は縮小しています。

求人倍率も低下しており、需要と供給のバランスを見るとしばらく厳しい状況が続くと思われます。

しかし、過度に不安に駆られる必要はありません。

所属人材の専門技術レベルや業務の効率化などで他社との差別化に成功すれば、今後も需要が集中する派遣会社になることができるでしょう。

どの分野、どの戦略なら差別化できるかを事前に考えておくことが大切です。

 

2.人材派遣で起業するための要件

ここでは、人材派遣の領域で起業する際の必須要件をご紹介します。

要件自体はさほど難しいものではありませんが、事前準備は必須です。

早めに申請の要件を確認し、適切なアクションをとっておきましょう。

 

2-1.派遣業務許可の要件とは

労働局に派遣業務開始の申請を行う際の主な要件は次の通りです。

  • 基準資本金を含め、一定レベルの資産額を満たすこと
  • 事務所面積を含めた事務所の環境に関する条件を満たすこと
  • 適正な雇用とその管理ができる派遣元事業者であること
  • 労働者の教育や訓練を適正に行うための計画を持っていること
  • 許可申請にあたり、非認可になるような欠格事由を持っていないこと

 

このうちのいくつかを、下記で詳しくご説明します。

 

2-2.資本金を確保できているか

人材派遣会社を設立する際には、資本金を「2,000万円以上」用意しなければなりません。

資本金の判断は基本的に(総資産)から(負債)を差し引いた額で決定されます。

決算前の企業であれば、会社を設立した際の貸借対照表が資本金の判断材料になるので、会社設立時の資本金の確保はしっかりと行っておきましょう。

また、事業所が複数ある場合には、事業所の数だけこの条件が適用されます。

つまり、事業所を3つ設立する際には、2,000万円 × 3 = 6,000万円以上の資本金を用意する必要があるのです。

 

2-3.派遣元責任者講習を受けた責任者がいるか

新たに派遣会社を設立する場合、「派遣元責任者講習」を受講した責任者を置かなければなりません。

資格の取得そのものの難易度こそ高くないものの、資格を取得する際には3年以上の実務経験が必要になるため、その部分がハードルになることもあります。

「実務経験」とは、実務ベースでの雇用管理経験のことを指し、企業の人事や労務部門の担当者としての経験が問われることになります。

 

2-4.教育や訓練において一定の基準を満たしているか

派遣会社はすべての所属労働者に対し、教育や訓練を実施する必要があります。

この教育や訓練は有給かつ無償で実施され、内容は各個人のキャリアアップのためのものでなければなりません。

所属スタッフをより優秀な人材に育成するためにも、教育には力を入れましょう。

近年では教育訓練にeラーニングを活用する企業も増えています。

 

2-5.事業所に関する要件

事業所にかかわる要件も設定されています。

まずは事業所の面積です。

20㎡以上の面積が必要とされていますが、通常は問題なく要件を満たすことができるでしょう。

あとは風営法で定められた事業を行う店舗が、事業所の周囲に密集していないことも要件に含まれています。

事業所を設置する際には、物件の広さだけでなく周囲の環境も確認しておきましょう。

 

 

3.開業するまでの大まかな流れ

ここからは具体的な起業の流れをご説明します。

人材派遣業で起業する際には必ず踏まなくてはならない手順なので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事では、特に法人として派遣事業をスタートする場合の流れをご紹介します。

 

3-1.派遣元責任者講習を受講する

要件の部分でご説明しましたが、派遣事業を始めるにあたって「派遣元責任者講習」を受けた責任者を置くことが義務づけられています。

講習は全国で開催されているので、お近くの講習会場で受講可能です。

受講費用は講習の実施団体によって異なりますが、だいたい1万円ほどになります。

この講座の受講自体は、派遣業の認可取得までのどのタイミングでも構いません。

しかし、講習の受講予約に時間がかかるケースもあるので、予約だけでも早くしておくことをおすすめします。

 

3-2.会社を設立する

派遣事業を始める際には、まず会社として登記をするところから始めます。

大まかな流れでいえば、会社名や所在地などの基本情報を決定し、定款の認定を受けたら資本金の払い込みを行います。

法務局での申請が通れば、会社の設立ができたとみなされます。

ここからの手続きの詳細な手順は割愛しますが、税務や社会保険、労務にかかわる手続きを各機関にて行う必要があります。

これらの申請が問題なく受理されれば、会社の登記が完了した状態になります。

 

3-3.派遣業の許可取得

会社の登記ができたら、派遣業を行うための申請に移りましょう。

必要書類の作成後、労働局を通じて厚生労働省に申請を行うことになります。

書類の不備があると認可を受けることはできないため、事前のチェックは怠ることのないようにしましょう。

事業許可を通知されれば、派遣事業を始めることができます。

書類の提出から認可まで約3ヶ月程度かかることが多いので、スケジュールを事前に組んでおき、余裕を持って行動しなければなりません。

 

4.より良い派遣事業者を目指すために

無事派遣会社を設立できたら、いよいよ事業開始です。

もちろん会社ができたからといって満足していてはいけません。

ここでは、これから先も派遣会社として発展し続けるために、しておきたいことを3つご紹介します。

 

4-1.優良派遣事業者認定の取得

「優良派遣事業者認定制度」とは、派遣労働者、派遣元事業者、派遣先事業者の三者にとって良い環境を作るための認定制度です。

厚生労働省が認定を行っており、派遣会社を選ぶ際の指標の一つになっています。

認定要件の中に「3年以上の事業実績があること」が含まれているため、事業開始時すぐには申請できませんが、事業が軌道に乗った時点で認可を受けることができれば、他社との差別化ポイントになるでしょう。

 

4-2.適切な人材管理

人材派遣で重要なのは、人材の管理です。

ひとくちに人材の管理と言っても、日々の勤務状況や人材配置、スタッフひとりひとりのメンタルヘルスなど多岐に渡りますが、これらひとつひとつの管理の仕方は企業全体のあり方に直結します。

業務の効率化を図りつつ、個々人に寄り添った企業運営ができるよう心がけましょう。

 

4-3.eラーニングの導入

スタッフの訓練や教育にeラーニングを用いることで、ひとりひとりのキャリアアップに寄り添った学習支援ができます。

単に「義務だから」という理由から行われるのではなく、本人のことを考えた上での教育訓練の実施は、今後さらに重要性を増すと考えられます。

「派遣の学校」では、数多くの職種に対応したeラーニングコンテンツを多数ご用意しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

5.起業はスタートライン!他社との差別化を忘れずに

この記事では主に人材派遣で起業する、いわば「始めるまで」の段階の話をしてきました。

事前準備を十分行い、確実に認可を受けられるようにしましょう。

また、起業ができた後も優秀な人材と仕事が集まる「良い派遣会社」を目指し、より良い環境作りに努める必要があります。

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