導入企業様の取り組み事例

某インフラサービス会社様

教育訓練成功のポイントの一つは、派遣先企業様との協力体制づくり

御社の派遣社員様は、受講率・修了率が非常に高いですが、どのような取り組みをされていますか。

研修実施前に、派遣社員の皆様(以降、派遣社員)の技能レベルを確認した上で適した講座を割り当てています。決まった1つの教育プランを全てのスタッフに提供するのではなく、事前のスキルチェックが必要かと思います。その確認を通して、派遣社員自身も、キャリアアップ教育訓練への心の準備ができたのかもしれません。
ただ、そのコースづくりに時間がかかっているため、システム上で、スタッフへのアンケート送付、回答、承認、受講開始を一括で管理できると、運用コスト(時間)を削減でき、受講後のフィードバックや派遣先企業様(以降、派遣先)との情報共有の時間を増していけるので助かります。

受講後のアンケートを拝見すると、御社の派遣社員様は積極的に学習され、職場に活かそうという意識が高いように思います。運用の工夫は何かされていますか。

受講後アンケートを確認し、想像以上に積極的に取り組んでいただいていたので嬉しく思いました。派遣先にも協力していただき、就業時間内でキャリアアップ教育訓練に取り組む研修時間を確保していただいています。派遣先にもご理解いただくことや、派遣社員が研修を行いやすいように研修時間をしっかりと設けることが、非常に大切なことかと思います。もちろん派遣社員の皆様が元々業務も含め真面目に積極的に取り組まれているということが大きいかとは思います。

実際に業務の指示を出す上司の方への受講状況の報告がキャリアアップの鍵になる

キャリアアップ教育を行ってみて見えてきたことはありますか。

派遣先からは、「経理業務を担当できる方を採用したい」というご要望をいただくのですが事務経験のある方の応募が比較的多いのが現状です。今回のキャリアアップ教育をきっかけに、事務採用の方に経理の知識を身につけていただこうと思います。そのためにも、「派遣の学校」の研修のラインナップとして、日商簿記3級試験の対策講座は最低でも揃えていただきたいです。

キャリアアップ措置について、今後さらに取り組もうと思っていることがあれば教えてください。

キャリアアップ教育訓練として、各派遣社員がどのような研修を受けているのかについてさらに派遣先に積極的に情報共有を行っていきたいと考えています。
今回の法改正の目的は、派遣社員のキャリアアップ、職場でのステップアップですがそのためには、派遣先(特に実際に業務の指示を出す上司の方)との協力関係が必要と考えます。
まずは、当社から研修内容や派遣社員の希望を伝えることで、派遣社員に仕事を依頼する時に、教育訓練の内容を加味して新しいことにチャレンジさせようという流れを作っていきたいです。
必ずキャリアアップにもつながっていくと思います。

派遣社員・派遣先・派遣元の3者間でスキルアップ評価項目を共有化・見える化したい

今後弊社に期待することがあれば、教えてください。

派遣先にも、「派遣の学校」を利用できる仕組みづくりを希望します。
まずは先程の話のように、派遣先の派遣社員の上司からスタッフ様のご様子やスキルアップのニーズをお伺いできるコミュニケーションツールになれば、よりキャリアアップ教育に取り組みやすくなると思います。また、派遣社員の同意の上、派遣先が、派遣社員の受講進捗やスキルアップへの姿勢を把握できれば、派遣先も派遣社員のキャリア教育に興味を持っていただけると思います。
さらに、将来的には、評価項目を派遣先と共有し、派遣先と派遣元で派遣社員のスキル評価を共有できれば嬉しく思います。その評価が資格取得や講座受講と結びつき、評価結果がどのように時給に反映されるかが分かっていくようになるといいですね。スタッフの適正な評価と時給の調整は慎重に行う必要があり、時間がかかる面もありますが、誰が見ても分かる指標があれば、調整がスタッフ様にも納得のいく形でまとめることができます。現状では「言われたからする」という意識がどうしてもあると思うので積極的にキャリアアップ教育に取り組んでほしいと思っています。
このような取り組み、仕組みづくりは、すぐには難しいかもしれませんが、派遣先、派遣社員、派遣元が今回の法改正に対して前向きに取り組むために必要なことの一つかと思います。

今後のキャリアアップ教育訓練の発展・整備にもつながる貴重なご意見、お話を聞かせいただき、誠にありがとうございました。